いびきは遺伝する?骨格・顎・肥満体質との関係と治療法を医師が解説
いびきのお悩み

いびきは遺伝する?骨格・顎・肥満体質との関係と治療法を医師が解説

「親がいびきをかいていると、自分や子供にも遺伝するのでは」と不安に感じていませんか。いびきは、骨格や顎の大きさ、鼻の通りやすさ、太りやすい体質、アレルギー体質など、家族で似やすい要素が関係することがあります。

ただし、いびきそのものが必ず遺伝するわけではありません。実際には、遺伝的な体質に加えて、体重増加、飲酒、睡眠姿勢、鼻づまり、加齢などの生活習慣や環境要因が重なることで、いびきが起こりやすくなります。

また、大きないびきや睡眠中の呼吸停止を指摘される場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性もあります。家族にいびきが多い方ほど、「体質だから仕方ない」と放置せず、原因を見極めることが大切です。

この記事では、いびきと遺伝の関係、子供・赤ちゃんへの影響、顎が小さい・骨格が原因の場合の治療法まで、専門的な視点でわかりやすく解説します。遺伝が心配な方でも、原因を整理すれば対策や受診の目安が見えてきます。

いびきは遺伝する?体質との関係を解説

DNA・体重計・飲酒・睡眠のアイコンで、いびきと遺伝・体質・生活習慣の関係を示す図

いびきと遺伝の関係を考えるときは、「いびきそのものが親から子へ受け継がれる」と捉えるより、「いびきを起こしやすい体質や体の特徴が似る」と考えると理解しやすくなります。

監修医
木村真聡

ここでは、まず遺伝といびきの基本的な関係を整理します。

遺伝するのは、いびきをかきやすい体質

いびきは、睡眠中に狭くなった気道を空気が通ることで、喉や軟口蓋などの粘膜が振動して起こります(参照:日本耳鼻咽喉科学会 宮城県地方部会「いびきについて」)。そのため、親がいびきをかくからといって、いびきという症状そのものがそのまま子供に遺伝するわけではありません

一方で、いびきをかきやすくする体質や体の特徴は、家族で似ることがあります。たとえば、顎が小さい、下顎が後ろに下がっている、鼻の通り道が狭い、太りやすい、アレルギー性鼻炎になりやすいといった要素です。これらがあると、睡眠中に気道が狭くなりやすく、結果としていびきにつながることがあります。

ここで大切なのは、いびきを一つの遺伝子だけで決まるものとして考えないことです。実際には、骨格、筋肉のつき方、脂肪のつきやすさ、鼻や喉の炎症の起こりやすさなど、複数の要素が組み合わさっていびきの出やすさが変わります。原因が一つとは限らないため、自己判断だけでは見落としが起こることもあります。

つまり、「いびきが遺伝する」というよりも、「いびきを起こしやすい条件が遺伝的に受け継がれる可能性がある」と考えるのが適切です。

なお、いびきの背景には複数の要因が関わるため、まずは代表的な原因を整理しておくと、自分に合う対策を考えやすくなります。
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遺伝要因と生活習慣が重なるといびきが出やすい

遺伝的にいびきをかきやすい体質があっても、それだけで必ずいびきが起こるとは限りません。実際には、体重増加、飲酒、喫煙、睡眠不足、仰向け寝、鼻づまりなどの生活習慣や環境要因が重なることで、いびきが目立つようになることがあります。特に成人では、年齢とともに筋肉がゆるみやすくなる点にも注意が必要です。

たとえば、もともと顎が小さく気道が狭くなりやすい方が、体重増加によって首まわりに脂肪がつくと、睡眠中の空気の通り道はさらに狭くなります。また、飲酒後は喉の筋肉がゆるみやすくなるため、普段はいびきをかかない方でも大きないびきが出ることがあります。

反対に、家族にいびきをかく人がいても、体重を適正に保ち、鼻づまりを治療し、飲酒量や睡眠姿勢を見直すことで、いびきの発生や悪化を抑えられる場合があります。遺伝的な体質は変えにくくても、気道を狭くする後天的な要因は対策できることが多いです。

このように、遺伝要因は「変えられないもの」と考えられがちですが、生活習慣によって影響を強めることも弱めることもできます。家族にいびきや睡眠時無呼吸症候群の方がいる場合は、体質を理由に放置するのではなく、早めにリスクを把握し、改善できる要因から見直すことが大切です。

なお、生活習慣を見直してもいびきが続く場合は、セルフケアだけでなく治療の選択肢も含めて確認しておくと安心です。
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いびきに関係する主な遺伝要因

あごの形・鼻の構造・肥満傾向・アレルギー体質など、いびきに関係する遺伝要因の図解

いびきに関係する遺伝要因は、一つの原因だけで説明できるものではありません。骨格、鼻の通りやすさ、太りやすさ、アレルギー体質などが重なり、気道が狭くなりやすい状態をつくります。

顎が小さい・下顎が後ろにある骨格

いびきと遺伝の関係で特に重要なのが、顎や顔まわりの骨格です。顎が小さい、下顎が後ろに下がっている、首が短い、舌が収まるスペースが狭いといった特徴があると、睡眠中に舌の根元が喉の奥へ落ち込みやすくなります。その結果、空気の通り道である気道が狭くなり、いびきが起こりやすくなります。

骨格は家族で似やすいため、親子で顎の小ささや顔の輪郭が似ている場合、いびきをかきやすい条件も似ることがあります。ただし、骨格が似ているからといって、必ず同じようにいびきをかくわけではありません。体重、筋肉のゆるみ、鼻づまり、寝る姿勢などによって、実際にいびきが出るかどうかは変わります。

特に、痩せているのにいびきをかく方や、若い頃から家族にいびきを指摘されている方は、肥満だけでなく骨格による気道の狭さが関係している可能性があります。この場合は、単に体重を落とすだけでは改善しにくいこともあるため、原因を見極めることが大切です。

鼻腔や鼻中隔など鼻の通りやすさ

鼻の通りやすさも、いびきに関係する重要な要素です。鼻腔が狭い、鼻中隔が曲がっている、慢性的に鼻が詰まりやすいといった状態があると、睡眠中に鼻呼吸がしにくくなります。その結果、口呼吸になりやすく、喉が乾燥したり、舌や軟口蓋が落ち込みやすくなったりして、いびきにつながることがあります。

鼻の形や鼻腔の広さには、生まれつきの体質や成長過程の影響が関係します。家族で鼻づまりが起こりやすい、口呼吸になりやすい、鼻声になりやすいといった傾向がある場合は、鼻の通りにくさがいびきの背景にあるかもしれません。

ただし、鼻の問題は遺伝だけでなく、アレルギー、風邪、副鼻腔炎、乾燥、喫煙環境などでも悪化します。鼻づまりがある日は特にいびきが大きくなる方は、鼻の通りを整えることがいびき対策の第一歩になります。

太りやすい体質と首まわりの脂肪

肥満そのものは生活習慣による後天的な要素が大きいですが、双子研究などからBMI(体格指数)にも遺伝的影響があることが知られており、太りやすさや脂肪のつきやすい部位には体質が関係することがあります。

特に首まわりや喉の周囲に脂肪がつくと、外側から気道が圧迫され、睡眠中に空気が通りにくくなります。そのため、体重増加はいびきや睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める代表的な要因です。

家族に肥満傾向の方が多い場合、食習慣や運動習慣が似ているだけでなく、体質として体重が増えやすい可能性もあります。さらに、顎が小さい、鼻が詰まりやすいといった遺伝的な要素に体重増加が重なると、気道はより狭くなり、いびきが悪化しやすくなります。

一方で、体重は遺伝要因があっても生活習慣で調整しやすい部分です。家族にいびきや肥満傾向がある方ほど、早めに体重管理を意識することで、将来的ないびきの悪化を防ぎやすくなります。

体重や首まわりの変化が気になる方は、肥満といびきの関係を具体的に確認しておくと、改善の優先順位を考えやすくなります。
👉 いびきと肥満の関係について詳しくはこちら

アレルギー性鼻炎による鼻づまり

アレルギー性鼻炎も、いびきに関係する体質の一つです。花粉、ハウスダスト、ダニなどに反応しやすい体質があると、鼻の粘膜が腫れ、鼻づまりが起こりやすくなります。鼻呼吸がしにくい状態が続くと、寝ている間に口呼吸になり、喉の振動が起こりやすくなります。

アレルギー体質は家族で似ることが多いため、親子で鼻炎、喘息、アトピー性皮膚炎などの傾向がある場合は、鼻づまりをきっかけにいびきが出やすくなることがあります。特に季節によっていびきが悪化する方や、朝起きたときに口の乾きが強い方は、アレルギー性鼻炎が関係している可能性があります。

鼻炎によるいびきは、原因となるアレルゲン対策や鼻炎治療で軽減できる場合があります。「遺伝だから仕方ない」と考えるのではなく、鼻づまりをコントロールすることも、いびき対策の重要な選択肢です。
👉 鼻炎によるいびきの原因と治療法はこちら

いびきが遺伝する確率と家族リスク

親子とDNA、呼吸器や睡眠のアイコンで、いびきの家族歴と遺伝リスクを示す図

「いびきは何%の確率で遺伝するのか」は、多くの方が気になるポイントです。ただし、医学的に「親から何%で遺伝する」と断定できるものではありません。

ここでは、研究で示されている遺伝率や、睡眠時無呼吸症候群の家族リスクを整理します。

いびきの遺伝率は研究によって差がある

「いびきが遺伝する確率」と聞くと、多くの方は「親がいびきをかく場合、子供も何%の確率でいびきをかくのか」を知りたいと考えるのではないでしょうか。しかし、医学的には、親から子へいびきが何%の確率で受け継がれると単純に示すことはできません。

研究で使われる「遺伝率」とは、ある集団の中で、いびきの出やすさに遺伝的な違いがどの程度関係しているかを示す考え方です。つまり、遺伝率が10%や20%と示されていても、「親がいびきをかくと子供が10%や20%の確率でいびきをかく」という意味ではありません。

なお、いびきに関する研究では、遺伝的な影響が一定程度あることは示されています。

これまでに行われた双子・家族研究では、習慣的ないびきの出やすさについて、遺伝率は18〜28%程度と報告されています。これは、いびきの出やすさのすべてが遺伝で決まるという意味ではなく、体質や骨格など、家族で似やすい要素が一部関係している可能性を示すものです。

さらに近年では、より大規模な遺伝子研究も行われています。たとえば、英国UK Biobankの約40万人を対象とした2020年のゲノムワイド関連解析(GWAS、Nature Communications掲載)では、いびきに関連する複数の遺伝領域が報告され、いびきのSNPベース遺伝率は約10%(9.9%)と推定されています。

このように、いびきの遺伝率は研究方法によって数値に差があります。双子・家族研究では18〜28%程度、GWASでは約10%とされており、双子・家族研究の方が高めに出る傾向があります。これは、研究方法、対象者、いびきの定義、自己申告か検査結果か、生活習慣や環境要因をどの程度考慮するかなどの違いによって生じるものです。

そのため、「いびきは必ず遺伝する」「遺伝率が高いから治らない」と考える必要はありません。遺伝的な体質はリスクの一部であり、体重、飲酒、喫煙、鼻づまり、寝る姿勢など、後から変えられる要因も大きく関係します。

睡眠時無呼吸症候群は家族歴も関係する

大きないびきに加えて、睡眠中に呼吸が止まる、日中に強い眠気がある、朝起きたときに頭痛やだるさがある場合は、睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性があります。睡眠時無呼吸症候群も、いびきと同じく一つの遺伝子だけで決まる病気ではありませんが、家族歴がリスクに関係することが知られています。

たとえば、閉塞性睡眠時無呼吸症候群では、発症に関わる要素として、顎や顔面の骨格、上気道の狭さ、肥満しやすさ、脂肪のつき方などが挙げられます。これらは家族で似ることがあり、親や兄弟姉妹に睡眠時無呼吸症候群の方がいる場合、自分も同じようなリスク因子を持っている可能性があります。

MSDマニュアル プロフェッショナル版では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の家族歴は成人症例の25〜40%にみられ、換気ドライブや解剖学的構造に影響する多遺伝子性のリスクを反映していると説明されています。

また、日本国内の研究(鳥取大学による1996〜1997年度の研究)でも、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の第一親等者の有病率は9.1%で、一般人口の1.7%と比べて約4倍以上高いことが報告されています。ここでいう一親等とは、親、子供、兄弟姉妹などの近い血縁関係を指します。

ただし、リスクが高いことと、必ず発症することは別です。

注意したいのは、家族歴に加えて、体重増加、飲酒習慣、加齢、鼻づまりが重なるケースです。家族にいびきや睡眠時無呼吸症候群の方がいる場合は、自分の睡眠状態や日中の眠気を確認することが大切です。
👉 睡眠時無呼吸症候群の症状・原因・治療法はこちら

親のいびきが子供に必ず遺伝するわけではない

親がいびきをかいていると、「子供にも同じように遺伝するのでは」と心配になる方は少なくありません。しかし、親のいびきがそのまま子供に受け継がれるわけではありません。受け継がれる可能性があるのは、顎の形、鼻の通りやすさ、太りやすさ、アレルギー体質など、いびきにつながりやすい条件です。

また、子供のいびきには、成人とは異なる原因が関係することもあります。たとえば、アデノイドや扁桃の肥大、鼻づまり、口呼吸などが背景にある場合です。そのため、親にいびきがあるかどうかだけで判断せず、子供自身の睡眠中の様子を見ることが重要です。

子供・赤ちゃんのいびきと遺伝の関係

眠る子供とアデノイド・扁桃肥大、鼻づまり、気道の狭さなど子供のいびき原因を示す図

子供や赤ちゃんのいびきは、親のいびきがそのまま遺伝して起こるとは限りません。骨格や鼻の通りやすさ、アレルギー体質などが親子で似ることはありますが、子供の場合は成人とは異なる原因も多く関係します。

子供はアデノイド・扁桃肥大も原因になる

子供のいびきでは、顎の小ささや鼻づまり体質などの遺伝的な要素が関係することがあります。一方で、幼児期から学童期では、アデノイドや扁桃の肥大によって空気の通り道が狭くなり、いびきが出ることも少なくありません(参照:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「睡眠時無呼吸(こども)」)。

そのため、「親がいびきをかくから子供のいびきも遺伝」と決めつけるのは避けましょう。子供のいびきは、骨格や体質だけでなく、発育、鼻炎、口呼吸、扁桃・アデノイドの状態などを含めて確認する必要があります。

赤ちゃんは鼻づまりや発育上の狭さも関係する

赤ちゃんのいびきや大きな寝息は、遺伝よりも鼻づまりや気道の小ささ、乾燥、風邪などが関係していることがあります。乳児は鼻や気道がまだ小さいため、少しの鼻づまりでも音が大きく聞こえることがあります。

ただし、毎日のようにいびきが続く、苦しそうに呼吸している、哺乳しづらい、体重の増えが悪い、呼吸が止まるように見える場合は、早めに小児科へ相談しましょう。

毎晩のいびきや呼吸停止は受診の目安

子供のいびきで注意したいのは、遺伝かどうかよりも、睡眠中の呼吸が妨げられていないかです。毎晩のようにいびきをかく、呼吸が止まるように見える、息を吸うときに胸や首元がへこむ、寝汗が多い、何度も寝返りを打つといった様子がある場合は、睡眠中に十分な呼吸ができていない可能性があります。

また、睡眠中の問題は、日中の様子に現れることもあります。朝起きても眠そうにしている、集中力が続かない、機嫌が悪いといった変化がある場合は注意が必要です。子供は大人のように「眠い」「熟睡できない」と言葉で伝えられないことがあるため、保護者が睡眠中と日中の両方を観察することが大切です

気になる症状が続く場合は、耳鼻咽喉科小児科で相談しましょう。鼻づまりやアデノイド・扁桃肥大が疑われる場合は耳鼻咽喉科、発育や全身状態も含めて相談したい場合は小児科が選択肢になります。

受診時には、いびきの頻度、呼吸が止まるように見える場面、日中の眠気や集中力の変化をメモしておくと、医師に状況を伝えやすくなります。

子供のいびきの原因や受診の目安については、下記の記事も参考にしてください。
👉 子供のいびきが続く原因は?受診の目安と家庭でできる対策を解説

顎が小さい・骨格が原因のいびき治療

マウスピース、CPAP、レーザー治療、外科的治療など、いびきで狭くなった気道を広げる治療法を示す図

顎が小さい、下顎が後ろにある、喉の奥が狭いといった骨格の特徴があると、体重が多くない方でもいびきが起こることがあります。

監修医
木村真聡

ここでは、骨格由来のいびきに対して、どのような治療や対策が選択肢になるのかを整理します。

骨格を変えなくても気道を広げる方法はある

顎が小さい、下顎が後ろに下がっている、舌が喉の奥に落ち込みやすいといった骨格の特徴がある場合、睡眠中に気道が狭くなりやすくなります。そのため、「骨格が原因なら治せないのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。

しかし、いびき治療では骨格そのものを大きく変えなくても、睡眠中の空気の通り道を確保する方法があります。代表的な治療法には、次のようなものがあります。

  • 下顎を少し前に出して、舌の落ち込みを防ぐ治療(マウスピース・口腔内装置)
  • 空気の圧力で、睡眠中の気道を広げる治療(CPAP)
  • 喉や口蓋のゆるみ・狭さに働きかける治療(レーザー治療や一部の外科的治療)

特に、痩せているのにいびきをかく方や、若い頃からいびきを指摘されている方は、肥満よりも骨格や喉の狭さが関係していることがあります。この場合、一般的な減量や寝具の見直しだけでは十分に改善しないこともあるため、原因に合った治療を選ぶことが重要です。

一方で、骨格由来のいびきに見えても、実際には鼻づまり、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群、飲酒習慣などが重なっているケースもあります。自己判断で市販グッズだけに頼るのではなく、大きないびきや呼吸停止を指摘される場合は、医療機関で状態を確認することをおすすめします。

マウスピース・CPAP・レーザー治療などの違い

骨格や顎の位置が関係するいびきでは、睡眠中の気道をどのように確保するかが治療選びのポイントになり、それぞれ気道への働きかけ方が異なります。

表は横にスクロールできます

治療法主な仕組み向いているケース注意点
マウスピース・口腔内装置下顎を前方に保ち、舌の落ち込みを防いで気道を広げる顎が小さい方、下顎が後ろにある方、軽症から中等症の睡眠時無呼吸が疑われる方歯や顎関節の状態によっては使用できない場合がある
CPAP空気の圧力をかけて、睡眠中に気道が閉じにくい状態を保つ中等症から重症の睡眠時無呼吸症候群がある方毎晩の継続使用が必要で、マスクの違和感や乾燥が気になることがある
レーザー治療喉や口蓋にレーザーを照射し、喉のゆるみ・狭さに働きかける喉や口蓋のゆるみがいびきに関係している成人の方自由診療であり、状態によって適応や効果に個人差がある
外科的治療鼻・喉・扁桃・顎など、狭くなっている部位に応じて気道を広げる明らかな形態異常があり、他の治療で十分な改善が難しい方手術リスクやダウンタイムがあるため、慎重な判断が必要

いずれの治療法も、原因や重症度によって向き・不向きがあります(参照:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020」)。

特に睡眠中の呼吸停止や日中の強い眠気がある場合は、いびき音だけで判断せず、睡眠時無呼吸症候群の可能性も含めて医療機関で相談しましょう。
👉 いびき治療の種類について詳しくはこちら

いびきのレーザー治療はスノアレーズも選択肢

骨格や顎の位置がいびきに関係している場合でも、実際には喉や口蓋のゆるみ、舌の落ち込みなどが重なって気道が狭くなっていることがあります。そのため、いびき治療では「骨格だけが原因」と決めつけず、どの部位が空気の通り道を狭くしているのかを確認したうえで、治療法を選ぶことが大切です。

喉や口蓋のゆるみ・狭さがいびきに関係している場合、レーザー治療が選択肢になることがあります。当院スリープメディカルクリニックでは、いびきレーザー治療「スノアレーズ」をご案内しています。

スノアレーズは、喉や口蓋にレーザーを照射し、喉の中を引き締めて気道を広げることで、いびきの改善を目指す自由診療の治療です。メスを使う外科手術とは異なり、体への負担を抑えながら治療を受けやすい点が特徴です。

  • メスを使わず、レーザー照射のみで行うため痛みが少ない
  • 治療時間は約15分と短く、忙しい方でも受けやすい
  • 腫れや痛みが少なく、治療後すぐに日常生活へ戻りやすい
  • 喉の表面部分に働きかけるため、後遺症リスクを抑えやすい
  • 患者様一人ひとりの状態に合わせて照射設定を調整する

ただし、すべてのいびきにレーザー治療が適しているわけではありません。特に、睡眠中の呼吸停止や日中の強い眠気を指摘されている場合は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。その場合は、いびき音だけで判断せず、呼吸状態も含めて確認することが重要です。

家族にいびきを指摘されている方、骨格や体質が関係しているのではと不安な方は、「遺伝だから仕方ない」と放置せず、まずはご自身のいびきの原因を確認することから始めましょう。

なお、当院の治療対象は18歳以上です。高校生以下の方、お子さまのいびきについては、小児科または耳鼻咽喉科へご相談ください。

夫・妻のいびきは子供に遺伝する?

親子とDNAのイラストで、骨格や体質を受け継いでもいびき対策は可能であることを示す図

「夫のいびきが大きいので、子供にも遺伝しないか心配」「妻の家系にいびきが多いけれど、子供にも影響するのでは」と不安に感じる方もいます。配偶者のいびきと子供への影響は、いびきそのものではなく、骨格や体質がどのように受け継がれるかで考えることが大切です。

骨格や体質はどちらの親からも受け継ぐ可能性がある

子供の骨格や体質は、父親・母親のどちらか一方だけから決まるものではありません。顎の大きさ、顔まわりの骨格、鼻の通りやすさ、太りやすさ、アレルギー体質などは、両親それぞれの影響を受けながら形成されます。そのため、夫または妻にいびきがある場合、子供にもいびきをかきやすい体質が受け継がれる可能性はあります。

ただし、配偶者がいびきをかくからといって、子供も必ずいびきをかくわけではありません。家族で似るのは、いびきという症状そのものではなく、気道が狭くなりやすい骨格、鼻づまりを起こしやすい体質、体重が増えやすい傾向などです。さらに、食事、運動、睡眠時間、アレルギー対策などの生活環境も、子供のいびきに影響します。

睡眠時無呼吸症候群についても、家族歴はリスク因子の一つとされていますが、遺伝だけで発症が決まるわけではありません。複数の要因が重なって発症リスクが高まります。そのため、配偶者にいびきがある場合は、将来を過度に不安視するより、子供の睡眠の様子を日常的に観察することが現実的な対策です。

子供のいびき対策は早期発見と生活習慣が大切

子供への遺伝が心配な場合に大切なのは、いびきが出る前から過度に心配することではなく、早期発見しやすい環境を整えることです。毎晩いびきをかく、口を開けて寝ている、呼吸が止まるように見える、寝起きが悪い、日中に眠そうにしているといった様子があれば、小児科や耳鼻咽喉科で相談しましょう。

なお、子供のいびきは、家庭での観察を続けることで変化に気づきやすくなります。音や頻度を記録したい場合は、補助的にアプリを活用する方法もあります。
👉 いびきアプリの選び方はこちら

また、生活習慣で調整できる部分にも目を向けることが重要です。たとえば、体重が増えすぎないように食事や運動の習慣を整える、アレルギー性鼻炎がある場合は鼻づまりを放置しない睡眠時間を確保する、寝室の乾燥やハウスダスト対策を行うといった取り組みは、いびきの予防や悪化防止につながります。

遺伝が心配な人ができる対策と受診目安

体重管理、横向き寝、飲酒制限など、今日から始められるいびき対策を示す図

いびきに遺伝的な体質が関係していても、すべてを受け身で考える必要はありません。ここでは、家族にいびきがある方が今日から意識したい対策と、医療機関へ相談すべき目安を整理します。

体重管理・横向き寝・飲酒制限でリスクを下げる

遺伝的にいびきをかきやすい体質がある方ほど、まず意識したいのが体重管理です。体重が増えると首まわりや喉の周囲に脂肪がつき、睡眠中の気道が狭くなりやすくなります。もともと顎が小さい、鼻が詰まりやすいといった体質がある場合、体重増加によっていびきが目立ちやすくなることがあります。

寝る姿勢も、いびきに関係します。仰向けで寝ると、重力の影響で舌の根元が喉の奥へ落ち込みやすくなり、気道が狭くなります。横向きで寝ると舌の落ち込みが軽減され、いびきが和らぐ場合があります。抱き枕を使う、背中側にクッションを置くなど、横向き寝を保ちやすい工夫を取り入れてみましょう。
👉 いびきをかかない寝方について詳しくはこちら

また、飲酒を控えることも大切です。アルコールは睡眠の質を悪化させるだけでなく、閉塞性睡眠時無呼吸をはじめとした睡眠障害を悪化させる可能性があります(参照:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」)。

呼吸停止や強い眠気がある場合は早めに相談する

いびきの中には、生活習慣の見直しだけでは不十分なものもあります。特に注意したいのは、大きないびきに加えて、睡眠中に呼吸が止まる、夜中に何度も目が覚める、朝起きても疲れが取れない、日中に強い眠気があるといった症状です。

これらの症状がある場合、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群などの病気が隠れている可能性があります

睡眠時無呼吸症候群では、睡眠中に酸素が不足し、体に負担がかかることがあります。いびきの音だけを抑えようとするのではなく、呼吸状態を確認し、必要に応じて検査や治療につなげることが大切です。

また、家族に睡眠時無呼吸症候群の方がいる場合や、親・兄弟姉妹に大きないびきをかく方が多い場合は、自分も同じようなリスク因子を持っている可能性があります。症状が気になる場合は、早めに医療機関へ相談しましょう。

受診するか迷う場合は、まず症状の出方をセルフチェックし、医療機関へ相談すべきサインがないか確認してみましょう。
👉 睡眠時無呼吸症候群のセルフチェックはこちら

よくある質問

DNA、頭蓋骨、赤ちゃん、医師のアイコンとFAQで、いびきの遺伝に関するよくある質問を示す図

いびきと遺伝について、よくある質問をまとめました。遺伝の有無だけで判断せず、症状の頻度や呼吸状態、日中の眠気などもあわせて確認しましょう。

いびきは遺伝しますか?

いびきそのものが、親から子へ必ず遺伝するわけではありません。ただし、顎が小さい、下顎が後ろにある、鼻が詰まりやすい、太りやすい、アレルギー性鼻炎になりやすいといった体質は家族で似ることがあります。

これらの要素が重なると、睡眠中に気道が狭くなりやすく、いびきにつながる場合があります。家族にいびきが多い方は、自分の体質と生活習慣の両方を確認することが大切です。

いびきが遺伝する確率はどのくらいですか?

「何%でいびきが遺伝する」と断定することはできません。研究では、いびきの出やすさに遺伝的な影響があることが示されていますが、数値は研究方法や対象者によって差があります。

遺伝はあくまでリスクの一部であり、体重増加、飲酒、鼻づまり、仰向け寝、加齢などの影響も大きいと考えましょう。

睡眠時無呼吸症候群も遺伝しますか?

睡眠時無呼吸症候群は、一つの遺伝子だけで決まる病気ではありません。家族歴、骨格、首まわりの脂肪、鼻や喉の形、生活習慣などが複合的に関係します。

親や兄弟姉妹に睡眠時無呼吸症候群の方がいる場合は、自分にもリスク因子がないか注意し、大きないびきや呼吸停止を指摘されたら早めに相談しましょう。

赤ちゃんのいびきは遺伝が原因ですか?

赤ちゃんのいびきは、遺伝よりも鼻づまり、気道の狭さ、乾燥、風邪、寝る姿勢などが関係することがあります。

一時的な寝息の音であれば様子を見る場合もありますが、毎日のように続く、苦しそうに呼吸する、哺乳しづらい、体重が増えにくい、唇の色が悪いなどの様子がある場合は、小児科に相談してください。

顎が小さい場合、いびきは治せますか?

顎の骨格そのものを大きく変えなくても、気道を広げる治療や対策で改善を目指せる場合があります。マウスピース、CPAP、レーザー治療、外科的治療など、選択肢は原因や重症度によって異なります。

特に大きないびきや呼吸停止がある方は、睡眠時無呼吸症候群の可能性もあるため、自己判断せず医療機関で相談しましょう。

いびきをかかなくなった理由は何ですか?

いびきが軽くなる理由には、体重の減少、飲酒量の減少、横向き寝、鼻づまりの改善、睡眠環境の変化などがあります。遺伝的な体質があっても、気道を狭くする要因が減れば、いびきが改善することがあります。

反対に、再び体重が増えたり、鼻づまりが悪化したりすると、いびきが再発することもあります。一時的に良くなった場合も、睡眠中の呼吸停止や日中の眠気が残るときは注意が必要です。

まとめ|いびきは遺伝だけで決まらない

遺伝と生活習慣の両方が重なることで、いびきの原因を知れば改善を目指せることを示す図

いびきそのものが親から子へ必ず遺伝するわけではありませんが、顎の小ささ、下顎の位置、鼻の通りやすさ、太りやすさ、アレルギー体質など、いびきをかきやすい体質は家族で似ることがあります。

一方で、いびきは遺伝だけで決まるものではありません。体重増加、飲酒、喫煙、仰向け寝、鼻づまり、加齢などの生活習慣や環境要因が重なることで、気道が狭くなり、いびきが出やすくなります。そのため、遺伝的な体質があっても、見直せる要因は多くあります。

また、子供や赤ちゃんのいびきは、成人とは原因が異なる場合があります。アデノイド・扁桃肥大、鼻づまり、発育上の気道の狭さなどが関係することもあるため、毎晩のいびきや呼吸停止が見られる場合は、小児科や耳鼻咽喉科に相談しましょう。

骨格や体質が関係しているいびきでも、原因に合った治療で改善を目指せる場合があります。「体質だから仕方ない」と放置せず、まずはご自身のいびきの原因を確認することから始めましょう。

監修医
木村真聡
監修医
木村真聡

大阪大学医学部を卒業後、大学病院や一般病院での臨床経験を経てレーザー治療を中心に専門性を磨き、日本レーザー医学会認定医1種や日本抗加齢医学会専門医の資格を取得。その豊富な実績が評価され、某大手クリニックで総院長を務めるなど、10年以上にわたり医療の最前線で活躍しています。また、著書『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(幻冬舎)などを通じて、レーザー治療や健康管理に関する情報を積極的に発信。現在は、その長年の知見と技術力を活かし、いびきのレーザー治療クリニックを監修し、患者一人ひとりの悩みに寄り添った安全かつ効果的な治療を提供しています。

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