いびきと歯ぎしりは関係ある?同時に起こる原因・危険性・受診の目安を解説
いびきや歯ぎしりは、眠っている間に起こるため、自分では気づきにくい症状です。家族やパートナーに指摘されて初めて知る方も少なくありません。
「疲れているだけ」「一時的なものだろう」と見過ごされがちですが、いびきと歯ぎしりが同時にみられる場合は、単なる癖ではなく、睡眠の質の低下や気道の狭まり、さらには睡眠時無呼吸症候群などが関係していることもあります。
放置すると、日中の眠気や集中力の低下だけでなく、口臭、歯のすり減り、顎への負担につながることもあるため注意が必要です。実際に、どの診療科に相談すべきか迷ったまま、長く悩みを抱えている方も少なくありません。
この記事では、いびきと歯ぎしりが同時に起こる理由、放置するリスク、自分でできる予防や確認の方法、受診の目安、主な治療法までをわかりやすく解説します。気になる症状がある方は、まず全体像を把握するところから始めてみましょう。
いびきと歯ぎしり、まずはセルフチェック

いびきも歯ぎしりも、眠っている間に起こるため、自分で異変をつかみにくい症状です。そのため、朝の体調や歯・顎の違和感など、間接的なサインを拾うことが大切です。
まずは今の状態を整理し、受診や生活改善が必要かどうかの目安を確認していきましょう。
いびきのセルフチェック項目
いびきは、眠っている間に空気の通り道が狭くなり、喉の周囲が振動することで生じます。ただ、音を出している本人は眠っているため、自覚がないまま過ごしているケースが少なくありません。
次の項目に当てはまるものがあるか、確認してみてください。
- 家族やパートナーから、いびきを指摘されたことがある
- 朝起きたときに、口が渇いていることが多い
- 起床時に喉の痛みや違和感がある
- 日中に強い眠気が出たり、集中しづらかったりする
- 寝ている間に呼吸が止まっていると言われたことがある
1つだけでも気になる項目がある場合は、睡眠中に何らかの負担がかかっている可能性があります。とくに「呼吸が止まっていると言われた」「日中の眠気が強い」といった項目がある場合は、単純ないびきではなく、睡眠時無呼吸症候群の可能性も視野に入れて確認することが大切です。
睡眠時無呼吸症候群の全体像や、確認ポイントをもう少し詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
👉 睡眠時無呼吸症候群の症状とは?セルフチェックや検査の方法
歯ぎしりのセルフチェック項目
歯ぎしりは、ギリギリと音が出るタイプだけでなく、無意識に強く噛みしめるタイプもあります。音がしない場合は気づきにくいため、朝の顎の疲れや歯の変化に注意してみましょう。
- 朝起きると、顎がだるい・重いと感じる
- 歯がすり減ってきた、欠けやすくなった気がする
- 冷たいものがしみるなど、知覚過敏が気になる
- 肩こりや頭痛が続きやすい
- 詰め物や被せ物が外れやすい、割れたことがある
歯ぎしりは、歯そのものだけでなく、顎関節や周囲の筋肉にも負担をかけます。自覚がなくても、歯科で「歯の摩耗がある」「噛む力が強い」と指摘されて初めて気づくケースもあるため、症状が軽いうちに確認することが大切です。
3つ以上当てはまるなら原因を確認しよう
いびき、歯ぎしりのどちらか、あるいは両方のチェック項目で3つ以上当てはまった場合は、睡眠中の呼吸や噛みしめに何らかの問題が起きている可能性があります。とくに両方に複数当てはまる場合は、単発の悩みとしてではなく、睡眠全体の質や気道の状態まで含めて考えることが重要です。
「まだ受診するほどではないかも」と迷う方もいますが、早めに全体像を知っておくことで、生活習慣の見直しだけで改善するケースもあれば、必要な検査や治療につなげやすくなるケースもあります。まずは自分の状態を客観的に把握することが、適切な対処の第一歩です。
なお、いびきが起こる仕組みや原因別の考え方は、次の記事で詳しく解説しています。
👉 〖医師監修〗いびきの原因を徹底解説!今すぐ改善できるセルフ対策と専門治療
いびきと歯ぎしりはなぜ同時に起こる?

いびきと歯ぎしりは別々の悩みに見えますが、実際には同じ睡眠中の変化を背景に、同時に起こることがあります。とくに、眠っている間の呼吸のしづらさや浅い眠りは、両方の症状に関係しやすいポイントです。
それぞれの仕組みを整理しながら、なぜ同時にみられるのかをわかりやすく解説します。
いびきは空気の通り道が狭くなることで起こる
いびきは、睡眠中に鼻から喉にかけての空気の通り道が狭くなり、喉の粘膜や軟らかい組織が振動することで起こります(参照:日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」)。
起きている間は問題なく呼吸できていても、眠ると筋肉がゆるみ、舌が喉の奥に落ち込みやすくなるため、気道が狭くなりやすくなります。
とくに、鼻づまりがある方、あお向けで寝る方、首まわりに脂肪がつきやすい方、飲酒後に眠ることが多い方では、いびきが出やすくなります。
いびきそのものは珍しい症状ではありませんが、毎晩のように続く場合や、呼吸が止まるような様子がある場合は、単なる生活習慣の問題だけではなく、睡眠中の呼吸障害が隠れている可能性があります。
歯ぎしりは睡眠中の覚醒反応と関係することがある
歯ぎしりは、眠っている間に歯をこすり合わせたり、強く噛みしめたりする状態です。ストレスや噛み合わせの問題が原因として語られることも多いですが、睡眠中の浅い覚醒反応と関係して起こるケースもあります。
眠りが深く保てず、一時的に脳や体が反応する場面では、顎まわりの筋肉が急に強く働くことがあります。その結果として、歯ぎしりや食いしばりが起こると考えられています(参照:サンスター「歯ぎしり・食いしばりと全身の健康」)。
つまり歯ぎしりは、歯の問題だけでなく、睡眠の質の乱れを反映している場合もあるということです。なお、歯ぎしりには音が出るタイプだけでなく、無音で強く噛みしめるタイプもあるため、自覚しにくい点にも注意が必要です。
両方ある場合は睡眠時無呼吸症候群が隠れていることも
いびきと歯ぎしりが同時にある場合に見逃したくないのが、睡眠時無呼吸症候群です。睡眠中に気道が狭くなって呼吸がしづらくなると、体は酸素不足を防ごうとして一時的に覚醒に近い反応を起こします。
その流れの中で、いびきが強くなったり、顎まわりの筋肉が緊張して歯ぎしりが起きたりすることがあります(参照:全国健康保険協会 神奈川支部「 いびきと歯ぎしりの関係」)。
もちろん、いびきがある方すべて、あるいは歯ぎしりがある方すべてに睡眠時無呼吸症候群があるわけではありません。ただ、両方が続いている場合は関連を疑う価値があり、自己判断で済ませないことが大切です。
とくに、日中の強い眠気、起床時の頭痛、家族から呼吸停止を指摘されている場合は、睡眠中の呼吸状態を医療機関で確認することで、原因の特定と適切な治療につながりやすくなります。
なお、睡眠時無呼吸症候群の症状や原因などをまとめて確認したい方は、次の記事も参考にしてください。
👉 無呼吸症候群とは?症状・原因・検査・治療法を医師監修で解説
放置するとどうなる?口臭・歯のダメージ・睡眠の質の低下

いびきや歯ぎしりは、すぐに強い痛みが出るわけではないため、つい後回しにされやすい症状です。しかし、睡眠中に毎日のように続くと、口の中や顎への負担が積み重なるだけでなく、眠りの質そのものを下げる原因にもなります。
ここでは、放置することで起こりやすい変化と、早めに受診を考えたいサインを整理していきます。
口臭につながることがある理由
いびきが続く方は、眠っている間に口呼吸になっていることが少なくありません。口で呼吸する時間が長くなると、口の中が乾燥しやすくなり、唾液の自浄作用が十分に働きにくくなります。その結果、細菌が増えやすくなり、朝起きたときの口臭が強くなることがあります。
👉 睡眠時の口呼吸を治す方法はこちら
さらに、歯ぎしりや食いしばりが強いと、歯や歯ぐきに負担がかかり、口の中の環境が乱れやすくなります。詰め物や被せ物のすき間に汚れがたまりやすくなったり、歯ぐきに炎症が起きやすくなったりすると、口臭の原因が重なっていくこともあります。
口臭そのものが重大な病気を直接示すとは限りませんが、いびきや歯ぎしりとあわせて続いている場合は、睡眠や口腔内の状態を見直すきっかけと考えることが大切です。
歯や顎への負担は少しずつ蓄積する
歯ぎしりの怖いところは、強い力が毎晩のように繰り返しかかる点にあります。日中に物を噛むときよりも大きな力がかかることもあり、歯の表面が少しずつすり減ったり、細かなひびが入ったりすることがあります。
初期には自覚症状が乏しくても、冷たいものがしみる、歯の形が変わってきた気がする、といった変化として現れることがあります。
また、歯だけでなく、顎関節や咀嚼筋にも負担が及びます。朝起きたときに顎が重い、口を大きく開けにくい、こめかみ周辺が張るといった症状がある場合は、睡眠中の噛みしめが関係しているかもしれません。
いびきによって睡眠の質が下がり、その影響で歯ぎしりが続くという流れがあると、症状が慢性化しやすくなる点にも注意が必要です。
今日からできる予防・改善策とアプリでの確認方法

いびきや歯ぎしりは、原因によっては生活習慣の見直しで軽くなることがあります。また、自分では気づきにくい症状だからこそ、普段の睡眠環境を整えることと、客観的に記録を取ることの両方が大切です。
この章では、今日から始めやすい対策と、アプリや録音を活用した確認方法を整理して解説します。
横向き寝・寝具調整・鼻呼吸を意識する
いびきが気になる場合、まず見直したいのが寝る姿勢です。あお向けで眠ると、舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、気道が狭くなっていびきが強く出やすくなります。横向きで眠るようにすると、空気の通り道が確保されやすくなり、いびきの軽減につながることがあります。
あわせて、枕の高さや寝具の状態も確認しておきたいポイントです。枕が高すぎても低すぎても首まわりが不自然な角度になり、呼吸しづらさにつながることがあります。自分の体格に合った高さを選び、首や肩に無理な力が入らない状態を目指すことが大切です。
寝る姿勢や就寝時の工夫を具体的に見直したい方は、次の記事もあわせてチェックしてみてください。
👉 いびきをかかない寝方は?今夜から試せる即効ワザ3選と原因別対処法
また、鼻づまりがあると口呼吸になりやすく、いびきだけでなく口の乾燥や口臭にもつながります。アレルギー性鼻炎や風邪による鼻閉がある場合は、そのままにせず、鼻呼吸しやすい状態を整えることも予防の基本です。
飲酒・睡眠不足・ストレスを見直す
寝る前の飲酒は、いびきを悪化させやすい代表的な要因のひとつです。
アルコールには筋肉をゆるめる作用があるため、喉の周囲の組織がたるみやすくなり、眠っている間の気道が狭くなりやすくなります。「お酒を飲んだ日の方がいびきがひどい」と言われた経験がある場合は、タイミングや量を見直すことが有効です。
また、睡眠不足が続くと眠りが不安定になり、いびきや歯ぎしりが起こりやすくなることがあります。とくに忙しい時期や生活リズムが乱れている時期は、体が十分に休まりにくく、睡眠中の浅い覚醒が増えやすくなります。
歯ぎしりでは、ストレスや緊張が関係しているケースも少なくありません。昼間に強い食いしばり癖がある方や、肩こり・頭痛が続いている方は、睡眠中にも顎まわりに力が入りやすい可能性があります。睡眠時間を確保すること、寝る前にリラックスできる時間を持つことは、どちらの症状にも共通する見直しポイントです。
体重管理が改善につながるケースもある
いびきは、体重の増加と関係することがあります。とくに首まわりや喉の内側に脂肪がつくと、眠っている間に気道が狭くなりやすくなり、いびきが出やすくなります。以前より体重が増えてからいびきを指摘されるようになった場合は、体重変化が一因になっている可能性があります。
もちろん、体重だけが原因とは限りませんが、食事や運動習慣を整えて適正体重に近づけることは、睡眠中の呼吸への負担を減らす助けになります。軽度のいびきでは、生活習慣の見直しだけで改善がみられることもあります。
いびきと肥満の関係や、体重を減らすことで期待できる変化について詳しく知りたい方は、次の記事も参考にしてください。
👉 いびきと肥満の関係|痩せたら本当にいびきは治るのか徹底解説
一方で、歯ぎしりは体重だけで説明できるものではありません。そのため、体重管理をしても症状が続く場合は、睡眠の質や顎の状態など、別の要因もあわせて考える必要があります。
アプリや録音でいびき・歯ぎしりを確認する方法
いびきや歯ぎしりは、自分で自覚しにくいからこそ、アプリやスマートフォンの録音機能を使って確認する方法が役立ちます。睡眠中の音を記録しておくことで、「本当にいびきをかいているのか」「どのくらい頻繁に起きているのか」を把握しやすくなります。
ただし、ここで大切なのは、アプリは診断の代わりではないという点です。音の大きさや発生時間の目安にはなっても、呼吸がどの程度止まっているか、睡眠時無呼吸症候群があるかどうかまでは、アプリだけで確定できません。
また、歯ぎしりも、音が出るタイプであれば記録しやすい一方、無音の食いしばり型は録音だけではわかりにくいことがあります。そのため、アプリは「異変に気づくきっかけ」として使うのが現実的です。
アプリの選び方や比較ポイントは、次の記事で詳しく紹介しています。
👉 いびきアプリおすすめ10選|無料・iPhone/Android対応〖選び方と比較〗
マウスピースの違い|いびき用・歯ぎしり用

いびきと歯ぎしりの両方が気になるとき、「マウスピースを使えば一度に対策できるのでは」と考える方は少なくありません。ただし、いびき用と歯ぎしり用では目的も構造も異なるため、同じものとして選ぶと合わないことがあります。
この章では、それぞれの違いと、両方の症状がある場合に自己判断を避けたい理由を整理します。
いびき用マウスピースと歯ぎしり用マウスピースは目的が違う
いびき用と歯ぎしり用は、どちらも「マウスピース」と呼ばれますが、役割は同じではありません。見た目が似ていても、何を改善したいのかによって考え方が大きく異なります。違いを整理すると、次のとおりです。
| 項目 | いびき用マウスピース | 歯ぎしり用マウスピース |
|---|---|---|
| 主な目的 | 眠っている間の気道を確保し、いびきの軽減を目指す | 歯や顎にかかる力を分散し、歯や顎関節を守る |
| 基本的な仕組み | 下顎を少し前に出した状態で保つ | 歯列に装着して噛む力の負担をやわらげる |
| 向いている悩み | いびき、気道の狭さが気になる場合 | 歯ぎしり、食いしばり、歯のすり減り、顎の負担が気になる場合 |
| 注意点 | 呼吸の状態に合わないと十分な効果が得られないことがある | 気道を広げる目的の装置ではないため、いびき対策にはならないことがある |
つまり、いびきを改善したいのか、歯や顎を守りたいのかによって、選ぶべきマウスピースは変わります。いびき対策として合う形が、そのまま歯ぎしり対策にも最適とは限らず、逆も同じです。
両方の症状がある人は自己判断しない方がよい理由
いびきと歯ぎしりが同時にある場合は、「どちらか一方だけに合わせた装置」で十分とは限りません。
たとえば、いびき対策だけを考えて装置を選んだ結果、噛み合わせに違和感が出たり、顎に負担がかかったりするケースもあります。とくに、睡眠時無呼吸症候群が関係している場合は、単純に市販品で様子を見るだけでは不十分なこともあります。
逆に、歯ぎしり対策として市販の装置を使っても、睡眠中の呼吸のしづらさが残っていれば、いびきや睡眠の質の問題は改善しないことがあります。
両方の症状がある方ほど、見えている悩みが一つではない可能性があります。だからこそ、「何となく良さそう」で選ぶのではなく、呼吸の状態と口腔内の状態を踏まえて、どの方法が合うかを考えることが大切です。
市販品と医療機関で作る装置の違い
市販のマウスピースは手軽に試しやすい反面、誰にでも同じように合うわけではありません。既製品は細かな調整が難しく、歯並びや顎の形に合わない場合、違和感が強く出たり、使い続けにくかったりすることがあります。
一方、医療機関で作る装置は、歯型や顎の状態を確認したうえで作製するため、フィット感や調整のしやすさに違いがあります。とくに、歯ぎしりによる歯の摩耗がある方や、いびきとあわせて睡眠中の呼吸状態を考慮したい方では、既製品よりも安全性や継続性の面でメリットがあります。
どの装置が合うかは、症状の出方や歯・顎の状態によって異なります。いびきと歯ぎしりの両方が気になる場合は、市販品を選ぶ前に、まず医療機関で相談し、自分に必要な対策を整理することが遠回りに見えても安全な近道です。
いびき用マウスピースの効果や仕組みを詳しく知りたい方は、次の記事もご覧ください。
👉 いびき治療マウスピースとは?効果・費用・作り方を徹底解説
いびき・歯ぎしりがひどい場合の治療法

生活習慣の見直しをしても改善しない場合や、日中の眠気、歯の摩耗、顎の痛みなどが強い場合は、医療機関での治療を検討する段階です。いびきと歯ぎしりは症状の出方や原因が人によって異なるため、治療法も一つではありません。
軽症から重症までの主な治療の考え方と、当院で行っている治療の位置づけを整理して解説します。
軽症なら生活習慣の見直しから始めることもある
いびきや歯ぎしりが比較的軽く、毎日ではない場合には、まず生活習慣の調整から始めることがあります。たとえば、寝る前の飲酒を控える、睡眠時間を確保する、横向きで眠る、鼻づまりを放置しないといった基本的な対策は、症状の軽減につながることがあります。
また、体重増加がいびきの一因になっている場合は、適正体重に近づけることで気道への負担が減り、症状がやわらぐこともあります。
歯ぎしりについても、日中の食いしばり癖やストレスへの対処を見直すことで、睡眠中の顎の緊張が軽くなるケースがあります。
ただし、セルフケアを続けても改善しない場合や、症状が強くなっている場合は、早めに次の治療段階を考える必要があります。
装置治療やCPAPが検討されるケース
いびきや睡眠中の呼吸の問題に対しては、症状や検査結果に応じて装置治療が選択されることがあります。代表的なのが「いびき用のマウスピース」と「CPAP」です。
いびき用のマウスピースは、主に下顎の位置を前方に保って気道を確保しやすくする方法で、軽症の睡眠時無呼吸症候群や、CPAPの適応とならない軽〜中等症のケース、またはCPAPが使いにくい場合に検討されることがあります。
一方、中等症以上が疑われる場合や、検査で一定以上の無呼吸低呼吸指数(AHI)が確認された場合には、CPAPが第一選択となることがあります(参照:日本呼吸器学会「SASの診療ガイドライン2020」)。CPAPは、睡眠中にマスクから空気を送り込み、気道が塞がらないように保つ治療です。
日本の保険診療では、精密検査(PSG検査)でAHI20以上(2026年6月の診療報酬改定後は精密検査でAHI15以上・簡易検査でAHI30以上)がひとつの目安です。
👉 CPAPの特徴や費用の目安はこちら
歯ぎしりについては、歯や顎への負担を軽くするために、歯ぎしり用のマウスピースが使われることがあります。これは、歯のすり減り、詰め物や被せ物の破損、顎関節への負担をやわらげる目的で用いられる装置です。
ただし、いびきと歯ぎしりの両方がある場合は、睡眠と口腔内の両面から治療方針を考える必要があります。
症状によってはレーザー治療が向くケースもある
いびきの治療では、マウスピースやCPAP以外に、症状の原因や喉まわりの状態に応じてレーザー治療が検討されることもあります。 とくに、喉や口蓋のゆるみによって気道が狭くなっているタイプでは、選択肢のひとつになる場合があります。
当院のいびきレーザー治療「スノアレーズ」は、喉や口蓋にレーザーを照射し、喉の中を引き締めて形状を整えることで、気道を広げ、いびきの改善を目指す自由診療の治療です。
- メスを使わない治療
レーザー照射で行うため、従来の手術に比べて痛みが少ないのが特徴です。 - 治療時間は約15分
短時間で受けられるため、忙しい方でも検討しやすい治療です。 - ダウンタイムがほとんどない
腫れや痛みが少なく、治療後すぐに日常生活へ戻りやすい点もメリットです。 - 一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療
患者様の状態に合わせて照射設定を調整するため、より適した治療を行いやすくなります。
当院は、いびき治療を専門とするクリニックとして、2026年時点で全国13拠点に展開しており、各院とも駅近立地でWEB予約にも対応しています。
マウスピースやCPAPが合う方もいれば、レーザー治療が向く方もいるため、どの治療が自分に適しているか迷う場合は、一人で判断せず、まずは無料カウンセリングでお気軽にご相談ください。症状やお悩みを丁寧に伺ったうえで、患者様に合った治療の方向性をご案内します。
何科に行けばいい?受診の目安と持ち物

いびきと歯ぎしりが気になっても、「歯科に行くべきか、耳鼻咽喉科なのか、それとも睡眠外来なのか」と迷う方は少なくありません。実際には、どの症状が強いか、どんな異変が出ているかによって、相談先の考え方は変わります。
この章では、症状別の受診先の目安と、初診時に持参すると役立つ情報をわかりやすく整理します。
歯の摩耗や顎の違和感が強いなら歯科へ
朝起きたときの顎のだるさ、歯のすり減り、知覚過敏、詰め物の破損などが目立つ場合は、まず歯科で相談する選択肢があります。歯ぎしりや食いしばりによって歯や顎関節に負担がかかっていると、見た目にはわかりにくくても、口の中では変化が進んでいることがあります。
歯科では、歯の摩耗の程度、噛み合わせ、顎関節への負担などを確認しながら、歯ぎしりによる影響を評価できます。とくに、歯のダメージがすでに出ている方では、睡眠中の症状をそのままにせず、早めに相談することが歯を守るうえでも大切です。
いびきや鼻づまりが中心なら耳鼻咽喉科へ
いびきが主な悩みで、鼻づまりや口呼吸が目立つ場合は、耳鼻咽喉科で鼻や喉の状態を確認することが有効です。アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔のゆがみ、扁桃の大きさなど、空気の通り道が狭くなる原因が見つかることがあります。
とくに、「鼻が詰まっているときにいびきがひどくなる」「口を開けて寝ていると言われる」といったケースでは、鼻の通りを整えることで改善しやすくなる場合もあります。いびきの原因を喉だけで考えず、鼻の状態まで含めて評価することが大切です。
強い眠気や無呼吸が疑われるなら睡眠外来を検討
日中の眠気が強い、家族から呼吸停止を指摘されている、起床時頭痛が続くといった場合は、睡眠外来や睡眠医療を扱う医療機関での相談を検討したいところです。いびきだけでなく、睡眠時無呼吸症候群が関係している可能性があるため、睡眠中の呼吸状態そのものを評価する視点が必要になります。
とくに、「十分寝たはずなのに朝からだるい」「会議中や運転中に強い眠気が出る」といった症状がある場合は、睡眠の量だけでなく質にも問題が起きているかもしれません。本人はいびきだけのつもりでも、実際には眠っている間に呼吸が浅くなったり、一時的に止まったりして、体がしっかり休めていないことがあります。
また、歯ぎしりがある方でも、それに加えて強い眠気や呼吸停止の指摘がある場合は、歯科だけでなく睡眠外来で睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。歯ぎしりそのものは歯科で相談することが多い一方で、いびきや無呼吸の疑いが重なる場合は、睡眠全体を評価する視点が必要になるためです。
必要に応じて検査を行い、無呼吸の有無や重症度を確認したうえで、自分に合った治療方針を考えていくことが大切です。
受診時に持参したい記録とメモ
受診の際は、ただ「いびきがある気がする」「歯ぎしりかもしれない」と伝えるよりも、症状の記録を持参した方が相談が進みやすくなります。前の章で紹介したようなアプリや録音データがあれば、症状が起きる時間帯や音の特徴を共有しやすくなり、家族からの指摘内容も補足情報として役立ちます。
あわせて、起床時の頭痛、口の渇き、顎のだるさ、日中の眠気などをメモしておくと、医師が全体像を把握しやすくなります。毎日細かく記録する必要はありませんが、「いつ頃から」「どんな症状が」「どのくらいの頻度であるか」を整理しておくと良いでしょう。
子どものいびき・歯ぎしりは心配?受診すべきケース

子どものいびきや歯ぎしりは、親にとって気になる症状です。乳幼児期から学童期にかけては、成長の途中で一時的にみられることもありますが、鼻や喉の状態、睡眠中の呼吸のしづらさが関係していることもあります。
大人と同じ感覚で考えるのではなく、様子を見てもよいケースと早めに相談したいケースを分けて考えることが大切です。
子どものいびきは鼻や扁桃の問題が隠れていることも
子どものいびきの原因として代表的なのは、アデノイド肥大、口蓋扁桃肥大、アレルギー性鼻炎などです(参照:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会「睡眠時無呼吸(子ども)」)。これらがあると、眠っている間に鼻呼吸がしづらくなり、口呼吸になっていびきをかきやすくなります
とくに、風邪ではないのに口を開けて寝ている、日中も鼻づまりが続いている、寝相が悪いといった様子がある場合は、鼻や喉の影響を考えた方がよいことがあります。
子どものいびきは「そのうち治るだろう」と見過ごされやすい一方で、呼吸のしづらさが続いているサインであることもあるため、頻度や強さを観察することが大切です。
子どもの歯ぎしりは一時的なこともある
子どもにみられる歯ぎしりは、成長の過程で起こることがあり、必ずしも異常とは限りません。
乳歯の時期は噛み合わせが変化しやすく、顎の発達途中でもあるため、一時的に歯ぎしりのような動きが出ることがあります。そのため、音がするだけで過度に心配する必要はありません。実際には、しばらくすると自然に落ち着くこともあります。
ただし、毎晩のように強い音が続く、朝に顎の痛みがある、歯が欠けているように見えるといった場合は、一時的な範囲を超えている可能性もあるため、歯科や小児科で相談した方が安心です。
なお、4歳・5歳ごろのいびきや歯ぎしりが気になるケースもありますが、こうした症状は特定の年齢だけにみられるものではありません。乳幼児期から学童期にかけて幅広くみられることがあり、年齢だけで判断しないことが大切です。
こんな様子があれば早めの受診を
子どもの歯ぎしりの多くは経過観察でよいことがありますが、いびきが続く場合や、眠りや日中の様子に影響が出ている場合は注意が必要です。次のような様子があるときは、耳鼻咽喉科や小児科などで相談を検討してください。
- 週に何度もいびきをかいている
- 寝ている間に呼吸が止まるように見える
- 口呼吸が目立ち、いつも口が開いている
- 日中に眠そう、集中しにくい、機嫌が悪いことが多い
- 歯ぎしりが強く、歯や顎への負担が気になる
子どもの場合は、大丈夫なことも多い一方で、見逃したくないケースがあるのも事実です。心配しすぎる必要はありませんが、呼吸や睡眠の質に影響していそうなサインがあるときは、早めに相談することが安心につながります。
家族にいびきと歯ぎしりがあるときの伝え方

いびきや歯ぎしりは、本人よりも先に家族やパートナーが気づくことが多い症状です。ただ、眠っている間のことは本人に自覚がないため、伝え方を間違えると「責められている」と受け取られてしまうこともあります。
受診につなげるためには、迷惑の話ではなく健康面の心配として伝え、客観的な情報を添えることが大切です。
責めるより「健康が心配」と伝える
家族のいびきや歯ぎしりが気になると、つい「うるさい」「またやっていた」と感情的に伝えたくなることがあります。しかし、その言い方では本人が身構えてしまい、話を受け入れにくくなることがあります。自覚がない症状ほど、指摘された側は戸惑いや反発を感じやすいものです。
伝えるときは、迷惑さを前面に出すよりも、「呼吸が苦しそうで心配だった」「歯や顎に負担がかかっていないか気になった」といった健康面を軸にした方が受け止められやすくなります。
とくに、いびきと歯ぎしりの両方がある場合は、単なる癖ではなく、睡眠の質や呼吸の問題が関係している可能性もあるため、早めに相談した方がよい理由を落ち着いて伝えることが大切です。
録音や歯の変化など客観的な情報が役立つ
本人が無自覚な場合は、言葉だけで説明しても実感を持ちにくいことがあります。
そんなときは、前の章で紹介したようなアプリの記録や録音データの他、朝の口の渇き、歯のすり減り、詰め物の破損など、客観的な情報が役立ちます。事実として共有できる材料があると、感情的な話になりにくくなります。
ただし、録音データなどを見せるときも責める目的にしないことが大切です。「こんな音が続いていたから心配になった」「一度相談してみない?」という形で、確認材料として穏やかに示すと受診につながりやすくなります。歯科で歯の摩耗を指摘された場合なども、話を切り出すきっかけになります。
よくある質問

いびきや歯ぎしりがあると、「自然に治るのか」「市販のマウスピースで大丈夫か」「何科に行けばいいのか」など、細かな疑問が次々に出てきます。
ここでは、受診前によくある質問を整理してお答えします。判断に迷いやすいポイントを先に押さえておくことで、自分に合った対応を選びやすくなります。
いびきと歯ぎしりは自然に治ることがありますか?
軽い症状であれば、生活習慣の見直しや睡眠環境の調整によって改善することがあります。たとえば、飲酒を控える、横向きで寝る、鼻づまりを改善する、睡眠不足を避けるといった対策で、いびきが軽くなるケースはあります。
ただし、長く続いている場合や、日中の眠気、呼吸停止の指摘、歯の摩耗、顎の痛みがある場合は、自然に治るのを待つより原因を確認した方が安心です。とくに両方の症状がある場合は、睡眠の質や呼吸の問題が関係していることもあります。
市販のマウスピースだけで改善できますか?
市販品で症状が軽くなる方もいますが、すべての方に合うわけではありません。いびき用と歯ぎしり用では目的が異なり、両方の症状がある場合は、どちらか一方だけに合わせると十分な改善につながらないことがあります。
また、合わない装置を使うと、顎に違和感が出たり、噛み合わせの負担が増えたりすることもあります。症状が続いている場合は、市販品だけで判断せず、医療機関で相談しながら選ぶ方が安全です。
いびきと歯ぎしりが両方あると睡眠時無呼吸症候群ですか?
必ずしもそうとは限りません。いびきだけ、歯ぎしりだけでみられることもありますし、別の要因が関係していることもあります。ただ、両方が続いている場合は、睡眠時無呼吸症候群を含む睡眠中の呼吸障害が隠れている可能性を考える価値があります。
とくに、強い日中の眠気、起床時頭痛、家族からの呼吸停止の指摘がある場合は、自己判断で済ませずに確認した方が安心です。症状の背景を調べることで、適切な治療方針を立てやすくなります。
何科に行けばよいかわからない時はどうすればいいですか?
歯の摩耗や顎の違和感が強ければ歯科、いびきや鼻づまりが中心なら耳鼻咽喉科、強い眠気や無呼吸が疑われるなら睡眠外来が候補になります。ただ、いびきと歯ぎしりが両方ある場合は、どれか一つにきれいに分けられないことも少なくありません。
また、録音データや家族からの指摘、起床時症状のメモがあると、初診でも相談しやすくなります。
子どもの歯ぎしりは治療が必要ですか?
子どもの歯ぎしりは成長の過程で一時的にみられることがあり、必ずしも治療が必要とは限りません。まずは強い不安を抱えすぎず、頻度や強さ、歯や顎への影響を観察することが大切です。
ただし、毎晩のように強く続く、歯が欠けているように見える、顎の痛みがある、いびきや口呼吸も目立つといった場合は、歯科や小児科、耳鼻咽喉科で相談した方が安心です。いびきが加わる場合は、鼻や喉の状態もあわせて確認する視点が必要です。
保険適用になる治療はありますか?
治療内容や診断によって異なります。たとえば、いびきの背景に睡眠時無呼吸症候群があり、医師の診断にもとづいて必要な検査や治療を行う場合は、保険が適用されるケースがあります。
ただし、「いびきを改善したい」「生活の質を高めたい」といった目的で選ぶ治療は、自由診療になることも少なくありません。
どこまでが保険の対象になるかは、症状の内容や検査結果、選択する治療法によって変わります。そのため、費用面も含めて納得して治療を進めるためには、受診時にあらかじめ確認しておくことが大切です。
👉 いびき治療の保険適用条件についてはこちら
遺伝は関係しますか?
いびきや歯ぎしりそのものが単純に遺伝すると言い切れるわけではありませんが、鼻や顎の形、体格、筋肉や気道の特徴など、なりやすさに関わる要素が家族内で似ることはあります。そのため、「家族にもいびきが多い」「親も歯ぎしりが強かった」というケースは珍しくありません。
ただし、実際の症状には生活習慣や睡眠環境、ストレス、体重変化なども関わります。家族に同じ傾向があったとしても、それだけで判断せず、今ある症状に合わせて対応を考えることが大切です。
まとめ|迷ったら早めに相談を

いびきと歯ぎしりは、それぞれ別の悩みに見えても、睡眠中の呼吸のしづらさや浅い眠りを背景に同時に起こることがあります。どちらも自分では気づきにくく、放置されやすい症状ですが、続いている場合は睡眠の質や口腔内の状態に負担がかかっている可能性があります。
この記事の要点まとめ
- いびきと歯ぎしりは、睡眠中の呼吸や覚醒反応を背景に同時に起こることがある
- 放置すると、口臭、歯の摩耗、顎への負担、睡眠の質の低下につながることがある
- 横向き寝、飲酒の見直し、体重管理などで改善が期待できる場合がある
- アプリや録音は、症状に気づくきっかけや受診時の補助資料として役立つ
- マウスピースは、いびき用と歯ぎしり用で目的が異なるため、自己判断に注意が必要
- 強い眠気や呼吸停止の指摘がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の確認も重要になる
- 子どもや家族の症状も、必要に応じて早めに相談することで安心につながる
気になる症状があるときは、まず全体像を知り、必要に応じて早めに相談することが大切です。
大阪大学医学部を卒業後、大学病院や一般病院での臨床経験を経てレーザー治療を中心に専門性を磨き、日本レーザー医学会認定医1種や日本抗加齢医学会専門医の資格を取得。その豊富な実績が評価され、某大手クリニックで総院長を務めるなど、10年以上にわたり医療の最前線で活躍しています。また、著書『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(幻冬舎)などを通じて、レーザー治療や健康管理に関する情報を積極的に発信。現在は、その長年の知見と技術力を活かし、いびきのレーザー治療クリニックを監修し、患者一人ひとりの悩みに寄り添った安全かつ効果的な治療を提供しています。
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