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中途覚醒の原因や対策方法!夜中に何度も目が覚めるのは危険?

中途覚醒の原因や対策方法!夜中に何度も目が覚めるのは危険?

「夜中に何度も目が覚めてしまう」「朝までぐっすり眠れた気がしない」などの悩みを抱えていませんか。
中途覚醒が引き起こす睡眠不足は、日中のパフォーマンス低下や心身の不調につながるだけでなく、生活習慣病のリスクを高めることがあります。

中途覚醒の原因は、ストレスや生活習慣の乱れ、睡眠環境、さらには病気の可能性までさまざまです。
この記事では、中途覚醒を引き起こす原因を詳しく解説し、それぞれの原因に合わせた効果的な対策方法をご紹介します。

中途覚醒の症状とその定義

中途覚醒とは何か

昔はよく眠れたのに、最近はトイレに行くために何度も起きてしまったり、ちょっとした物音で目が覚めてしまったりしてしまう…といった症状を抱えた方は多くいます。

このように、睡眠の途中で目が覚めてしまうことを「中途覚醒」と言います。

中途覚醒は、加齢とともに体の機能が変化し睡眠の質に影響を与えます。
年齢を重ねるにつれて誰にでも起こりうる、自然な体の変化でもあります。

中途覚醒の具体的な定義とは

睡眠の途中で目が覚めてしまうことは誰でも経験するごく自然な現象ですが、「目が覚める回数」と「入眠までの時間が長い」方は要注意です。

例えば、このように目が覚めてしまうケースです。

22時:就寝
0時:一度目が覚める
1時:また目が覚める
3時:トイレに起きる
4時:なかなか寝つけない
7時:起床

一晩に何度も目が覚めてしまうと睡眠時間が十分に確保できず、日中の眠気や倦怠感、集中力低下などを引き起こす可能性があります。
では、具体的に何回以上、またどれくらいの時間目が覚めたら「中途覚醒」と言えるのでしょうか。

中途覚醒と診断される回数と時間の基準値

医学的には、

  • 一晩(約7~8時間)の睡眠中に3回以上目が覚める
  • 再び眠りにつくまで30分以上かかる状態が1ヶ月以上続く

このような症状が起きている場合、中途覚醒と診断されることが多いです。

カナダのトロント大学の研究によると、中途覚醒の時間は10歳年をとるごとに約10分増えるというデータもあります。
20歳では平均30分程度だった中途覚醒の時間が、80歳になると平均90分程度にまで増えてしまうのです。

中途覚醒は加齢とともに増えていく

年齢を重ねると、若い頃は気にならなかったような些細な刺激でも目が覚めることが増え、中途覚醒が起こりやすくなると考えられています。

中途覚醒の主な症状とは

中途覚醒の主な症状には以下のようなものがあります。

中途覚醒の主な症状

  • 日中の眠気・倦怠感
    睡眠不足により、日中に強い眠気や倦怠感を覚えやすくなります。
  • 集中力・注意力散漫
    睡眠不足は、脳の働きを低下させ、集中力や注意力の低下につながります。
  • イライラしやすくなる
    睡眠不足は精神的なストレスを高め、イライラしやすくなったり、感情の起伏が激しくなったりすることがあります。
  • 食欲不振・消化不良
    睡眠不足は、自律神経のバランスを崩し、食欲不振や消化不良を引き起こす可能性があります。
  • 頭痛・めまい
    睡眠不足が続くと、頭痛やめまいなどの身体的な不調が現れることもあります。

これらの症状に心当たりがある方は、中途覚醒の可能性が高いです。

また、中途覚醒は加齢だけではなくストレスや生活習慣の乱れなどのさまざまな要因によって引き起こされます。

中途覚醒の原因となる病気や疾患

中途覚醒の原因となる病気や疾患

中途覚醒の原因となる代表的な病気について、わかりやすく解説していきます。

中途覚醒の原因となる一般的な病気や疾患

中途覚醒を引き起こす病気は、大きく分けて精神的なもの、身体的なもの、そして睡眠そのものに関わるものに分類できます。

精神的な病気

ストレスや不安、緊張が強い状態が続くと、脳が興奮状態になり、眠りが浅くなってしまいます。それにより、夜中に繰り返し目が覚めてしまう中途覚醒に繋がることがあります。

代表的な病気:うつ病、不安障害など

身体的な病気

身体の病気によって、睡眠中に苦痛を感じたり、呼吸が不安定になったりすることで、目が覚めてしまうことがあります。

代表的な病気:喘息、心不全、甲状腺機能亢進症など

睡眠に関する病気

睡眠そのものに問題がある場合、中途覚醒が主な症状として現れることがあります。

代表的な病気:閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSAS)、レストレスレッグス症候群 (RLS)、周期性四肢運動障害 (PLMD)など

中途覚醒と関連する病気の詳細な説明

ここでは、中途覚醒と関連性の高い代表的な病気を3つ詳しく解説していきます。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)

睡眠中に、のどの奥の気道が狭くなったり塞がったりすることで、呼吸が止まってしまう病気です。
睡眠中の無呼吸が繰り返されることで、日中の眠気や集中力低下、倦怠感などの症状が現れることもあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群とは、いびきをかいている人や肥満の方に多くみられる病気です。
呼吸が止まることで、体が酸素不足の状態になり、その度に脳が緊急事態と判断して目を覚まさせてしまいます。

レストレスレッグス症候群(RLS)

脚を動かしたいという強い衝動に襲われる病気です。まるで、脚の中に虫が這っているような、なんとも言えない不快感に襲われます。
鉄分の不足やドーパミン神経の伝達異常などが原因として考えられています。

夕方や夜に症状が出やすく、じっとしていると症状が悪化するため、就寝時に強い違和感を覚え中途覚醒が起こります。

周期性四肢運動障害(PLMD)

睡眠中に、主に脚を周期的に動かす病気です。眠っている間に誰かが足を動かしているかのように、自分の意思とは関係なく脚がピクピクと動いてしまいます。

本人は気づかないことが多いですが、無意識に脚が動くため、睡眠が浅くなり中途覚醒の原因となります。
中途覚醒を繰り返すことで、日中の眠気や疲労感、集中力低下などの症状が現れることがあります。

中途覚醒を対策する生活習慣と就寝環境の改善方法

中途覚醒の原因となる生活習慣や環境要因

中途覚醒の原因は、病気だけでなく毎日の生活習慣や周りの環境が関係していることもあります。

中途覚醒を対策するための生活習慣の改善項目3つ

毎日の生活の中で、少しの工夫や心がけが、夜ぐっすり眠るための大切なポイントになります。

睡眠前の食事に気を付ける
寝る前の食事

夕食後、ラーメンや唐揚げなど、脂っこいものを寝る前に食べると胃腸に負担がかかり、寝つきが悪くなったり、夜中に目が覚めやすくなったりすることがあります。
これは胃腸が活発に動き消化活動を行うことで、睡眠を促すホルモンのメラトニンの分泌が妨げられるためです。

例えば仕事で遅くなった日に夜食としてラーメンを食べてしまうと、消化に時間がかかります。すると、就寝中に胃腸が活発に働き睡眠が浅くなってしまいます。
その結果、夜中に何度も目が覚めてしまい中途覚醒につながってしまうのです。

寝る3時間前までには食事を済ませ、寝る前にどうしてもお腹が空いた場合は、ホットミルクやヨーグルトなどの消化が良いものを少量食べるように心がけましょう。

適度な運動を習慣にする
適度な運動

適度な運動は質の高い睡眠を得るために効果的ですが、激しい運動は逆に睡眠を妨げてしまう可能性があります。
激しい運動をすると交感神経が優位な状態が続き、興奮状態が持続してしまうためです。

寝る直前に筋トレなどの激しい運動を行った場合、交感神経が優位な状態になり興奮状態が続いてしまいます。
その結果なかなか寝つけなかったり、夜中に目が覚めやすくなったりするなど中途覚醒のリスクが高まります。

中途覚醒を防止するためにも、以下のような適度な運動を心がけましょう。

運動の種類 時間帯 効果
ウォーキングや軽いジョギング 朝や昼間の時間帯 ストレス発散、体力向上、睡眠の質向上
筋トレ 夕方 基礎代謝アップ、体力向上
ストレッチやヨガ 就寝前 リラックス効果、体の柔軟性向上
寝る前はスマホやテレビの閲覧を控える
寝る前にスマホやテレビを控える

寝る直前までスマホやパソコン、テレビを見ていると、脳が興奮状態になってしまいなかなか眠りにつけなくなってしまいます。
電子機器が発するブルーライトと呼ばれる光は、体内時計を調整するホルモンであるメラトニンの分泌を抑制する働きがあるため、特に睡眠を妨げるため注意が必要です。

例えば寝る前までスマホでSNSを見ていると、ブルーライトの影響で脳が興奮状態になりなかなか寝つけなくなってしまいます。
寝る直前にはスマホやテレビの閲覧は控え、できる限りリラックスタイムを心がけることをおすすめします。

リラックスタイムの過ごし方 効果
ぬるめのお風呂にゆっくりと浸かる 体が温まり、リラックス効果を高める。副交感神経が優位になりリラックス効果が期待できます。
好きな香りのアロマを焚く 心地よい香りは、リラックス効果をもたらし、質の高い睡眠に導く
穏やかな音楽を聴く 心地よい音楽は、気持ちを落ち着かせ、リラックス効果を高める
読書をする 集中することで雑念を払い、リラックス効果を高める

就寝環境を整えるポイント3つ

睡眠の質を向上させ快適な睡眠を得るために、以下のポイントを参考に寝室の環境を整えましょう。

室温と湿度を適温に調整する

暑すぎたり寒すぎたりすると、自律神経のバランスが乱れて快適な睡眠を妨げてしまうことがあります。

夏の場合は暑い夜にエアコンをかけずに寝てしまうと、体温調節がうまくいかずに寝苦しさを感じてしまいます。その結果、何度も目が覚めてしまい中途覚醒につながってしまうのです。

室温は夏は25~28度、冬は15~20度を保つことがおすすめです。これは、人間の体が最もリラックスできる温度帯と言われています。

光や音の環境を見直す

寝室のカーテンは遮光性の高いものを選び、外の光を遮断しましょう。

人間の脳は、朝日などの光を感知すると体内時計がリセットされ、目が覚めてしまうようにできています。
そのため、夜間に強い光を浴びてしまうと体内時計が乱れてしまい、睡眠の質が低下する可能性があります。

目覚まし時計の光やテレビのスタンドランプなども、睡眠を妨げる可能性があります。光を完全に遮断できない場合は、アイマスクを着用するのも効果的です。

音の原因 対策
車や電車の音 窓を二重窓にする、防音カーテンを取り付ける
近隣の生活音 上記に加えて、耳栓をする
ペットの鳴き声 別の部屋で寝かせる
いびき 医療機関に相談し原因を取り除く

寝室はできるだけ暗くし、朝日がまぶしい場合は遮光カーテンを使用するなどして光を遮断しましょう。

寝室を暗くすることで、脳を睡眠モードに切り替えることができます。

自分に合った快適な寝具を選ぶ

自分に合った枕や布団を選ぶことは、快適な睡眠を得るために非常に重要です。
柔らかすぎるマットレスや高すぎる枕は、首や肩への負担が増え、体の歪みにつながり睡眠の質を低下させる可能性があります。

また、高すぎる枕を使用すると首が不自然に曲がった状態になり、気道が圧迫されてしまいます。
その結果いびきや無呼吸の原因となったり、首や肩の筋肉が緊張してしまったりして、中途覚醒につながってしまう場合もあります。

自分に合った高さの枕を選び、首や肩への負担を軽減しましょう。
布団は、軽くて保温性の高いものがおすすめです。

中途覚醒の診断方法や検査について

中途覚醒の診断方法や検査について

中途覚醒が毎晩のように続くようになると、日中の集中力低下や倦怠感など、日常生活にも大きな影響を与えてしまいます。

「年のせいだから…」と諦めてしまいがちですが、中途覚醒は適切な診断と治療によって改善できる可能性があります。

中途覚醒の診断方法について詳しく知る

夜中に何度も目が覚めてしまうという悩みを持った患者には、医師は以下のような質問を重ねることで、中途覚醒の原因を探ります。

  • 「いつ頃から、どのくらいの頻度で目が覚めるようになりましたか?」
    → 過去の睡眠状況の変化を把握することで、原因となる生活習慣の変化や、病気の進行度などを推測できます。
  • 「決まった時間に目が覚めますか?それとも、バラバラですか?」
    → 決まった時間に目が覚める場合は、ホルモンバランスの乱れや、体内時計のずれなどが疑われます。
  • 「目が覚めた時、何か気になる症状はありますか?例えば、動悸がする、息苦しい、脚がムズムズするなど…」
    → 身体的な不調を伴う場合は、睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群などの病気が隠れている可能性があります。
  • 「日中は眠気を感じますか?」
    → 日中の強い眠気は、睡眠の質が低下しているサインです。
  • 「毎日お酒を飲んでいますか?また、寝る前にコーヒーや紅茶を飲む習慣はありますか?」
    → アルコールやカフェインは、睡眠の質を低下させる可能性があります。
  • 「睡眠薬など、何か薬を服用していますか?」
    → 睡眠薬の中には、中途覚醒を引き起こす副作用を持つものもあります。
  • 最近、仕事や家庭で何かストレスを抱えていますか?」
    → ストレスは、不眠症の大きな原因の一つです。
  • 「他に何か持病はありますか?」
    → 糖尿病や甲状腺疾患など、睡眠に影響を与える病気は少なくありません。

これらの質問を通して、医師は患者の生活習慣、睡眠パターン、身体的・精神的状態などを総合的に判断し、中途覚醒の原因を特定していきます。

中途覚醒の検査手法とその効果について

問診や診察である程度の原因が推測できても、より正確な診断を行うために、あるいは原因が特定できない場合には、さらに詳しい検査が必要となる場合があります。

その代表的なものが睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)です。
これは、脳波、眼球運動、筋電図、心電図、呼吸状態、血液中の酸素飽和度など睡眠中の生体情報を一晩かけて記録し、睡眠の状態を詳細に分析する検査です。

例えば睡眠時無呼吸症候群の患者の場合、PSG検査を行うことで、睡眠中の無呼吸の状態や頻度、その時の血液中の酸素飽和度の低下などを客観的に評価することができます。

その他、簡易的な検査として睡眠日誌も有効です。これは毎日の睡眠時間、中途覚醒の時間、回数、睡眠薬の使用状況などを記録していくものです。

睡眠日誌を継続して記録することで、自身の睡眠パターンや、生活習慣と睡眠の関係性などが明らかになり、より効果的な改善策を見つけることにつながります。

中途覚醒に効果的な治療法や改善策

中途覚醒に効果的な治療法や改善策

中途覚醒は、原因を特定し適切な治療や改善策に取り組むことで、改善する見込みは大いにあります。

中途覚醒の原因別に効果的な治療法は以下の通りです。

中途覚醒の治療法とは

中途覚醒の治療法はその原因によって異なってきます。原因を特定するために、医師による診察や検査が必要となる場合もあります。

夜間頻尿

夜中に何度もトイレに行きたくなってしまい、その度に目が覚めてしまうのが夜間頻尿です。
60代では40%以上、80代では80%以上の人が経験すると言われています。

夜間頻尿の治療法

  • 膀胱の機能を改善する薬物療法
  • 就寝前の水分摂取制限などの行動療法
睡眠時無呼吸症候群

寝ている間に呼吸が止まってしまう病気で、中途覚醒の原因の一つです。
肥満の方に多いと思われがちですが、高齢になると痩せている方でも舌の筋肉が衰えることで気道を塞いでしまい、発症することがあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法

  • 鼻マスクを装着して気道を広げるCPAP療法
  • 軽度~中度の睡眠時無呼吸症候群であればレーザー治療
ストレスや不安感

精神的な緊張状態が続くと、脳が興奮状態になり睡眠が浅くなってしまいます。その結果、中途覚醒が起こりやすくなります。

ストレスや不安感の治療法

  • リラックスできる環境作り
  • ストレスを軽減するためのカウンセリング など
レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)

夜間、脚にむずむずとした不快な感覚が生じ、そのせいで足を動かしたくなる病気です。この不快感のために目が覚めてしまい、中途覚醒に繋がることがあります。

レストレスレッグス症候群の治療法

  • 鉄分不足改善:ホウレンソウやひじきなど鉄分を多く含んだ食品
  • 鉄剤の内服
  • 上記で改善しない場合は、その他の薬物療法
睡眠の質を高めて中途覚醒を対策しよう

夜中に何度も目が覚めることは、睡眠の質を低下させ、日中のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性があります。
過度のストレスや不規則な生活リズム、就寝前のカフェイン摂取は眠りを浅くするため、自分の体調や生活習慣を見直し、また必要に応じて専門家の助言を仰ぐことでより良い睡眠を取り戻しましょう。

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