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睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すべき?専門医が症状別に徹底解説!

睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すべき?専門医が症状別に徹底解説!

睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」は、日本国内でも推定数百万人が罹患しているとされる深刻な健康問題です。特に働き盛りの30〜60代男性に多く見られ、放置すると生活の質が著しく低下するだけでなく、命に関わる病気を引き起こすリスクもあります。

しかし、「この症状は何科を受診すればいいの?」「いびきがひどいだけで病院に行ってもいいの?」といった疑問から受診をためらってしまう人も少なくありません。この記事では、症状別・原因別に適切な受診先や治療の流れを徹底解説します。

睡眠時無呼吸症候群とは?症状と原因をわかりやすく解説

睡眠中の呼吸停止は見逃せない症状
見逃せないSASの初期症状

まず最初に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)とはどのような病気なのか、どのような症状や原因があるのかを理解することが重要です。この疾患を正しく知ることで、早期の発見と治療に繋がります。

いびきや呼吸停止の症状とは

睡眠時無呼吸症候群の最も一般的でわかりやすい症状は「いびき」と「睡眠中の呼吸停止」です。いびきは単なる音の問題だけではなく、実は呼吸の通り道である気道が何らかの理由で狭くなっているサインであることが多く、放置することで深刻な健康リスクを招く可能性があります。

実際、睡眠時無呼吸症候群の患者の多くが、パートナーや家族から「寝ている間に呼吸が止まっていた」「突然大きないびきが止まったあと、息を吸うように大きな呼吸をしていた」などの指摘を受けて初めて気づくというケースが多くあります。

この呼吸停止は、一晩のうちに何十回、場合によっては100回以上繰り返されることもあり、その都度身体は無意識に覚醒反応を起こします。つまり、本人は「ぐっすり眠っていた」と感じていても、実際には何度も眠りが中断されており、深い睡眠(ノンレム睡眠)の時間が極端に少なくなっています。

その結果、以下のような日常的な不調が現れることがあります。

  • 日中の強烈な眠気
  • 朝の頭痛や吐き気
  • 集中力の欠如、記憶力の低下
  • 感情の不安定さやイライラ感
  • 性欲の低下や仕事のパフォーマンス低下

特に「日中に座っているだけで眠ってしまう」「会議中に意識が飛ぶ」「運転中に一瞬眠気に襲われた」といった経験がある場合は、見過ごせないサインです。また、睡眠時無呼吸症候群は男性だけの病気ではなく、女性や子どもでも発症することがあります。女性の場合は更年期以降にリスクが高まり、いびきが目立たないため見逃されやすい傾向があります。

監修医
木村真聡

このように、睡眠時無呼吸症候群は単なるいびきではなく、放っておくと身体と心に多大な影響を及ぼす疾患です。いびきを軽く考えず、早めに専門の診療科で相談することが大切です。

原因は気道の閉塞?中枢性?それとも混合型?

睡眠時無呼吸症候群の原因は大きく3つに分類されます。これらはそれぞれメカニズムが異なり、治療方法や対処の優先順位にも違いが出てきます。適切な診療科や治療法を選ぶうえでも、原因の理解は非常に重要です。

1. 閉塞型睡眠時無呼吸(OSA: Obstructive Sleep Apnea)

閉塞型は睡眠時無呼吸症候群のなかでも最も多く、全体の9割近くを占めるといわれています。これは、睡眠中に喉や舌、扁桃、口蓋垂(のどちんこ)などの組織が重力や筋肉の弛緩によって気道をふさいでしまうことで呼吸が止まる状態です。

特に以下のような要因が閉塞型を引き起こしやすくします。

– 肥満による首回りの脂肪沈着

– 顎が小さい・後退している(下顎後退)

– 扁桃肥大やアデノイドの発達(子どもに多い)

– アルコールや睡眠薬の使用による筋肉の弛緩

これらの問題は耳鼻咽喉科や口腔外科で確認・対処されるケースが多く、特に解剖学的な問題が疑われる場合は手術による根本治療が検討されます。

2. 中枢型睡眠時無呼吸(CSA: Central Sleep Apnea)

中枢型は比較的まれですが、脳からの呼吸指令そのものが出なくなるという異常です。呼吸に必要な信号が一時的に途絶え、筋肉は動いているものの実際の呼吸が行われなくなります。

主な原因には以下が挙げられます。

– 心不全や脳卒中などの基礎疾患

– 神経変性疾患(パーキンソン病など)

– オピオイド系鎮痛薬の長期使用

このタイプは呼吸器内科や神経内科の管理下で治療されることが多く、CPAPやASV(適応型サーボ換気)などの特殊な装置が用いられます。

3. 混合型睡眠時無呼吸(Mixed Sleep Apnea)

閉塞型と中枢型の要素が複合的に絡んでいるタイプです。診断が難しいこともありますが、PSG(ポリソムノグラフィー)検査によって明確に判別できます。

混合型は、当初は閉塞型だった患者がCPAP使用中に中枢型の呼吸停止を起こす「複雑性SAS(Complex Sleep Apnea)」に移行するケースもあるため、専門的な継続観察が必要です。

原因のタイプによって、適切な治療アプローチが大きく変わります。早期診断によって根本原因を明らかにし、自分に合った治療法を選択することが、症状の改善と合併症予防への第一歩となります。

放置するとどうなる?合併症リスクまとめ

睡眠時無呼吸症候群を放置することは、決して「様子を見れば良い」レベルの選択肢ではありません。なぜなら、睡眠時無呼吸症候群は単なる睡眠の質の低下にとどまらず、全身の健康に多大な悪影響を及ぼす慢性疾患だからです。

特に注目すべきは、睡眠時無呼吸症候群が以下のような重篤な合併症のリスクファクターとして強く関連している点です。

1. 高血圧・心疾患・脳卒中

睡眠時無呼吸症候群の患者は、睡眠中に繰り返される低酸素状態(酸素飽和度の低下)によって、交感神経が慢性的に刺激され続けます。この状態が持続すると、血圧が上昇し、高血圧のリスクが著しく高まります。実際、睡眠時無呼吸症候群の患者の約半数に高血圧が見られるという研究報告もあります。

また、夜間の低酸素状態と心臓への過剰な負担により、不整脈、心不全、心筋梗塞、脳卒中といった心血管系疾患のリスクが跳ね上がります。これらは命に関わる疾患であり、睡眠時無呼吸症候群がその引き金となりうる点を見過ごすことはできません。

2. 2型糖尿病の悪化

睡眠時無呼吸症候群はインスリン抵抗性を高め、血糖値のコントロールを悪化させることが知られています。実際、糖尿病患者の中には睡眠時無呼吸症候群を合併しているケースも多く、相互に悪影響を及ぼすため、どちらか一方だけの治療では不十分です。

3. 肥満との相互関係

肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きなリスク因子であると同時に、睡眠時無呼吸症候群が肥満をさらに悪化させるという悪循環を形成します。睡眠の質が低下することで食欲ホルモン(グレリン・レプチン)のバランスが崩れ、過食や代謝異常が起きやすくなるからです。

4. うつ病・認知機能の低下

慢性的な睡眠障害は、精神面にも影響を与えます。日中の強い眠気、倦怠感、集中力の低下は、うつ病や不安障害の発症リスクを高め、仕事や家庭生活にも支障をきたすようになります。

また、特に高齢者においては、睡眠時無呼吸症候群が認知機能障害や認知症の進行と関連しているという研究もあり、決して見逃せない問題です。

5. 交通事故や労働災害のリスク

睡眠時無呼吸症候群の症状である日中の過剰な眠気は、自動車運転や機械操作といった集中力を要する作業において重大な事故のリスクを高めます。厚生労働省のデータによると、睡眠時無呼吸症候群の患者の交通事故リスクは健常者の2〜7倍とも言われています。

このように、睡眠時無呼吸症候群を甘く見て放置すると、個人の健康はもちろん、社会的にも深刻な影響を及ぼすことが明らかです。単なる「いびき」や「疲れが取れない」といった軽い症状の裏に、命に関わるリスクが隠れている可能性があるのです。

何科を受診すべき?タイプ別の診療科選び

SAS診療科ガイド

睡眠時無呼吸症候群かもしれないと感じたとき、多くの方が最初に迷うのが「何科を受診すればよいのか」という点です。これはとても重要な疑問であり、症状の出方や原因によって適切な診療科が異なるため、正しい判断がその後の検査・治療のスムーズさに大きく影響します。

ここでは、主な症状や背景に応じて、どの診療科が適しているかをタイプ別に詳しくご紹介します。ぜひ、今のご自身の症状や生活状況と照らし合わせながらお読みください。

耳鼻咽喉科が適しているケース

耳鼻咽喉科は、上気道の構造的な異常が疑われる場合に最も適した診療科です。たとえば、鼻詰まりがひどい、口呼吸になりがち、子どもであればアデノイドや扁桃腺が大きいなど、物理的な要因によって気道が塞がれているケースでは耳鼻咽喉科がファーストチョイスとなります。

特に以下のような症状がある方は、耳鼻咽喉科での診察を検討しましょう。

  • 鼻炎やアレルギー性鼻炎で慢性的に鼻が詰まっている
  • 睡眠中に口を開けて寝ている、喉が乾く
  • 小児でいびきがひどく、睡眠中に息が止まる
  • 自身や家族に「喉の奥が狭い」と指摘されたことがある

耳鼻咽喉科では、鼻腔や咽頭、喉頭などの視診・内視鏡検査を行い、構造的な原因を特定します。必要に応じて、扁桃腺の摘出や鼻中隔矯正術、アデノイド切除術といった手術療法も視野に入ります。

また、鼻づまりが原因でCPAP治療がうまくいかないケースでは、耳鼻咽喉科との併診によって治療効果が大きく改善されることもあります。鼻呼吸の確保は、すべての睡眠時無呼吸症候群治療に共通する土台であり、耳鼻咽喉科の果たす役割は極めて重要です。

呼吸器内科に相談すべきケース

呼吸器内科は、睡眠時無呼吸症候群の中でも特に「閉塞型 睡眠時無呼吸症候群」や「中枢型 睡眠時無呼吸症候群」の診断・治療の中核を担う診療科です。特に、肥満傾向がある方、日中の眠気が強い方、いびきとともに呼吸停止が頻繁にある方には、呼吸器内科での詳細な評価が非常に重要です。

以下のような症状や背景をお持ちの方は、まず呼吸器内科への受診を検討するのがよいでしょう。

  • 睡眠中の無呼吸を家族に指摘されたことがある
  • 昼間の強い眠気で生活に支障をきたしている
  • 肥満体型(BMI25以上)または首回りが太めである
  • 高血圧や心疾患など、循環器系の基礎疾患を持っている
  • いびきと同時に呼吸が詰まるような感覚がある

呼吸器内科では、睡眠時無呼吸の簡易検査や精密検査(PSG)を実施できる体制が整っている病院が多く、検査後には重症度に応じたCPAP療法の導入や管理が行われます。また、症状によってはASV(適応型サーボ換気)などの専門的な呼吸サポート装置が用いられることもあります。

さらに、呼吸器内科では気管支喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)など、他の呼吸器疾患との合併がないかも総合的にチェックしてもらえるため、「眠気以外に呼吸が苦しい」「咳が出やすい」といった症状がある場合にも最適です。

最近では、呼吸器内科と睡眠外来を兼ねたクリニックも増えており、総合的な診断と治療がワンストップで受けられるようになってきています。呼吸に関する悩みや心配がある方は、まず呼吸器内科での相談をおすすめします。

睡眠外来・専門クリニックの役割

睡眠外来や専門クリニックは、睡眠時無呼吸症候群に関する包括的な診療を提供できる場として非常に重要な役割を果たしています。耳鼻咽喉科や呼吸器内科がそれぞれ特定の領域に特化しているのに対し、睡眠外来は「睡眠」に関する総合的な知見と診療体制を備えており、原因が複合的な場合や他科ではカバーしきれないケースにも柔軟に対応できます。

睡眠外来や専門クリニックで主に行われていることには、以下のようなものがあります。

  • 詳細な問診と症状のヒアリング(生活習慣・体型・睡眠環境など)
  • 睡眠障害全般(睡眠時無呼吸症候群、不眠症、むずむず脚症候群など)の総合評価
  • 自宅で行える簡易検査キットの貸出や使い方の指導
  • 精密検査(PSG)による睡眠の質と無呼吸の分析
  • 必要に応じたCPAP導入とアフターケア(マスクの調整・設定変更など)
  • 管理栄養士や臨床心理士との連携による生活習慣改善のサポート

このように、単に「検査して結果を伝える」だけではなく、患者一人ひとりに合わせた治療設計と継続支援を行っているのが睡眠外来の最大の強みです。

また、スリープメディカルクリニックのような専門施設では、医師だけでなく専門性を持ったスタッフがチームで対応し、医療機器や環境も睡眠時無呼吸症候群の対応に特化しています。入院不要で負担の少ない治療環境が整っており、初めての方でも安心して受診できます。

特に、「いびき以外にも睡眠の質が悪い」「複数の科にまたがるような不調がある」「どこを受診していいかわからない」と感じている方にとって、睡眠外来は極めて有効な選択肢です。

歯科や口腔外科でできること

睡眠時無呼吸症候群(特に軽度から中等度の閉塞型)に対する治療の一つとして注目されているのが、歯科や口腔外科で行われる「スリープスプリント(口腔内装置)」による治療です。これは、就寝中に専用のマウスピースを装着することで下顎を前方に固定し、気道を確保して無呼吸やいびきを軽減するものです。

この治療は、以下のような患者さんに特に適しています。

  • 無呼吸の重症度が軽度〜中等度(AHI:5〜30)
  • CPAP治療に抵抗感がある、または適応外
  • 旅行や出張が多く、CPAP機器の持ち運びが難しい
  • 顎の構造に異常がない方

スリープスプリントは、一般の市販マウスピースとは異なり、専門の歯科医による精密な型取りとカスタムメイド設計が行われるため、フィット感が高く、効果も明確に現れます。治療開始前には歯列や顎関節の状態をチェックし、問題がなければ1〜2回の通院で装置の完成・使用開始が可能です。

使用することで、無呼吸の回数が減る、いびきが改善される、日中の眠気が軽減するなどのメリットが期待できますが、一方で以下のような注意点もあります。

  • 顎関節に違和感を感じる場合がある
  • 長期使用により歯列や咬み合わせに変化が出る可能性
  • 毎日の清掃と管理が必要

また、すべての歯科医院がこの治療に対応しているわけではなく、「睡眠時無呼吸用口腔内装置作製」の届出をしている医療機関での対応が必要です。保険適用も可能で、医師の診断書があれば3割負担で治療を受けることができます。

スリープスプリントは、CPAPほどの強制的な気道確保はできないものの、手軽で続けやすい点から、ライフスタイルに合った治療法として非常に有効です。口腔の健康状態と合わせて検討することで、患者ごとに最適な選択肢となるでしょう。

検査から診断までの流れ

いびきの原因調査 検査の流れを解説
問診から診断まで安心ステップ

実際に「自分は睡眠時無呼吸症候群かもしれない」と感じたら、次に気になるのが検査や診断の流れです。ここでは、初診での問診から始まり、どのような検査が行われ、どのように診断されるのかを詳しくご紹介します。

検査は「簡易検査」と「精密検査(PSG)」に分かれ、それぞれの特徴や費用、受けるべきタイミングがあります。医療機関によって多少手順は異なりますが、基本的な流れを理解しておくことで、不安なく受診を進めることができるでしょう。

初診の内容と問診のチェックポイント

最初に行われるのが「問診」と「医師とのカウンセリング」です。ここでは、患者さんの日常生活、症状の頻度、既往歴、生活習慣などについて詳しくヒアリングが行われます。

以下のようなポイントが問診のチェック項目となります。

  • いびきの有無やその頻度、強さ
  • 寝ている間の呼吸の乱れや呼吸停止の有無(家族からの指摘も含む)
  • 朝の目覚めの状態(頭痛・倦怠感・口の渇き)
  • 日中の眠気の程度(エプワース眠気尺度などを使用)
  • 睡眠時間と睡眠リズム(シフト勤務の有無など)
  • 基礎疾患(高血圧・糖尿病・心疾患など)や服用中の薬
  • 喫煙・飲酒・カフェイン摂取の習慣

また、BMIや首回りのサイズ、顎の骨格、舌の状態なども視診や触診で確認されることがあります。これにより、どのようなタイプの無呼吸が疑われるか、どの診療科が主導して治療すべきかの判断材料となります。

問診の段階で「可能性が高い」と判断された場合は、簡易検査または精密検査の案内へと進みます。患者自身が症状に気づいていないことも多いため、問診は診断の第一歩として非常に重要なフェーズです。

簡易検査と精密検査(PSG)の違いと費用

睡眠時無呼吸症候群の診断に用いられる主な検査には「簡易検査」と「精密検査(PSG/ポリソムノグラフィー)」があります。それぞれの検査には特徴と目的があり、症状の重症度や医師の判断に応じて使い分けられます。

1. 簡易検査(スクリーニング目的)

簡易検査は自宅で行えるタイプの検査で、患者の睡眠中に呼吸や酸素飽和度を測定します。手の指に装着する酸素センサーや鼻カニューレ(呼吸センサー)を使い、いびき・呼吸の乱れ・血中酸素濃度などの変化を記録します。

– 所要時間:1晩(自宅で就寝中に実施)

– 対象者:中〜重度が疑われる患者の初期スクリーニング

– メリット:自宅で手軽に実施でき、費用も1〜2万円程度(保険適用時:3割負担で数千円)

– デメリット:脳波や筋電図の記録は行わないため、正確な睡眠状態までは測定できない

この検査結果が一定の基準を超える場合には、より詳細な精密検査が必要とされます。

2. 精密検査(確定診断目的)

精密検査(PSG)は睡眠障害全般を評価するための「ゴールドスタンダード」とされる検査です。病院や睡眠クリニックで1泊して行う入院検査であり、以下のような多項目を同時に測定します。

– 脳波(睡眠ステージの把握)

– 眼球運動

– 筋電図(顎・脚)

– 心電図(心拍の状態)

– 呼吸フロー、胸部運動、腹部運動

– 体位、酸素飽和度、いびき音

– 所要時間:1泊2日

– 費用:保険適用で1〜2万円程度(全額負担だと5〜7万円)

– 精度が非常に高く、無呼吸のタイプ・重症度・合併症の有無まで詳しく診断可能

この精密検査(PSG)を行うことで、閉塞型・中枢型・混合型の違いを正確に分類でき、治療方針を明確に決定する材料となります。特に、CPAP療法の適応を判断するためには不可欠です。

検査の選択に迷った場合は、まず簡易検査でスクリーニングを行い、必要に応じて精密検査を受けるというステップが一般的です。

検査後の診断内容と治療方針

検査が終わると、医師から検査結果の説明を受け、無呼吸の有無・重症度・タイプが明らかになります。診断の指標として用いられるのが「無呼吸低呼吸指数(AHI)」という数値で、これは1時間あたりに起こる無呼吸および低呼吸の回数を示します。

無呼吸低呼吸指数(AHI)の分類は以下の通りです。

  • 軽度:5〜15回/時
  • 中等度:15〜30回/時
  • 重度:30回以上/時

この数値に基づき、医師は以下のような治療方針を提案します。

1. 軽度(5〜15回)

– 生活習慣の改善(減量・禁煙・飲酒制限・睡眠姿勢の調整)

– スリープスプリント(口腔内装置)の使用

– 定期的な経過観察と再検査

2. 中等度(15〜30回)

– CPAP治療の導入を検討

– 生活習慣改善と並行して効果を測定

– スリープスプリントが併用される場合も

3. 重度(30回以上)

– 原則としてCPAP治療の導入が第一選択

– 合併症(高血圧・糖尿病・心疾患)があれば、積極的な介入が必要

– 必要に応じて耳鼻咽喉科や歯科、精神科などと連携

また、CPAP治療に抵抗がある方には、マスクの種類や装着方法の工夫、慣れるまでのサポートプランも提供されます。

治療方針は一律ではなく、患者の生活スタイルや希望を踏まえて調整されることが一般的です。重要なのは、早期に治療を開始することと、継続して通院・フォローアップを行うことです。症状が改善しても、自己判断で治療を中断してしまうと、無呼吸の再発や悪化を招くことがあります。

睡眠時無呼吸症候群の治療法と選び方

選べる治療法いろいろ
自分に合う方法は?
CPAPから生活改善まで

睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の重症度・原因・ライフスタイルによって異なります。治療法には「CPAP療法」「スリープスプリント」「手術」「生活習慣の改善」などがありますが、それぞれの方法に適した対象や注意点があります。

このセクションでは、代表的な治療法を1つずつ掘り下げ、あなたにとって最も効果的かつ継続しやすい方法を見つけるための情報をご提供します。

CPAP治療とは?使用の流れと効果

CPAP(Continuous Positive Airway Pressure)治療は、睡眠時無呼吸症候群における最も一般的かつ効果的な治療法として広く用いられています。特に中等度〜重度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群に対しては、第一選択となることが多く、症状の改善率も非常に高いです。

CPAP療法では、専用のマスク(鼻マスク・鼻口マスクなど)を装着し、装置から気道に一定の空気圧を持続的に送り込むことで、睡眠中に気道が閉塞するのを防ぎます。これにより、無呼吸・低呼吸の発生を抑制し、睡眠の質を飛躍的に向上させることができます。

CPAP治療の導入までの流れ

1. 精密検査(PSG)で無呼吸低呼吸指数(AHI)が中等度以上と診断

2. 医師の判断によりCPAP治療の適応と判断される

3. CPAP装置の使用説明と装着テスト

4. 自宅での使用開始(1日6時間以上が目安)

5. 定期的な通院による使用状況と効果の確認(データ記録)

CPAPの主な効果

  • 無呼吸・いびきの大幅な改善
  • 日中の眠気、集中力低下、倦怠感の軽減
  • 睡眠の質の向上による生活の質(QOL)の向上
  • 高血圧や糖尿病などの合併症リスクの低減

実際にCPAP治療を始めた患者の多くが、「朝スッキリ起きられるようになった」「仕事中に眠くならなくなった」といった変化を実感しています。

ただし、CPAP治療には毎晩の使用が必須である点が最大のハードルです。マスクの装着感に違和感がある場合もあり、慣れるまでに時間がかかる方もいます。そのため、使用初期は医療スタッフのフォローやマスクのサイズ・種類の調整が重要です。

また、CPAP装置のレンタルには保険が適用され、自己負担は月々5,000〜6,000円前後が一般的です。使用データは記録・送信され、治療効果の確認と継続判断に役立ちます。

マウスピース「スリープスプリント」の効果と注意点

スリープスプリント(睡眠時用口腔内装置)は、軽度から中等度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群に有効な非侵襲的治療法のひとつです。この治療法は、就寝中に専用のマウスピースを装着することで、下顎を前方に移動させて気道の閉塞を防ぎ、呼吸をスムーズに保つ仕組みになっています。

スリープスプリントの主な効果

  • 無呼吸・いびきの回数を減少させる
  • 睡眠の質を改善し、日中の眠気や倦怠感を軽減
  • CPAPに比べて装置が小さく、旅行時などに携帯しやすい
  • 使用に慣れるまでの心理的ハードルが比較的低い

スリープスプリントが適している方

  • 軽度〜中等度の閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断された方
  • CPAP治療に抵抗感がある、もしくは合わなかった方
  • 毎晩マスクを装着するのが煩わしいと感じる方
  • 出張や旅行が多く、CPAPの持ち運びに不便を感じる方
  • 顎や歯の構造に大きな異常がない方

スリープスプリント作製の流れ

1. 睡眠外来や耳鼻科・呼吸器科でスリープスプリントの適応と診断される

2. 専門歯科医院に紹介され、口腔内の状態をチェック

3. 歯型の採取とマウスピースのカスタム製作(1〜2週間)

4. 装着テストとフィッティング調整

5. 自宅で使用を開始、経過観察と定期メンテナンス

注意点・デメリット

  • 顎関節症のある方は使用に制限がある場合がある
  • 長期間使用することで噛み合わせの変化や歯列への影響が出ることも
  • 洗浄や保管など、日常的なケアが必要
  • 保険適用には医師の診断と歯科との連携が必要

スリープスプリントは、患者自身の体型・生活スタイル・治療への意欲に応じて選択肢となりうる治療法です。特に軽度睡眠時無呼吸症候群の方にとっては、CPAPに代わる現実的かつ継続しやすい選択肢となります。

手術・生活習慣の改善は必要?

睡眠時無呼吸症候群の治療において、CPAPやスリープスプリントと並んで検討されるのが「手術による根本的改善」と「生活習慣の見直し」です。これらは単独で用いられることもありますが、他の治療と組み合わせることでより大きな効果が期待できます。

手術が検討されるケースとは?

手術は、主に解剖学的に気道を塞ぐ原因がはっきりしている場合に有効です。以下のような状況が対象となります。

  • 扁桃腺やアデノイドの肥大(特に小児)
  • 鼻中隔の湾曲や鼻茸による気道狭窄
  • 軟口蓋(のどちんこ付近)のたるみや肥大
  • 下顎の位置異常(顎矯正手術の対象)

耳鼻咽喉科・口腔外科・形成外科などで対応できる手術には、次のようなものがあります。

  • 扁桃摘出術・アデノイド切除術
  • 鼻中隔矯正術・下甲介粘膜焼灼術
  • 口蓋垂咽頭形成術(UPPP)
  • 顎矯正手術(下顎前方移動術など)

ただし、手術には一定のリスクやダウンタイムが伴い、全ての患者に適応されるわけではありません。重症度や年齢、全身状態などを考慮し、医師と十分に相談した上で選択する必要があります。

生活習慣の見直しも重要な治療の一部

無呼吸の発症や悪化には、日常生活の中にあるさまざまな要因が関係しています。以下のような改善ポイントは、すべての睡眠時無呼吸症候群患者に共通して推奨されます。

  • 減量:肥満によって首まわりに脂肪がつき、気道を狭める原因に。
  • 禁煙:喉や鼻の粘膜を刺激し、炎症によって気道が狭くなる可能性。
  • 飲酒の制限:アルコールは筋肉を弛緩させ、無呼吸を悪化させる。
  • 睡眠姿勢の改善:仰向け寝は無呼吸を悪化させやすいため、横向き寝が効果的。
  • 規則正しい生活:睡眠リズムを整えることで、睡眠の質が向上。

これらの改善はすぐに劇的な変化をもたらすわけではありませんが、治療の土台を支える基礎となります。また、生活習慣の見直しをしないままCPAPやマウスピース治療を行っても、効果が限定的となる場合もあります。

治療の継続とフォローアップの重要性

睡眠時無呼吸症候群の治療は、検査と治療を受けたら終わりというものではありません。むしろ、治療を開始した後の継続的なフォローアップこそが、治療効果を最大化し、再発を防ぐために極めて重要です。

特にCPAP療法やスリープスプリントのような継続使用型の治療では、以下のような課題が出てくることがあります。

  • 機器の使用時間が不足している
  • マスクや装置に違和感がある
  • 治療効果が実感できない(過度な期待や誤解)
  • 症状が改善したことで自己判断による治療中断
  • 睡眠の質が改善しても生活習慣が変わらないまま

また、半年〜1年ごとの再評価検査(簡易検査または精密検査)を通じて、治療の継続適正や他の睡眠障害の併発がないかを定期確認します。

睡眠障害は、加齢・環境・生活習慣の変化とともに状態が変化しやすいため、「今は治っているから大丈夫」ではなく、定期的に状態をチェックし続けることが、長期的な健康と安心に繋がります

スリープメディカルクリニックの特徴と強み

いびき治療専門のスリープメディカルクリニックの案内と男性モデルが指差している様子

スリープメディカルクリニックは、睡眠時無呼吸症候群をはじめとする睡眠障害に特化した医療機関として、多くの患者さんから信頼を集めています。全国に複数の拠点を展開し、初診から治療、フォローアップまで一貫した診療体制を提供することで、幅広い患者ニーズに対応しています。

このセクションでは、当院の強みを4つのポイントに分けてご紹介します。

医師紹介と監修体制について

当クリニックでは、睡眠医療に精通した専門医が在籍しており、常に最新のガイドラインに基づいた診療を提供しています。医師は日本睡眠学会日本呼吸器学会などに所属し、専門的知識と豊富な臨床経験に裏打ちされた信頼性の高い診療が可能です。

さらに、全記事・診療案内・治療方針については、臨床経験を持つ医師の監修を徹底しており、患者様が安心して情報を得られる体制を構築しています。

最新設備と診断体制

このように、設備面からも高精度の診断と治療の実現に努めています。

患者様の声と治療実績

当院では多くの患者様から高評価を頂いており、治療への満足度・継続率も高い水準を維持しています。

  • 「毎日仕事中に眠気があったのがなくなった」
  • 「いびきが消えて夫婦関係が改善した」
  • 「自分の無呼吸を初めて正確に知れて安心した」

全国の拠点と通いやすさ

スリープメディカルクリニックは、東京・大阪・名古屋・福岡などの主要都市を中心に全国展開しています。

  • 平日夜間や土日診療も一部拠点で対応
  • 交通アクセス良好な立地で通院負担を軽減

「仕事が忙しくて通えない」「地方からのアクセスが不安」という方でも安心してご利用いただけます。詳しい場所は、スリープメディカルクリニックのクリニック一覧をご覧ください。

よくあるご質問(FAQ)

初めての方も安心 よくある質問 検査や費用も丁寧に説明

ここでは、スリープメディカルクリニックに寄せられる「睡眠時無呼吸症候群」に関する代表的な質問とその回答をQ&A形式でご紹介します。初めて受診される方の不安を和らげ、必要な情報を正しく知っていただくための内容です。

いびきだけでも病院に行くべき?

はい、ぜひ一度ご相談ください。いびきは睡眠時無呼吸症候群の初期兆候である可能性があります。本人が自覚していなくても、家族やパートナーにいびきを指摘される場合は、簡易検査などで無呼吸の有無を確認することをおすすめします。早期発見が予防につながります。

診療科を間違えても大丈夫?

大丈夫です。どこに行けばよいか迷っている方は、まず当院にご相談ください。

カウンセリングは無料?

はい。スリープメディカルクリニックでは、初回の無料カウンセリングを実施しています。症状の相談や不安な点をお聞きしたうえで、必要に応じて診察をご案内する流れです。無理な勧誘や治療の強制は一切ございませんので、安心してご予約ください。

この他の不明点につきましては、スリープメディカルクリニックの「よくあるご質問」をご確認ください。

まとめ|まずは無料カウンセリングから一歩踏み出そう

無料相談からはじめよう SAS治療の第一歩 診断・治療プランを丁寧に提案

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中の眠気といった身近な症状の裏に、心臓病や糖尿病、うつ病、交通事故などの重大なリスクをはらんだ疾患です。本人が気づかないまま生活の質を低下させ、命に関わる合併症を引き起こすこともあります。

本記事では、症状・原因・診療科の選び方・検査・治療法・生活習慣の改善まで解説してきました。読者の皆さまが「もしかしたら自分も…」と思ったその直感は、健康への第一歩です。

スリープメディカルクリニックでは、全国の拠点を活用し、誰でも気軽に相談できる体制を整えています。初回カウンセリングは無料で、医師や専門スタッフが丁寧にヒアリングを行い、あなたに最適な治療プランをご提案します。

もし「どこから始めればいいか分からない」と思った方も、ご安心ください。一歩踏み出すことで、快眠と健康がきっと手に入ります。

監修医
木村真聡
監修医
木村真聡

大阪大学医学部を卒業後、大学病院や一般病院での臨床経験を経てレーザー治療を中心に専門性を磨き、日本レーザー医学会認定医1種や日本抗加齢医学会専門医の資格を取得。その豊富な実績が評価され、某大手クリニックで総院長を務めるなど、10年以上にわたり医療の最前線で活躍しています。また、著書『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(幻冬舎)などを通じて、レーザー治療や健康管理に関する情報を積極的に発信。現在は、その長年の知見と技術力を活かし、いびきのレーザー治療クリニックを監修し、患者一人ひとりの悩みに寄り添った安全かつ効果的な治療を提供しています。

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