
いびきと頭痛の意外な関係|朝の頭痛はSOSのサインかも?
朝起きたとき、なんだか頭が重い、ズキズキと痛む──そんな症状に悩まされていませんか?「寝不足かな」「枕が合わないのかも」と自己判断してしまうことも多いでしょう。しかし、実はその頭痛、「いびき」が原因かもしれないのです。
いびきは単なる音の問題ではなく、体が発している重要なSOSサインです。特に、睡眠中に呼吸が乱れたり酸素不足に陥ると、脳への酸素供給が不十分になり、結果として起床時の頭痛を引き起こすことがあります。
さらに、いびきが深刻な「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」に起因している場合、日中の強い眠気や集中力の低下など、仕事や日常生活に大きな影響を与えるリスクもあります。放置していると、高血圧や心疾患、脳卒中など、重大な健康リスクを伴う可能性すらあるのです。
この記事では、いびきと頭痛の医学的な関係性をわかりやすく解説し、放置することで起こりうるリスクや、家庭でできる対策、さらには専門医による治療の必要性について詳しくご紹介します。
「毎朝、頭痛がする」「いびきがうるさいと言われる」そんな悩みを抱える方は、ぜひ最後までお読みください。あなたの体からのサインを見逃さず、健康な日常を取り戻すための第一歩を踏み出しましょう。
いびきと頭痛の関係性

いびきと頭痛は一見無関係に思えますが、実は深い関係が隠されています。この章では、そのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。
いびきが引き起こす頭痛のメカニズム
いびきは単なる「音の問題」ではありません。睡眠中に舌や喉の筋肉が緩み、空気の通り道である気道が狭くなることで発生する生理現象です。この気道の閉塞は、酸素の取り込みを阻害し、血中の酸素濃度を低下させる原因となります。
その結果、脳が酸素不足に陥り、血管を拡張させることで酸素を供給しようとします。この血管の拡張や血流の変化が、頭痛の大きな要因とされているのです。とくに「起床時に起こる頭痛」は、夜間のいびきや呼吸障害と密接に関係しており、慢性的な酸素不足が蓄積している可能性があります。
さらに重篤なケースでは、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」という疾患に進行しているケースもあります。これは、睡眠中に呼吸が10秒以上止まる状態が繰り返される病気で、脳や心臓に深刻な負荷をかけることで知られています。
特に40代以降の男性や、肥満傾向にある方、アルコール摂取の習慣がある方はリスクが高く、注意が必要です。SASに関する詳細は、当サイトの「睡眠時無呼吸症候群の症状とセルフチェック」ページでも詳しく紹介しています。
起床時の頭痛の特徴
いびきに関連する頭痛には、いくつかの明確なパターンがあります。特に起床直後に感じる「鈍い痛み」「締め付けられるような感覚」が特徴的です。
- 頭全体が重いような感覚
- 額や後頭部に圧迫感を感じる
- 30分〜1時間で改善することもある
- 痛みが毎日続き、日常生活に支障が出る
このような頭痛が「枕や寝姿勢のせい」ではなく、いびきや呼吸の乱れに起因している可能性が高い場合、放置せず根本原因の究明が必要です。
また、起床時の頭痛には「脳圧の変動」や「睡眠の質の低下」も関係しています。深い睡眠(ノンレム睡眠)が取れていない場合、脳の疲労が蓄積され、朝の頭痛として現れることがあります。これも、いびきによって断続的に目覚めたり、睡眠が浅くなっていることが原因です。
起床時頭痛に加えて、日中の眠気や集中力の低下、記憶力の減退などの症状がある場合、いびきと健康チェックリストの確認をおすすめします。
放置してしまうと、単なる不快感にとどまらず、高血圧や心筋梗塞などの重大な疾患へと発展するリスクもあります。特に家族やパートナーから「いびきがひどい」と指摘されている方は、客観的なサインとして受け止め、早めの対応が必要です。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
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いびきと関連する代表的な病気のひとつが睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。まずは、この病気の基本的な特徴を理解しておきましょう。
SASの定義と症状
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に何度も呼吸が止まることで、身体に大きな負担を与える病気です。医学的には、「10秒以上の無呼吸または低呼吸が1時間に5回以上ある状態」がSASと定義されており、無自覚のうちに深刻な健康リスクが進行しているケースが少なくありません。
無呼吸状態が繰り返されると、脳や心臓に供給される酸素が慢性的に不足し、高血圧、動脈硬化、不整脈、脳卒中、心筋梗塞などを引き起こす可能性があります。いびきや日中の強い眠気、夜間の頻尿、集中力の低下、起床時の頭痛などが代表的な症状です。
特にSASは「肥満型」「顎が小さい」「扁桃腺が大きい」などの身体的特徴により発症しやすく、中高年の男性に多いとされていますが、女性や子どもでも発症する可能性があるため、誰にとっても他人事ではありません。
また、睡眠時に起きる無呼吸は自覚が難しいため、本人よりも家族やパートナーが異変に気づくことが多いです。寝ているときに「呼吸が止まっている」「急に息を吸ってむせるような音がする」といった兆候があれば、すぐに医療機関を受診することが勧められます。
当院では、睡眠時無呼吸症候群の主な症状についても詳しく解説していますので、セルフチェックにぜひご活用ください。
SASの診断と重症度
睡眠時無呼吸症候群の診断は、医療機関での専門的な検査によって行われます。最も信頼性が高いのが「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」です。これは一晩かけて睡眠の質や呼吸の状態、脳波、酸素飽和度などを総合的に記録し、睡眠中にどの程度の無呼吸・低呼吸があるかを数値化します。
診断の中心となるのは「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という指標です。これは1時間あたりに何回無呼吸または低呼吸が起きたかを示す数値で、以下のように重症度が分類されます。
- 軽症:AHI 5〜15回
- 中等症:AHI 15〜30回
- 重症:AHI 30回以上
重症度が高いほど、心血管系への負担も大きくなり、死亡リスクも高まることがわかっています。そのため、症状が疑われる場合は早期に検査を受け、必要に応じて治療を開始することが非常に重要です。
いびきや頭痛、日中の眠気に心当たりがある方は、自覚症状がなくても一度検査を受けることを強くおすすめします。見過ごされたSASは、静かに健康を蝕む「沈黙の疾患」と言われるほど、重大な問題を引き起こしかねないのです。
いびきと頭痛のリスク

いびきや頭痛を放置すると、思わぬ健康リスクに発展する可能性があります。ここでは、見逃せないリスクについてご紹介します。
放置による健康リスク
いびきや起床時の頭痛を「よくあること」と放置してしまうと、思わぬ健康リスクを招く恐れがあります。いびきは単なる睡眠中の音ではなく、体が十分な酸素を取り込めていないサインであり、慢性的な低酸素状態はさまざまな疾患の引き金となります。
たとえば、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を放置すると、以下のようなリスクが高まることが医学的にも明らかになっています:
- 高血圧症の発症リスク増大(通常の2〜3倍)
- 脳卒中や心筋梗塞のリスク上昇
- 糖尿病の発症率増加
- うつ病や認知症との関連性も指摘
また、日中の強い眠気による交通事故リスクも深刻な問題です。実際に、SAS患者は健常者と比べて交通事故発生率が2〜7倍に上るというデータもあります。
このように、いびきや頭痛を軽視することは、将来的な重大疾患リスクの「入り口」になりかねないのです。
早期発見の重要性
いびきや起床時頭痛が続く場合、早期に原因を特定し、適切な対策を講じることが極めて重要です。SASなどの睡眠障害は、早期に発見できれば生活習慣の改善や簡易治療だけで十分にコントロールできる場合もあります。
特に注目すべきポイントは、「症状が重篤化する前に対応することで、生活の質(QOL)が大きく改善できる」ということです。たとえば、適切な治療によって夜間の酸素供給が改善すれば、日中の眠気や頭痛が軽減し、仕事や家庭生活のパフォーマンスが向上することが多く報告されています。
当院では、症状が軽いうちから対応できるよう、睡眠時無呼吸症候群セルフチェックを無料提供しています。自覚症状があまりなくても、気になる方はぜひチェックしてみてください。
「まだ大丈夫」と思っていても、体は確実にサインを出しています。違和感を覚えた段階で医療機関に相談することが、自分自身の健康を守る一番の近道です。
家庭でできる対策

早期対策は重症化を防ぐ鍵です。この章では、すぐに実践できる家庭でのいびき・頭痛対策法をまとめました。
生活習慣の改善
いびきや起床時の頭痛を改善するには、まず日常生活の見直しから始めることが非常に効果的です。睡眠環境や生活習慣の乱れが、気道の狭窄や呼吸の乱れを引き起こし、それがいびきや頭痛の原因になることが多くあります。
以下は、今日からすぐに実践できる生活習慣改善のポイントです。
- 寝る姿勢を見直す:仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなり、いびきの原因になります。横向き寝を意識することで、気道が確保され、いびきを軽減できることがあります。
- 適正体重の維持:肥満は気道周囲の脂肪蓄積を招き、気道が狭くなる原因となります。減量によって症状が改善された例も多く報告されています。
- 飲酒・喫煙の制限:アルコールやたばこは喉の筋肉を緩め、気道閉塞を悪化させます。特に就寝前の飲酒は控えましょう。
- 規則正しい生活リズム:不規則な睡眠時間は、深い眠り(ノンレム睡眠)を妨げ、いびきや頭痛のリスクを高めます。毎日同じ時間に就寝・起床することを意識しましょう。
これらの対策はすぐに始められるだけでなく、継続することで慢性的ないびきや頭痛の緩和につながります。
また、就寝環境も大切な要素です。枕の高さが合っていなかったり、室温・湿度が適切でないと、呼吸がしにくくなり、いびきが出やすくなります。適度な加湿と、呼吸しやすい姿勢を保てる寝具選びにも気を配りましょう。
頭痛やいびきに悩んでいる方は、まずこうした習慣や環境を見直すことから始めてみるのが良いでしょう。
市販の対策グッズ
生活習慣の改善に加えて、市販されているいびき対策グッズも非常に有効です。近年では多様な製品が登場しており、使用目的や症状の程度に応じて選ぶことができます。
以下は特に人気があり、実際に効果が期待されている代表的な対策グッズです。
- マウスピース(スリープスプリント):下あごを前に固定することで、気道を確保する装置。軽度〜中等度のSASに特に有効。医療機関でのカスタム作成が望ましいが、市販品もあります。
- 鼻腔拡張テープ:鼻の上に貼ることで、鼻腔を物理的に広げるテープ。呼吸がスムーズになり、いびきを軽減する効果があります。
- 横向き寝サポーター・抱き枕:仰向け寝を防止し、横向き寝を促進することで、気道の閉塞を防ぎます。
- 加湿器・アロマディフューザー:乾燥による喉の炎症や鼻づまりを防ぎ、睡眠の質を向上させます。
ただし、市販グッズは一時的な補助であり、根本的な原因を解決するものではない点には注意が必要です。効果を感じられない場合や症状が悪化する場合は、医療機関での診断・相談が必要です。
また、マウスピースは市販品よりも、歯科・耳鼻科など医療機関でオーダーメイドで作成する方が効果的で安全です。詳しくは「医療用マウスピース治療について」をご確認ください。
市販グッズ+生活習慣の見直しを組み合わせることで、軽度〜中等度のいびきや頭痛に対しては高い改善効果が期待できます。ただし、効果が見られない場合は、必ず専門医の診察を受けるようにしましょう。
専門的な治療の必要性

症状が続く場合や重症が疑われる場合は、自己対策だけでは不十分です。ここでは、医療機関で受けるべき検査や治療について解説します。
医療機関での検査
いびきや起床時の頭痛が慢性的に続いている場合、自己判断だけでは限界があります。特に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)のような睡眠障害が疑われる場合は、医療機関での専門的な検査が不可欠です。
代表的な検査方法は、「終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)」です。この検査では一晩中、睡眠中の脳波・心拍・酸素飽和度・呼吸の状態などを計測し、無呼吸や低呼吸の回数を数値化して重症度を評価します。保険適用が可能で、精度の高い診断が行えるため、多くの医療機関で導入されています。
また、近年では「簡易検査キット」を使って自宅で手軽にSASの可能性をチェックできるサービスも増えています。たとえば、厚生労働省が紹介する睡眠時無呼吸症候群に関する情報サイト「健康日本21アクション支援システム」でも、早期発見のために簡易検査の活用が推奨されています。
当院でも、SASの検査の流れと内容を詳しく紹介しています。まずは簡易検査で状況を確認し、必要に応じて終夜PSG検査へと進むことで、より正確な診断が可能になります。
「たかがいびき」「ただの頭痛」と片付けてしまう前に、根本原因を科学的に把握することが、正しい治療の第一歩となります。
治療法の選択肢
検査結果からSASと診断された場合、症状の重症度に応じてさまざまな治療法が選択されます。治療は単に「いびきを止める」ためだけではなく、呼吸状態を改善し、健康リスクを根本から取り除くために必要です。
代表的な治療法には以下のようなものがあります:
- CPAP療法(シーパップ):鼻に装着したマスクから空気を送り込み、気道を常に広げた状態に保つ装置。中等度〜重症のSASに対して非常に有効とされています。
- マウスピース療法:軽症〜中等症の方に適しており、下あごを前方に固定することで気道の閉塞を防ぎます。市販品ではなく、歯科でのオーダーメイドが推奨されます。
- 外科的手術:扁桃腺の肥大や鼻中隔の湾曲など、解剖学的な問題が原因の場合は、手術による根本的改善が選択されることもあります。
CPAP療法などの睡眠障害については、日本睡眠学会による公式資料「日本睡眠学会ガイドライン」も参考になります。継続的に使用することで、無呼吸の頻度が大幅に減少し、日中の眠気や起床時の頭痛も劇的に改善されるケースが多数報告されています。
当院では、症状やライフスタイルに応じた治療プランをご提案しています。治療に不安がある方も、まずは無料カウンセリングからスタートすることをおすすめします。
最適な治療法は人それぞれ異なりますが、共通して言えるのは「放置しないこと」。正しい診断と継続的な治療が、健康な毎日を取り戻すカギとなります。
スリープメディカルクリニックのご案内

いびきや睡眠の悩みを専門的にサポートする「スリープメディカルクリニック」について、当院の特徴とサポート体制をご紹介します。
当院の特徴
スリープメディカルクリニックは、いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)を専門とする睡眠医療のクリニックです。患者さま一人ひとりの症状や生活習慣に合わせて、診断・治療・アフターフォローまでをワンストップで提供しています。
当院の最大の特徴は専門医による個別診療体制で、生活習慣改善やセルフケアについてもきめ細かくサポートしています。根本改善を目指した包括的なアプローチが、多くの患者さまから高い評価をいただいています。
医師・看護師・スタッフ全員が睡眠医療の専門知識を有しており、「丁寧な説明」「親しみやすい雰囲気」「通いやすい環境」にこだわった診療を心がけています。初診からでも安心してご相談いただける環境を整えています。
詳しくは、スリープメディカルクリニックの「当院について」のページをご覧ください。
カウンセリング予約のご案内
当院では、いびきや頭痛、睡眠に関する悩みをお持ちの方に向けて、無料の初回カウンセリングを実施しています。「病院に行くほどでもないけど気になる」「検査ってどんなもの?」という方も、お気軽にご相談ください。
カウンセリングでは、現在の症状や生活習慣について丁寧にヒアリングし、必要な検査・治療の選択肢を明確にご案内いたします。無理な検査や治療をすすめることは一切ありませんので、安心してご来院ください。
予約はオンラインフォームにて24時間受付中です。公式サイトの予約フォームはスマホからでも簡単に入力可能で、多くの患者さまにご利用いただいています。
あなたの不調が「いびき」や「睡眠の質」によるものかもしれない──そう感じた今が、改善への一歩です。まずは一度、私たちにご相談ください。
まとめ:いびきと頭痛の関係性

本記事では、「いびき」と「起床時の頭痛」という一見別々に見える症状が、実は密接に関連していることを解説してきました。いびきは単なる睡眠中の音ではなく、身体が発している重大なサインであり、特に酸素不足による頭痛との関係性は軽視できません。
さらに、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が背景にある場合、放置すると高血圧や心疾患、脳卒中といった深刻な健康リスクを招く恐れがあることも明らかになっています。厚生労働省の情報でも、SASの早期発見・治療の重要性が繰り返し指摘されています。
いびきや頭痛に悩んでいる方は、まず生活習慣の見直しや市販グッズによるセルフケアを始め、それでも改善しない場合は専門医による検査と適切な治療を受けることが重要です。
特に、当院スリープメディカルクリニックでは、睡眠障害専門の医師が常駐しており、カウンセリングから治療まで一貫したサポート体制を整えています。初回カウンセリングは無料でご利用いただけますので、ぜひお気軽にご相談ください。
毎朝の頭痛や家族から指摘されるいびきが気になる方は、それが単なる疲れや加齢のせいではない可能性をしっかり考えるべきです。あなた自身の健康と、周囲の大切な人たちのためにも、今この瞬間から行動を起こしましょう。
まずは一歩踏み出すこと。いびきと頭痛に隠されたリスクを正しく理解し、早期に対処することで、より健やかな未来を手に入れることができます。