寝起きの動悸の原因は?朝・夜中の症状別に受診目安を解説
寝起きに動悸を感じると、「心臓の病気ではないか」「このまま様子を見てよいのか」と不安になる方は少なくありません。起きた瞬間にドキドキする、朝方に動悸で目が覚める、息苦しさを伴うなど、症状の出方は人によって異なります。
寝起きの動悸は、起床時に自律神経が切り替わることや、睡眠不足、脱水、ストレスなどで一時的に起こる場合があります。一方で、胸痛、失神、強い息苦しさ、脈の乱れを伴う場合は、不整脈や心臓の病気、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが関係している可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、寝起きの動悸でまず確認したい危険なサイン、夜中・朝方・起き上がりの3シーン別の原因、SASや不整脈との関係、年代・属性別の見分け方、セルフケア、動悸日記のつけ方、何科を受診すべきかを解説します。
寝起きの動悸でまず確認したい危険なサイン

寝起きの動悸には、一時的な体調変化で起こるものもありますが、なかには早めの受診や救急相談が必要なケースもあります。原因を考える前に、まずは「今すぐ注意すべき症状がないか」を確認しましょう。
胸痛・失神・強い息苦しさがある場合
寝起きの動悸と一緒に、胸の痛み、胸の圧迫感、強い息苦しさ、冷汗、吐き気、意識が遠のく感じがある場合は、自己判断で様子を見続けないことが大切です。心臓や血管の病気、不整脈などが関係している可能性もあるため、救急相談や救急外来の受診を検討してください。
特に、動悸に加えて「胸を締め付けられるような痛みがある」「息が吸いにくい」「立っていられない」「意識を失いそうになる」といった症状がある場合は注意が必要です。寝起きであっても、単なる寝不足やストレスと決めつけるのは避けましょう。
また、普段から高血圧、糖尿病、脂質異常症、心臓病の指摘を受けている方や、過去に不整脈を指摘されたことがある方は、同じ動悸でも慎重に判断する必要があります。症状が強い場合や、いつもと違う感覚がある場合は、早めに医療機関へ相談してください。
動悸が長く続く・繰り返す場合
胸痛や失神がなくても、動悸が長く続く場合や、寝起きに何度も繰り返す場合は、原因を確認しておくと安心です。たとえば、安静にしてもドキドキが治まりにくい、毎朝のように動悸がある、脈が不規則に感じる、動悸のあとに強い疲労感が残るといった場合は、循環器内科などで相談する目安になります。
寝起きの動悸は、睡眠不足、脱水、カフェイン、ストレスなどでも起こることがあります。しかし、生活習慣を整えても続く場合や、動悸の頻度が増えている場合は、不整脈、貧血、甲状腺の病気、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが隠れていることもあります。
受診する際は、「いつ起きたか」「どのくらい続いたか」「脈は規則的だったか」「息苦しさや胸の違和感があったか」をメモしておくと、医師に状況を伝えやすくなります。危険なサインがある場合は早めに受診し、軽い症状でも繰り返す場合は記録を残して相談するようにしましょう。
なぜ寝起きに動悸が起きるのか

寝起きに動悸を感じると、すぐに病気を疑って不安になるかもしれません。しかし、朝は体が睡眠モードから活動モードへ切り替わる時間帯であり、心拍や血圧が変化しやすいタイミングでもあります。
ここでは、寝起きの動悸が起こる主なしくみと、受診を考えたいサインを整理します。
起床時は交感神経が高まりやすい
睡眠中の体は、心拍や血圧を落ち着かせる副交感神経が優位になりやすい状態です。一方、朝になって目が覚めると、体を動かす準備として交感神経の働きが高まり、心拍数や血圧が上がりやすくなります。この切り替えのタイミングで、胸のドキドキを動悸として感じることがあります。
また、朝はホルモン分泌や血圧の変動も起こりやすい時間帯です。目覚ましの音で急に起きる、強い不安を感じながら目が覚める、仕事や予定のことを考えて緊張するなど、心理的な刺激が加わると、動悸をより強く感じることもあります。
ただし、交感神経の高まりだけで寝起きの動悸をすべて説明できるわけではありません。胸痛、息苦しさ、脈の乱れ、めまいなどを伴う場合は、単なる自律神経の変化と決めつけず、体からのサインとして慎重に見ることが大切です。
体位変換・脱水・睡眠不足でも動悸を感じることがある
寝ている姿勢から起き上がると、血液の流れや血圧が一時的に変化します。特に、急に立ち上がったときに心拍が速くなる、ふらつく、立ちくらみがある場合は、体位変換による血圧変動が関係していることがあります。
また、寝汗をかいた日、前日にお酒を飲んだ日、水分摂取が少なかった日などは、朝の体が軽い脱水状態になっていることがあります。脱水傾向があると、体は血液を全身に送るために心拍を上げようとするため、寝起きに動悸を感じやすくなる場合があります。
睡眠不足や睡眠の質の低下も、朝の動悸に関係します。十分に眠れていないと自律神経のバランスが乱れやすく、起床時に心拍の変化を敏感に感じることがあります。
寝不足による吐き気やめまいもある方は、こちらの関連記事も参考にしてください。
👉 寝不足が引き起こす吐き気・めまいの原因と対処法
生理的な動悸と受診が必要な動悸の違い
一時的な寝起きの動悸は、数分程度で落ち着き、胸痛や強い息苦しさを伴わないことが多いです。前日の睡眠不足、カフェインの摂りすぎ、ストレス、急な起き上がりなど、思い当たるきっかけがある場合もあります。
一方で、安静にしても動悸が治まりにくい、毎日のように繰り返す、脈が不規則に感じる、息苦しさや胸の圧迫感を伴う場合は、医療機関で相談した方がよいサインです。特に、動悸で目が覚める状態が続く場合や、日中の眠気、いびき、起床時の頭痛を伴う場合は、睡眠中の呼吸状態が関係している可能性もあります。
寝起きの動悸は、「よくあること」と「確認が必要なこと」の両方があります。大切なのは、症状の強さだけでなく、続く時間、頻度、脈の乱れ、併発症状を合わせて見ることです。気になる症状が続く場合は、医療機関に相談しましょう。
夜中・朝方・起き上がりの3シーン別に考えられる原因

寝起きの動悸は、起こるタイミングによって考えられる原因が少しずつ変わります。夜中に動悸で目が覚めるのか、朝方に胸のドキドキを感じるのか、起き上がった瞬間に動悸が出るのかを分けて考えると、自分の状態を整理しやすくなります。
| 動悸が起きるタイミング | 考えられる原因 | 受診を考えたいサイン |
|---|---|---|
| 夜中に目が覚める | 不安、悪夢、逆流性食道炎、不整脈など | 胸痛、息苦しさ、不規則な脈を伴う |
| 朝方に感じる | SAS、血圧変動、交感神経の高まりなど | いびき、日中の眠気、息苦しさがある |
| 起き上がった瞬間 | 体位変換、脱水、低血圧、睡眠不足など | 立ちくらみ、失神、頻回に繰り返す |
夜中に動悸で目が覚める場合
夜中に動悸で目が覚める場合は、睡眠中の不安や悪夢、ストレスによる覚醒、アルコールやカフェインの影響などが関係することがあります。寝ている間は本来、心拍や血圧が落ち着きやすい時間帯ですが、強い緊張や不安があると、急に目が覚めたときに胸のドキドキを強く感じることがあります。
一方で、夜間の胸やけ、胃酸の逆流、咳き込みなどで目が覚め、その刺激に反応して動悸を感じることもあります。横になったときに胸苦しさや息苦しさが強い場合は、睡眠の問題だけでなく、消化器や循環器の病気が関係している可能性も考えられます。
また、脈がバラバラに感じる、動悸が長く続く、胸の圧迫感や息苦しさを伴う場合は、発作性の不整脈などを確認する必要があります。
夜中に目が覚める状態が続く場合は、動悸の有無だけでなく、眠りが途中で途切れる背景もあわせて整理しておくとよいでしょう。
👉 中途覚醒の原因や対策方法!夜中に何度も目が覚めるのは危険?
朝方に動悸を感じる場合
朝方に動悸を感じる場合は、起床に向けて交感神経が高まり、血圧や心拍が上がりやすくなることが関係していることがあります。特に、目覚ましで急に起きる、睡眠不足が続いている、前日に強いストレスがあった場合は、朝方の動悸を感じやすくなることがあります。
また、いびきが大きい、寝ている間に呼吸が止まっていると指摘された、日中の眠気が強い、起床時に頭痛があるといった場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)も原因候補の一つです。SASでは睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりすることで、体が何度も覚醒に近い反応を起こし、心拍や血圧に負担がかかることがあります。
ただし、朝方の動悸だけでSASと判断することはできません。不整脈、血圧変動、貧血、甲状腺の病気、ストレスなどでも似た症状が出ることがあります。
朝方の動悸に加えて、いびきや起床時の頭痛も気になる方は、こちらの関連記事も参考にしてください。
👉 寝起きの頭痛|原因と緊急度チェック
起き上がった瞬間に動悸がする場合
起き上がった瞬間に動悸がする場合は、寝ていた姿勢から座る・立つという体位変換によって、血圧や心拍が一時的に変化している可能性があります。特に、急に立ち上がったときにドキドキする、ふらつく、目の前が暗くなる場合は、立ちくらみや低血圧が関係していることがあります。
朝は水分が不足しやすい時間帯でもあります。寝汗をかいた日、前日の飲酒、水分摂取の少なさ、発熱や下痢などがあると、軽い脱水によって心拍が上がりやすくなる場合があります。起き上がる前に布団の中で手足を動かし、ゆっくり座ってから立つだけでも、動悸やふらつきが軽くなることがあります。
一方で、起き上がるたびに強い動悸が出る、失神しそうになる、動悸が毎日のように続く場合は、自己判断で済ませない方が安心です。血圧の変動、自律神経の問題、不整脈、貧血などが関係することもあるため、症状のタイミングや頻度をメモして相談しましょう。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)が寝起きの動悸に関係するしくみ

寝起きの動悸にいびきや日中の眠気が重なる場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が関係していないかも確認したいポイントです。
SASだけで動悸の原因を決めつけることはできませんが、睡眠中の呼吸の乱れが、心拍や血圧の変動に影響することがあります。
夜間の無呼吸・低酸素と交感神経の関係
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が浅くなったり、一時的に止まったりする状態を繰り返す病気です。一般的には、10秒以上の無呼吸または低呼吸が1時間あたり5回以上みられる状態が目安とされます(参照:健康長寿ネット「睡眠時無呼吸症候群」)。
呼吸が乱れると血液中の酸素が下がりやすくなり、体はその変化に反応して呼吸を再開させようとします。このとき、眠っているつもりでも体の中では覚醒に近い反応が起こります。
こうした反応が一晩に何度も起こると、交感神経が刺激されやすくなります。交感神経は、体を活動モードにする神経で、心拍を速めたり、血圧を上げたりする働きがあります。そのため、睡眠中の無呼吸や低酸素が続くと、朝方や寝起きに胸のドキドキを感じるきっかけになることがあります。
ただし、寝起きの動悸があるからといって、必ずSASというわけではありません。不整脈、貧血、甲状腺の病気、ストレス、カフェイン、睡眠不足などでも似た症状は起こります。大切なのは、動悸だけを見るのではなく、いびきや眠気、息苦しさ、起床時の頭痛などを合わせて確認することです。
いびき・日中の眠気を伴う場合に確認したいこと
SASが疑われる場合に確認したい代表的なサインは、大きないびき、睡眠中に呼吸が止まっているという家族からの指摘、夜中に息苦しくて目が覚める、日中の強い眠気、集中力の低下、起床時の頭痛などです。自分では睡眠中の呼吸の乱れに気づきにくいため、家族やパートナーからの指摘が手がかりになることもあります。
特に、朝方に動悸で目が覚めることがあり、さらに「いびきが大きい」「寝ても疲れが取れない」「日中に眠くなる」といった状態が重なる場合は、睡眠中の呼吸状態を確認する価値があります。
また、寝ようとしたときに息苦しい、横になると呼吸がしづらい、夜中に息苦しさで目が覚めるといった症状がある場合は、動悸だけでなく呼吸の問題としても整理する必要があります。
睡眠時の息苦しさが気になる方は、こちらの関連記事も参考になります。
👉 寝ようとすると息が苦しい?症状と改善法
SASが疑われる場合は検査対応可能な医療機関へ
SASの有無や重症度は、症状だけで正確に判断することはできません。疑われる場合は、簡易検査や終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)などに対応した医療機関で、睡眠中の呼吸状態を確認することが大切です。
検査結果によって、生活習慣の見直し、マウスピース、CPAPなど、適した対応が検討されます。CPAP治療は重症度(AHI:無呼吸低呼吸指数)に応じて保険適用の可否が決まりますが、AHIの基準は診療報酬改定によって見直されることがあるため(直近では2026年6月に緩和)、最新の適用条件は医療機関でご確認ください。
一方で、寝起きの動悸に胸痛、失神、強い息苦しさ、脈の乱れがある場合は、SASだけを疑うのではなく、循環器内科で心臓や不整脈の確認を受けることも重要です。睡眠と心臓の症状は重なって見えることがあるため、症状の出方に応じて相談先を分ける必要があります。
なお、SASの基本的な症状やセルフチェックを詳しく知りたい方は、こちらの関連記事も参考にしてください。
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不整脈・心房細動が疑われる動悸の特徴

寝起きの動悸を考えるうえで、不整脈や心房細動との違いが気になる方も多いでしょう。ここでは、受診を考えるための目安として、動悸の感じ方や脈のリズム、併発症状を整理します。
規則的に速い動悸
胸がドキドキと速く打っているものの、リズム自体は一定に感じる場合は、心拍が一時的に速くなっている状態が考えられます。このような動悸は、座って安静にする、水分をとる、深呼吸をするなどで徐々に落ち着くこともあります。
ただし、安静にしても治まりにくい、毎朝のように繰り返す、心拍が明らかに速い状態が続く、めまいや息苦しさを伴う場合は、体調変化だけでは説明できないこともあります。
特に、以前より頻度が増えている場合は、心電図検査などで確認した方が安心です。規則的に速いから問題ないと決めつけず、症状の続く時間やきっかけを記録しておきましょう。
脈が飛ぶ・不規則に感じる動悸
「トクンと脈が飛ぶ」「一瞬止まったように感じる」「ドキッと強く打つ」といった動悸は、脈の乱れとして自覚されることがあります。期外収縮(きがいしゅうしゅく)など、比較的よくみられる不整脈で起こることもありますが、症状だけで安全かどうかを判断することはできません。
また、脈がバラバラに打つ、速さも強さも不規則に感じる、動悸がしばらく続く場合は、心房細動などの不整脈が関係している可能性もあります。心房細動では、動悸、息切れ、疲れやすさ、めまい、胸の違和感などが出ることがありますが、症状をほとんど感じない人もいます。
寝起きだけでなく日中にも脈の乱れを感じる、スマートウォッチで不規則な心拍を指摘された、動悸の頻度が増えている場合は、循環器内科で相談する目安になります。受診時には、脈が「速い」のか「飛ぶ」のか「バラバラ」なのかを言葉で伝えられると、状況を共有しやすくなります(参照:国立循環器病研究センター「不整脈」)。
息苦しさや胸の圧迫感を伴う動悸
動悸に息苦しさ、胸の圧迫感、胸痛、冷汗、めまい、失神しそうな感覚を伴う場合は、早めの確認が必要です。寝起きにおきた症状であっても、心臓や血管の病気、不整脈などが関係している可能性があるため、自己判断で長く様子を見ることは避けましょう。
特に、胸を締め付けられるような違和感がある、息が吸いにくい、意識が遠のく、動悸のあとに強い疲労感が残る場合は、救急相談や循環器内科での確認を検討してください。症状が強い場合は、無理に移動したり運転したりせず、周囲に助けを求めることも大切です。
不整脈が疑われるかどうかは、症状だけでは判断できません。心電図、ホルター心電図、血液検査などで確認が必要になることがあります。寝起きの動悸が繰り返される場合は、後述する動悸日記に、時刻、続いた時間、脈の感じ方、息苦しさや胸の違和感の有無を記録しておきましょう。
| 感じ方 | 考えられる背景 | 受診の目安 |
|---|---|---|
| 規則的に速い | 緊張、脱水、睡眠不足、カフェインなど | 安静でも続く、繰り返す場合は相談 |
| 脈が飛ぶ感じ | 期外収縮などの可能性 | 頻回、めまい、胸部症状があれば相談 |
| 不規則にバラバラ | 心房細動などの可能性 | 循環器内科での確認を推奨 |
年代・属性別に考えられる寝起きの動悸の原因

寝起きの動悸は、年代や性別、生活背景によって考えやすい原因が変わります。同じ「朝にドキドキする」という症状でも、ストレスや睡眠不足が中心の人もいれば、いびき、ホルモン変化、血圧変動、不整脈などを確認した方がよい人もいます。
ここでは、年代・属性別に見落としたくないポイントを整理します。
20〜30代女性:ストレス・不安・ホルモン変動
20〜30代女性の寝起きの動悸では、仕事や人間関係のストレス、睡眠不足、不安感、月経周期に伴う体調変化などが関係することがあります。朝起きた瞬間から胸がドキドキする、月曜日の朝に強く出やすい、予定や仕事のことを考えると悪化する場合は、心理的な緊張が影響している可能性もあります。
ただし、「若いから心臓の病気ではない」とは言い切れません。脈が不規則に感じる、息苦しさや胸の痛みを伴う、動悸が長く続く、貧血を指摘されたことがある場合は、内科や循環器内科で相談することも大切です。不安感が強い場合は、心療内科や精神科が相談先になることもあります。
30〜40代:睡眠不足・カフェイン・生活習慣
30〜40代では、仕事や育児による睡眠不足、カフェインの摂りすぎ、飲酒、運動不足、生活リズムの乱れが寝起きの動悸に関係することがあります。夜遅くまでスマートフォンを見る、寝る直前まで仕事をする、朝に強い緊張感があるといった生活が続くと、自律神経の切り替えが乱れやすくなります。
コーヒーやエナジードリンクを日常的に多く飲む方、前日の飲酒量が多い方は、朝の脱水や心拍の変化を感じやすくなることもあります。まずは睡眠時間、水分摂取、カフェイン量、飲酒量を見直し、それでも動悸が続く場合は医療機関へ相談しましょう。
40〜50代男性:いびき・体重増加・SASの可能性
40〜50代男性で、寝起きの動悸に加えて大きないびき、日中の眠気、朝のだるさ、起床時の頭痛がある場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)も確認したい原因候補です。特に、体重増加、首まわりの脂肪、飲酒習慣がある方では、睡眠中に気道が狭くなりやすく、呼吸の乱れが起こることがあります。
SASでは睡眠中に呼吸が浅くなったり止まったりすることで、交感神経が刺激され、心拍や血圧が変動しやすくなることがあります。ただし、寝起きの動悸だけでSASと判断することはできません。いびきや眠気が気になる方は、必要に応じて睡眠専門の医療機関へ相談しましょう。
なお、年齢とともにいびきが目立つようになった方は、加齢による体の変化や年代別の原因もあわせて確認しておくと、自分に合う対策を考えやすくなります。
👉 いびきは加齢でひどくなる?年代別の原因と改善策を医師が解説
更年期女性:ホットフラッシュや自律神経の変化
更年期世代の女性では、ホルモンバランスの変化により、ほてり、発汗、のぼせ、寝汗、睡眠の浅さなどが起こりやすくなります。夜間や朝方に急に体が熱くなり、その後に胸のドキドキを感じる場合は、ホットフラッシュや自律神経の変化が関係していることがあります。
一方で、更年期の症状だと思っていた動悸に、不整脈や甲状腺の病気、貧血、血圧変動などが隠れていることもあります。月経周期の変化、ほてり、発汗、不眠が目立つ場合は婦人科や更年期外来へ、脈の乱れや胸の圧迫感がある場合は循環器内科へ相談するなど、症状に合わせて受診先を考えましょう(参照:日本産科婦人科学会「更年期障害」)。
なお、更年期に入ってから睡眠が浅くなった、いびきを指摘されるようになったという方は、女性に多いいびきの原因や対策もあわせて確認しておくとよいでしょう。
👉 女性のいびきの原因と対策
高齢者:不整脈・血圧変動・薬の影響
高齢者の寝起きの動悸では、不整脈、血圧変動、脱水、貧血、薬の影響などを慎重に確認する必要があります。朝は血圧が変動しやすく、夜間の水分不足や起床時の体位変換によって、動悸やふらつきを感じることがあります。
また、服用している薬の種類や組み合わせによって、心拍や血圧に影響が出る場合もあります。自己判断で薬を中止するのは危険なため、動悸が気になる場合は、薬の名前が分かるものやお薬手帳を持って医療機関に相談しましょう。脈が不規則、息切れが強い、失神しそうになる場合は、早めの受診が必要です。
妊娠中:血液量やホルモン変化による動悸
妊娠中は、体内の血液量やホルモンバランスが変化し、心拍を感じやすくなることがあります。寝起きにドキドキする、少し動いただけで息が上がる、疲れやすいといった変化を感じる方もいますが、妊娠中の症状は自己判断しすぎないことが大切です。
特に、強い息苦しさ、胸痛、めまい、失神感、むくみの悪化、動悸が長く続く場合は、早めに産婦人科へ相談してください。貧血や甲状腺の病気、心臓への負担が関係することもあります。
妊娠中は市販薬やサプリの使用も慎重に判断する必要があるため、気になる動悸がある場合は、かかりつけの産婦人科で確認しましょう(参照:国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」)。
なお、妊娠中にいびきが出るようになった、寝苦しさや日中の眠気も気になる場合は、動悸とは別に、睡眠中の呼吸の変化についても確認しておくとよいでしょう。
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寝起きに動悸がしたときのセルフケアと動悸日記

寝起きに動悸がしたときは、まず危険な症状がないかを確認したうえで、落ち着いて体の状態を整えることが大切です。ここでは、症状が軽く一時的な場合にできる対処法と、受診時に役立つ記録方法を紹介します。
⚠️胸痛、失神、強い息苦しさ、冷汗などがある場合はセルフケアで様子を見ず、救急相談や医療機関の受診を優先してください。
その場でできる落ち着き方
寝起きに胸がドキドキしたときは、急に立ち上がらず、まずは座るか横になって安静にしましょう。起き上がった直後であれば、体位変換によって血圧や心拍が一時的に変化している可能性があります。無理に動こうとせず、呼吸を整えながら数分ほど様子を見ます。
呼吸が浅くなっていると、動悸をより強く感じることがあります。鼻からゆっくり吸って、口から長めに吐くように意識すると、緊張が少し和らぐことがあります。
ただし、深呼吸をしても動悸が強くなる、息苦しさが続く、胸の痛みがある場合は、自己判断で続けず医療機関へ相談してください。
なお、スマートフォンで症状を検索し続けると、不安が強まり、かえって動悸を意識しやすくなることもあります。まずは画面を見る時間を減らし、部屋を明るくしすぎず、体を締め付ける衣類を緩めて、落ち着いて症状の変化を確認しましょう。
水分・カフェイン・睡眠不足を見直す
寝起きの動悸が繰り返される場合は、前日の過ごし方を振り返ることも役立ちます。水分摂取が少ない、寝汗をかいた、前日に飲酒した、夜遅くまで起きていたといった状況では、朝に心拍の変化を感じやすくなることがあります。
カフェインの摂りすぎも、動悸のきっかけになることがあります。コーヒー、緑茶、エナジードリンク、栄養ドリンクなどを日常的に多く飲んでいる方は、飲む量や時間帯を見直してみましょう。特に夕方以降のカフェインは睡眠の質にも影響し、翌朝の体調不良につながる場合があります(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット「快眠と生活習慣」)。
また、睡眠不足が続くと、自律神経のバランスが乱れやすくなり、朝の動悸やめまい、吐き気を感じることがあります。不調が続く場合は、寝る前の過ごし方や睡眠環境を見直し、睡眠の質を整える視点も持っておくとよいでしょう。
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受診時に役立つ動悸日記のつけ方
寝起きの動悸が一度だけでなく繰り返される場合は、動悸日記をつけておくと受診時に役立ちます。医師に「朝に動悸があります」と伝えるだけでは、症状の強さや規則性が分かりにくいため、時刻、続いた時間、脈の感じ方、併発症状を具体的に残しておきましょう。
| 記録する項目 | 記入例 |
|---|---|
| 日付・時刻 | 7月8日 5:30 |
| 続いた時間 | 約5分 |
| 心拍数 | 約105回/分 |
| 脈の感じ方 | 規則的に速い、脈が飛ぶ、不規則など |
| 併発症状 | 息苦しさ、胸の違和感、めまい、冷汗など |
| 前日の状況 | 睡眠不足、飲酒、カフェイン多め、強いストレスなど |
可能であれば、1〜2週間ほど記録して、症状の出やすい時間帯やきっかけを確認しましょう。ただし、胸痛、失神、強い息苦しさ、脈の乱れがある場合は、記録を待たずに早めに受診することが大切です。
何科に行くべき?寝起きの動悸の症状別受診先

寝起きの動悸で受診を考えるときは、「どの診療科に行けばよいのか」で迷う方も多いでしょう。動悸の原因は、心臓、睡眠中の呼吸、ストレス、ホルモン変化など幅広いため、症状の出方や併発症状に合わせて相談先を選ぶことが大切です。
「危険な症状があるか」「脈の乱れがあるか」「睡眠や不安、更年期症状を伴うか」に分けて確認していきましょう。
胸痛・失神がある場合は救急へ
寝起きの動悸に加えて、胸痛、胸の圧迫感、失神、意識が遠のく感じ、強い息苦しさ、冷汗がある場合は、救急相談や救急外来の受診を検討してください。朝に起きた症状であっても、心臓や血管の病気、不整脈などが関係している可能性があります。
特に、胸を締め付けられるような痛みがある、息が吸いにくい、立っていられない、顔色が悪い、強いめまいがある場合は、無理に様子を見続けないことが大切です。自分で運転して受診するのではなく、家族や周囲の人に助けを求める、救急相談窓口を利用するなど、安全を優先しましょう(参照:総務省消防庁「救急安心センター事業(♯7119)ってナニ?」)。
脈の乱れがある場合は循環器内科へ
脈が飛ぶ、不規則に打つ、バラバラに感じる、動悸が長く続く、胸の違和感や息切れを伴う場合は、循環器内科が相談先の目安になります。不整脈や心房細動などは、症状だけで判断することが難しく、心電図やホルター心電図などで確認が必要になることがあります。
受診時には、動悸が起きた時刻、続いた時間、脈の感じ方、胸痛や息苦しさの有無を伝えられるようにしておくと、診察がスムーズです。スマートウォッチの心拍記録がある場合も参考になりますが、数値だけで安心したり不安になりすぎたりせず、症状と合わせて医師に相談しましょう。
いびき・日中の眠気がある場合は睡眠外来へ
寝起きの動悸に加えて、大きないびき、睡眠中の無呼吸の指摘、日中の強い眠気、起床時の頭痛、寝ても疲れが取れない感じがある場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)など睡眠中の呼吸の乱れも候補になります。この場合は、睡眠検査に対応した医療機関や睡眠外来への相談が目安です。
睡眠検査を受けるべきか迷う場合は、病院での検査の流れや、自宅で確認できる方法を事前に知っておくと安心です。
👉 いびき検査は必要?病院での流れと自宅でできる方法
ただし、寝起きの動悸だけでSASと判断することはできません。脈の乱れや胸部症状が強い場合は循環器内科、いびきや眠気が中心の場合は睡眠検査に対応した医療機関というように、症状の中心を整理して相談先を考えましょう。
不安感が強い場合は心療内科・精神科へ
朝起きた瞬間から強い不安がある、仕事や学校のことを考えると動悸が強くなる、息苦しさや手の震え、パニック感を伴う場合は、心療内科や精神科が相談先になることがあります。ストレスや不安は、交感神経を刺激し、寝起きの動悸を感じやすくする要因の一つです。
一方で、不安が原因だと思っていても、不整脈、貧血、甲状腺の病気、睡眠不足などが関係している場合もあります。初めて強い動悸が出た場合や、脈の乱れ、胸痛、失神感がある場合は、心療内科だけでなく内科や循環器内科で体の原因を確認することも大切です。
更年期症状がある場合は婦人科へ
更年期世代で、ほてり、発汗、寝汗、のぼせ、月経周期の変化、不眠などと一緒に寝起きの動悸がある場合は、婦人科や更年期外来への相談も選択肢になります。ホルモンバランスの変化によって、自律神経が揺らぎ、朝方や夜間に動悸を感じることがあります。
ただし、更年期の症状と思っていた動悸に、心臓や甲状腺、血圧、貧血の問題が隠れていることもあります。脈が不規則、胸の圧迫感がある、息切れが強い、急に症状が悪化した場合は、婦人科だけでなく内科や循環器内科での確認も検討しましょう。
| 症状の特徴 | 相談先の目安 |
|---|---|
| 胸痛、失神、強い息苦しさ、冷汗 | 救急相談・救急外来 |
| 脈の乱れ、長く続く動悸、胸の圧迫感 | 循環器内科 |
| いびき、無呼吸の指摘、日中の眠気 | 睡眠検査に対応した医療機関・睡眠外来 |
| 不安感、パニック感、気分の落ち込み | 心療内科・精神科 |
| ほてり、発汗、月経変化、更年期症状 | 婦人科・更年期外来 |
受診先に迷う場合は、まず内科で全身状態を確認し、必要に応じて循環器内科、睡眠外来、心療内科、婦人科などへつなげてもらう方法もあります。寝起きの動悸は原因を一つに決めつけず、症状の組み合わせから適切な相談先を選びましょう。
いびきそのものが気になる方へ|スノアレーズという選択肢

寝起きの動悸に加えて、家族からいびきを指摘される、朝早く目が覚めやすい、睡眠の質が悪いと感じる場合は、動悸の原因確認とは別に、いびきそのものへの対策を考えることも大切です。
いびきは、睡眠中に空気の通り道が狭くなり、喉まわりの組織が振動することで起こります。そのため、いびきが続いている方は、生活習慣の見直しに加えて、喉まわりへの治療を選択肢として検討できる場合があります。
いびき改善を目指すレーザー治療「スノアレーズ」
当院スリープメディカルクリニックでは、いびき改善を目的としたレーザー治療「スノアレーズ」を行っています。スノアレーズは、喉や口蓋にレーザーを照射し、喉の中を引き締めて気道を広げることで、いびきの軽減を目指す自由診療の治療です。
メスなどで喉の一部を切除する治療ではなく、身体への負担やダウンタイムに配慮しながら受けられる点が特徴です。治療時間は1回あたり約15分で、忙しい方でも検討しやすい治療方法です。
ただし、スノアレーズは寝起きの動悸そのものを治療するものではありません。胸痛、失神、強い息苦しさ、脈の乱れ、長く続く動悸がある場合は、いびき治療を検討する前に、まず循環器内科などで心臓や不整脈の可能性を確認することが大切です。
そのうえで、動悸の原因とは別に、いびき自体を改善したい方、家族からいびきを指摘されている方、睡眠の質を見直したい方は、スノアレーズについて相談をご検討ください。詳しい治療内容や流れを確認したい方は、こちらの詳細ページをご覧ください。
寝起きの動悸に関するよくある質問

寝起きの動悸は、原因を一つに決めつけにくい症状です。ここでは、朝方の動悸、受診先、心拍数の目安、SASとの関係など、よくある疑問を整理します。
寝起きの動悸は危険ですか?
寝起きの動悸は、起床時の自律神経の切り替え、睡眠不足、脱水、ストレスなどで一時的に起こることがあります。すぐに落ち着き、胸痛や強い息苦しさがない場合は、前日の体調や生活習慣を振り返りましょう。
ただし、胸痛、失神、強い息苦しさ、冷汗、強いめまいを伴う場合は注意が必要です。症状が強い場合や、いつもと違う動悸がある場合は、救急相談や医療機関の受診を検討してください。
寝起きの動悸は何科に行けばよいですか?
脈が不規則、動悸が長く続く、胸の圧迫感がある場合は循環器内科が目安です。いびきや日中の眠気、無呼吸の指摘がある場合は、睡眠専門の医療機関が候補になります。
また、不安感が強い場合は心療内科・精神科、更年期症状が目立つ場合は婦人科も選択肢です。迷う場合は、まず内科で相談しましょう。
動悸と息苦しさがある場合はすぐ受診すべきですか?
軽い息苦しさでも、動悸と一緒に繰り返す場合は医療機関に相談した方が安心です。特に、強い息苦しさ、胸痛、失神感、冷汗、意識が遠のく感じがある場合は、救急相談を検討してください。
寝起きにおきた症状でも、心臓や血管、不整脈、睡眠中の呼吸障害などが関係していることがあります。症状が強いときは、無理に移動したり運転したりせず、安全を優先しましょう。
心拍数がどれくらいだと受診の目安になりますか?
一般的に、成人の安静時心拍数は1分間に60〜100回程度とされ、安静時の心拍数が1分間におおよそ100回以上の状態は「頻脈」とされます(日本循環器学会)。ただし、不安、発熱、脱水、カフェイン摂取後などでも心拍数は上がるため、数字だけでは判断できません。
安静にしても速い状態が続く、寝起きに何度も繰り返す、脈が不規則、息苦しさや胸の違和感を伴う場合は、循環器内科などで相談しましょう。
不安やストレスで朝に動悸が出ることはありますか?
不安やストレスによって、朝に動悸を感じることはあります。起床直後に仕事や学校のことを考えて緊張する、月曜日の朝に強く出る、息が浅くなる場合は、心理的な負担が関係している可能性があります。
ただし、不安だけが原因と決めつけるのは避けましょう。不整脈、貧血、甲状腺の病気、睡眠不足、SASなどでも動悸は起こるため、繰り返す場合は体の原因も確認してください。
朝方に動悸で目が覚めるのはSASですか?
朝方に動悸で目が覚めるからといって、必ず睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは限りません。不整脈、血圧変動、ストレス、カフェイン、睡眠不足などでも似た症状が出ることがあります。
一方で、大きないびき、睡眠中の無呼吸の指摘、日中の強い眠気、起床時の頭痛を伴う場合は、SASも原因候補になります。気になる場合は、睡眠専門の医療機関で相談しましょう。
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※2024年2月16日〜2026年1月31日時点
まとめ|寝起きの動悸は「時間帯」と「併発症状」で受診先を見極めよう

寝起きの動悸は、起床時の自律神経の切り替え、睡眠不足、脱水、ストレスなどで一時的に起こることがあります。一方で、胸痛、失神、強い息苦しさ、冷汗、脈の乱れを伴う場合は、心臓や血管、不整脈などが関係している可能性もあるため、早めの相談が必要です。
原因を考えるときは、夜中に動悸で目が覚めるのか、朝方に感じるのか、起き上がった瞬間に出るのかを整理しましょう。いびき、日中の眠気、起床時の頭痛がある場合はSAS、脈の乱れや胸の圧迫感がある場合は不整脈なども候補になります。
症状が繰り返される場合は、動悸が起きた時刻、続いた時間、脈の感じ方、併発症状、前日の睡眠やカフェイン摂取などを記録しておくと、受診時に役立ちます。迷う場合は、まず内科で相談し、必要に応じて循環器内科、睡眠外来、心療内科、婦人科などにつなげてもらいましょう。
大阪大学医学部を卒業後、大学病院や一般病院での臨床経験を経てレーザー治療を中心に専門性を磨き、日本レーザー医学会認定医1種や日本抗加齢医学会専門医の資格を取得。その豊富な実績が評価され、某大手クリニックで総院長を務めるなど、10年以上にわたり医療の最前線で活躍しています。また、著書『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(幻冬舎)などを通じて、レーザー治療や健康管理に関する情報を積極的に発信。現在は、その長年の知見と技術力を活かし、いびきのレーザー治療クリニックを監修し、患者一人ひとりの悩みに寄り添った安全かつ効果的な治療を提供しています。

