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【医師監修】いびきの原因を徹底解説!今すぐ改善できるセルフ対策と専門治療

【医師監修】いびきの原因を徹底解説!今すぐ改善できるセルフ対策と専門治療

「最近、パートナーから『いびきがうるさい』と指摘された」
「寝ているときに呼吸が止まっているようで心配だと言われた」
そんな経験はありませんか?

いびきは単なる生活習慣の問題と思われがちですが、放置すると睡眠の質を大きく低下させ、場合によっては睡眠時無呼吸症候群などの重大な病気のサインであることもあります。

本記事では、睡眠専門医の監修のもと、いびきの原因をわかりやすく解説し、今日から実践できるセルフ改善法や原因別の対策、そして医療機関での治療方法までを網羅的に紹介します。

まずは、あなたの「いびきの重症度」をセルフチェックしてみましょう。

いびきセルフ重症度チェック

いびきセルフ重症度チェック

「いびきがうるさい」と指摘されても、自分自身ではどの程度深刻なのか判断が難しいものです。実際、いびきには一時的で軽度なものから、命に関わる病気が背景にあるものまで幅広い段階があります。

まずは、以下のセルフチェック表を使って、あなたのいびきの重症度を把握してみましょう。10項目に回答するだけで、受診が必要かどうかの目安がわかります。
あてはまる項目はいくつありますか? その数が、あなたの重症度を判断するヒントになります。

・家族やパートナーに「いびきが大きい」と繰り返し指摘されたことがある
・睡眠中に「呼吸が止まっている」と言われたことがある
・朝起きても疲れが取れず、頭が重い
・日中に強い眠気や集中力の低下を感じる
・肥満傾向がある、または首回りが太い
・就寝前にアルコールを飲む習慣がある
・鼻づまりやアレルギー性鼻炎を長期間患っている
・扁桃腺肥大や舌が大きいと診断されたことがある
・高血圧や糖尿病など生活習慣病を抱えている
・寝ているときに口呼吸をしていると感じる

判定結果

  • 0〜2点: 軽度のいびき。疲労や飲酒など一時的な要因の可能性が高く、生活習慣の改善で改善することがあります。
  • 3〜5点: 中度。いびきが習慣化しており、睡眠の質が低下している段階です。セルフケアを実践するとともに、医療機関への相談も検討しましょう。
  • 6点以上: 重度。睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの重大な病気が背景にある可能性が高いです。放置すると高血圧・心疾患・脳卒中のリスクを高めるため、早急に受診をおすすめします。

セルフチェックで軽度と判定された方へ

「軽度(0〜2点)」と判定された場合は、次のような簡単な工夫から始めるとよいでしょう。

・横向きで寝る習慣をつける
・枕の高さや寝具を調整する
・寝る前の飲酒を控える
・適正体重の維持を目指す

これらの対策で改善が見られるケースも多くあります。ただし、改善が見られない場合は次章で紹介する「原因ごとの特徴」を参考に、自分の状況に合った改善策を見つけていきましょう。

👉 関連記事:いびきと疲労の関係を詳しく解説

セルフチェックで中度・重度と判定された方へ

判定結果で「中度(3〜5点)」または「重度(6点以上)」と出た方は、いびきが単なる習慣ではなく、健康に関わる可能性が高い状態です。特に以下の症状に当てはまる場合は、すぐに医療機関への相談を検討してください。

・呼吸停止を指摘された
・日中に居眠りを繰り返してしまう
・高血圧・糖尿病を抱えている

監修医
木村真聡

これらは「命に関わるいびき」の典型的なサインです。放置せず、専門医に相談しましょう。

いびきの主な原因6つ

いびきの主な原因6つ

いびきの正体は、空気の通り道である上気道(鼻や喉の空間)が狭くなり、空気が振動する音です。原因は一つではなく、体質・生活習慣・病気など複数の要因が重なって起こります。

いびきが発生する理由とメカニズムのイラスト

ここでは、いびきの代表的な原因を6つに分類し、リスクを詳しく解説します。自分のいびきがどのタイプに当てはまるのかを確認し、改善のヒントをつかんでください。

1. 肥満による気道の狭まり

いびきの原因の中でも、最も多いのが肥満です。首まわりや舌の根元に脂肪がつくと、気道が圧迫されて空気の通り道が狭くなり、呼吸の際に振動音(いびき)が起こりやすくなります。特に BMIが25以上 の人では、いびきをかくリスクが急激に高まることが知られています。

肥満によるいびきは男性に多い傾向がありますが、女性も例外ではありません。とくに閉経後の女性では、ホルモンバランスの変化により脂肪のつき方が変化し、いびきの発症が増えると報告されています。

さらに、肥満はいびきだけでなく、睡眠時無呼吸症候群(SAS)そのものの大きなリスク要因にもなります(日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群」)。

複数の研究で、BMIの上昇と睡眠呼吸障害の発症率には明確な関連性が確認されています。特に、ウィスコンシン睡眠コホート研究では、軽度の、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者が体重を10%増加させた場合、症状進行のリスクが6倍に増加することが実証されています(CHEST Journal, 2010)。
※これらのデータは主に「閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)」を対象とした研究に基づいており、日本人を含む大規模疫学研究で確認された知見です。

このように、肥満は見た目の問題だけでなく、気道を狭める構造的変化を引き起こす医学的リスクでもあります。健康のためにも、適正体重の維持は非常に重要です。

👉 関連記事:肥満が引き起こすいびきと健康リスク

2. 鼻づまりや慢性的な鼻炎

鼻づまりは、口呼吸を招いていびきの原因となります。アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎のある方は、鼻が詰まって呼吸がスムーズにできないため、口から大きく息を吸い込むようになり、喉が振動していびきが発生します。

特に小児や若年層では、花粉症やアデノイド肥大が鼻づまりの原因になることもあります。鼻づまりを放置すると口呼吸が習慣化し、いびきだけでなく虫歯や歯並びの悪化にもつながります。

改善のヒント:鼻炎治療薬や点鼻薬の使用、アレルゲン回避(掃除や寝具の清潔保持)が効果的です。慢性的な鼻づまりは耳鼻咽喉科での診察を受けると安心です。

3. 扁桃腺・アデノイドなど喉の肥大

のどや鼻の奥には、免疫を担うリンパ組織がいくつか存在します。そのうち下記の3つは、肥大すると空気の通り道に影響し、いびきにつながることがあります。

扁桃腺(口蓋扁桃):のどの奥の両脇にあり、肥大すると気道が狭くなって強いいびきを引き起こします。小児では発達が盛んなため、睡眠の質や成長に影響することもあります。

アデノイド(咽頭扁桃):鼻の奥の上部(上咽頭)にある組織で、子どもの時期に発達が大きく、年齢とともに縮小していくのが一般的です。肥大すると鼻づまりや口呼吸の原因となり、慢性的ないびきや集中力低下、顔の発育への影響が問題になることもあります。

口蓋垂(のどちんこ):長く垂れ下がる場合、呼吸の通りを妨げたり喉の振動を強めたりして、いびきが悪化することがあります。睡眠中に喉が乾燥しやすくなるのも特徴です。

改善のヒント:軽度であれば生活習慣の工夫や睡眠姿勢の調整で症状が和らぐこともありますが、小児や重度の肥大はセルフケアでの改善が難しいため、耳鼻咽喉科での診察が安心です。必要に応じて扁桃摘出術や口蓋垂の部分切除などが検討されます。

👉 関連記事:扁桃腺肥大といびきの関係について詳しく解説

4. 舌の沈下(舌根沈下)

睡眠中に舌が喉の奥へ落ち込むことで気道をふさぎ、いびきが生じます。これを舌根沈下と呼びます。加齢による筋力低下や、飲酒で舌の筋肉が緩むことが原因です。

特に仰向け寝では舌が重力で落ち込みやすくなるため、いびきが強く出やすい傾向があります。また、下顎が小さい体質の人や、ストレスで筋緊張が低下している人にも起こりやすい症状です。

改善のヒント:横向きで寝る、舌の筋トレ(舌を突き出す運動やガムを噛む習慣)などが有効です。

👉 関連記事:舌根沈下とは?原因から治療法・予防策まで徹底解説

5. 睡眠姿勢(仰向け寝)

仰向け寝は、重力で舌や軟口蓋が喉に落ち込み、気道を狭めます。そのため、仰向け寝を避けて横向き寝を習慣化するだけでいびきが軽減するケースも少なくありません。

ただし、寝返りを打つと自然に仰向けに戻ってしまうため、抱き枕を利用して横向きをキープする工夫が必要です。また、専用のいびき防止グッズ(体位保持器具)も市販されています。

改善のヒント:「横向き寝」を維持する寝具を活用すると効果的です。

6. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)

睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)とは、眠っている間に何度も呼吸が止まる病気です。10秒以上呼吸が止まる状態(無呼吸)が繰り返され、脳や体が酸素不足になることで、さまざまな健康被害を引き起こします。

無呼吸の回数は「AHI(無呼吸低呼吸指数)」という数値で表され、1時間あたりに何回呼吸が止まるかを示します。たとえば、AHIが15以上だと中等症以上と診断されます。

睡眠時無呼吸症候群の重症度分類(AHIによる目安)

重症度 AHI(1時間あたりの呼吸停止回数) 主な特徴
軽症 5〜14回 いびきや軽い眠気
中等症 15〜29回 日中の強い眠気・集中力低下
重症 30回以上 高血圧・心疾患リスク上昇

さらに、睡眠中に呼吸が止まると血中の酸素濃度が低下し、心臓や脳に大きな負担がかかります。その結果、高血圧のリスクが2倍以上に上昇し、心血管疾患については心不全のリスクが140%増加(2.4倍)、脳卒中のリスクが60%増加(1.6倍)、冠動脈疾患のリスクが30%増加(1.3倍)すると報告されています(Journal of Clinical Sleep Medicine, 2008)。

👉 関連記事:睡眠時無呼吸症候群の症状とは?セルフチェックや検査の方法

急にいびきをかくようになった原因は?

ここまで、いびきの代表的な6つの原因を紹介しましたが、なかには「最近になって急にいびきをかくようになった」という方もいるのではないでしょうか。

通常、いびきは気道が部分的に狭くなることで発生しますが、突然いびきをかくようになる場合は、体調や生活習慣の変化、または新たな健康問題が影響している可能性があります。主な原因は以下の通りです。

・飲酒や鼻づまりなど
・疲労や睡眠不足
・体重増加による気道の狭窄

数日〜数週間たっても改善が見られない、いびきが以前より大きくなった、あるいは間隔が不規則になった場合は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。日中の強い眠気や集中力低下、朝の頭痛といった症状がある方は、早めに医療機関での検査を検討しましょう。

いびきの変化は自分では気づきにくいため、家族やパートナーに睡眠中の呼吸を確認してもらうことが大切です。スマートフォンの睡眠アプリで録音・分析する方法も有効です。

男性の方がいびきをかきやすい原因

実は、いびきの現れ方には性別によって明確な傾向の違いがあります。日本人8,483名を対象とした大規模研究(Sleep & Breathing誌, 2011年)では、男性の24%、女性の10%が「ほぼ毎日」いびきをかいており、男性は女性の2倍以上いびきをかきやすいことが確認されています。これは生活習慣だけでなく、身体的な構造の違いが大きく影響しています。

まず、男性は女性よりも喉の筋肉や組織が太く、気道が狭まりやすい傾向があります。睡眠中に筋肉が緩むと気道が塞がれ、いびきが発生しやすくなります。また、首周りに脂肪がつきやすいことも原因の一つで、気道を圧迫して空気の通りを妨げます。

さらに、男性は女性より仰向けで眠る割合が高いことが調査で示されています。仰向け寝は舌が喉の奥に落ち込みやすく、気道閉塞の要因になります。加えて、男性は骨格や顎が発達しており、気道や舌が長く、構造的に塞がりやすいことも特徴です。

こうした要因により、男性はいびきをかきやすい傾向にありますが、体重管理や寝る姿勢の工夫で改善が期待できます。飲酒や疲労、ストレスが重なると習慣化することもあるため、早めの対策が大切です。

今すぐできるいびき改善法ベスト3

今すぐできるいびき改善法ベスト3

いびきが気になったとき、多くの人が「病院に行くほどではないが、なんとかしたい」と考えます。そこで役立つのが、今日から始められるセルフ改善法です。ここでは、医学的にも有効性が認められている代表的な方法を3つ紹介します。

1. 横向き寝を習慣にする

いびきの大きな原因の一つが舌の沈下です。仰向けで寝ると舌や軟口蓋が重力で下がり、気道を塞ぎやすくなります。これが「ゴーッ」という大きないびきを生むメカニズムです。

横向きで寝ると舌が喉に落ちにくくなり、気道が確保されるため、いびきが軽減しやすくなります。実際に、睡眠時無呼吸症候群の軽症例では「横向き寝を徹底するだけで症状が改善した」という研究報告もあります。

実践方法:

・抱き枕を使うと横向き寝が楽に維持できる
・背中にタオルや小さなクッションを挟んで仰向けに戻りにくくする
・横向き寝専用の枕やパジャマを使用する

横向き寝でもいびきが改善しない場合は、原因が肥満や鼻づまりなど他にある可能性があります。その場合は後述の「原因別対策マップ」を参考にしてください。

2. 枕・寝具を見直す

「枕の高さが合わない」「マットレスが柔らかすぎる」といった寝具の問題も、いびきを悪化させる要因です。首が曲がったり、気道が圧迫されたりすると呼吸がスムーズに行えなくなり、いびきが出やすくなります。

適切な枕を選ぶことで気道が自然に確保され、呼吸が楽になります。また、清潔な寝具は鼻炎やアレルギーの悪化を防ぎ、鼻づまりによるいびき対策にもつながります。

改善のコツ:

・首のカーブに合う高さ(低すぎても高すぎてもNG)
・横向き寝に対応した形状の枕を試す
・寝具をこまめに洗い、ダニやホコリを減らす

市販の「いびき防止枕」やマウスピースなどのグッズは、軽度のいびきに有効な場合があります。ただし、すべての人に効果があるわけではなく、逆に合わないと首や顎に負担をかけることもあるため注意が必要です。「グッズに頼っても効果がない」と感じた場合は、無理に使い続けずに医療機関へ相談してください。

👉 関連記事:睡眠時無呼吸症候群に効く枕の選び方とおすすめ5選

3. 生活習慣を改善する

いびきは生活習慣と深く関係しています。睡眠環境を整えるとともに、次の習慣を見直すことが効果的です。

改善ポイント:

飲酒を控える: 就寝前のアルコールは喉の筋肉を弛緩させ、舌の沈下を招きやすくする
禁煙: 喫煙は喉や鼻の粘膜を炎症させ、気道を狭める
減量: 体重を5〜10%減らすだけで気道が広がり、いびきが改善する例がある
規則正しい睡眠: 睡眠不足は筋肉を緩ませ、いびきを助長する
ストレス管理: ストレスによる自律神経の乱れは呼吸を浅くし、いびきを悪化させる

生活習慣の改善は一朝一夕で効果が出るものではありませんが、続けることでいびきだけでなく全身の健康に大きなメリットをもたらします。

👉 関連記事:ストレスが原因でいびきが悪化する仕組みと改善法

セルフ改善法の限界と次のステップ

横向き寝・寝具改善・生活習慣の見直しは、軽度〜中度のいびきに特に効果的です。しかし、すでに睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合や、重度のいびきが続く場合はセルフケアだけでは改善しません。

セルフ対策を数週間試しても効果がない場合は、次章の「原因別対策マップ」で自分に合った方法を確認し、それでも改善が見られなければ医療機関を受診しましょう。

原因別対策マップ

原因別対策マップ

ここまでで、いびきの主な原因を6つ解説しました。以下の表は、代表的な原因6つを縦軸に、セルフケア・市販グッズ・医療治療を横軸にまとめた原因別対策マップです。

原因 セルフケア 市販グッズ 医療治療
肥満 食事改善・運動・減量 ダイエット補助グッズ 生活習慣病治療・減量指導
鼻づまり 寝室環境改善・加湿・アレルゲン対策 点鼻薬・鼻腔拡張テープ 鼻炎治療・手術(鼻中隔矯正など)
扁桃腺など喉の肥大 横向き寝・生活習慣の見直し 口閉じテープ・マウスピース 耳鼻咽喉科での診察・必要に応じて部分切除
舌の沈下 横向き寝・舌筋トレ いびき防止枕・下顎前方移動装置 口腔内装置(マウスピース)
睡眠姿勢(仰向け寝) 抱き枕・体位保持 体位保持ベルト・姿勢矯正グッズ 体位療法の指導
睡眠時無呼吸症候群(SAS) 減量・飲酒制限 鼻マスクCPAP・マウスピース CPAP療法・外科手術
監修医
木村真聡

全体像を把握したら、自分の状況に合ったそれぞれのアプローチを確認してみましょう。

肥満が原因の場合

首回りや舌の根元の脂肪が気道を圧迫するため、まずは減量が最も効果的な対策です。軽いウォーキングや食事管理から始めても構いません。体重を10〜15%減らすことで中等度肥満患者の睡眠時無呼吸症候群の重症度が50%改善することが報告されており、5%程度の軽度な体重減少でも呼吸イベントの減少効果が期待できます。

市販のダイエットグッズはあくまで補助的なものであり、基本は医師や栄養士の指導に基づいた減量が安心です。高血圧や糖尿病を合併している場合は、内科的治療と並行して減量に取り組むことが大切です。

鼻づまりが原因の場合

アレルギーや慢性鼻炎による鼻づまりは、寝室環境の改善や加湿器の使用、寝具の清潔保持などセルフケアで軽減できます。花粉症の季節には空気清浄機やマスクも有効です。

市販の鼻腔拡張テープや点鼻薬も一定の効果が期待できますが、長期使用は副作用のリスクがあるため注意が必要です。効果が不十分な場合は耳鼻咽喉科での診察を受け、薬物療法や外科的手術(鼻中隔矯正術など)を検討します。

扁桃腺など喉の肥大が原因の場合

扁桃腺(口蓋扁桃)やアデノイド(咽頭扁桃)、口蓋垂(のどちんこ)が大きいと、気道が狭くなり、いびきの原因となります。軽度であれば横向き寝や生活習慣の見直しによって症状が和らぐこともあります。

ただし、これらの組織の肥大はセルフケアや市販グッズでの改善に限界があり、特に小児では睡眠の質や成長に影響することがあります。そのため、改善が見られない場合や症状が重い場合は、耳鼻咽喉科での診察を受けることが大切です。必要に応じて、扁桃摘出術やアデノイド切除術、口蓋垂の部分切除といった外科的治療が検討されます。

舌の沈下が原因の場合

仰向け寝の姿勢や飲酒によって舌が沈下し、いびきをかくケースです。セルフケアとして横向き寝や舌の筋力を鍛えるトレーニング(舌を上顎につける運動など)が効果的です。

市販の「いびき防止枕」や「下顎前方移動装置」は舌の沈下防止に役立ちます。歯科医院で作成するマウスピース(口腔内装置)はさらに確実性が高い治療法です。

👉 関連記事:いびきに効く舌トレーニングの方法と舌根沈下への効果の実態

睡眠姿勢が原因の場合

仰向け寝でいびきが悪化する方は、姿勢そのものを変えることが最も効果的です。セルフケアとして抱き枕を利用したり、背中にクッションを入れて横向き寝を維持したりする方法があります。

市販の体位保持ベルトや姿勢矯正グッズも販売されており、無意識に仰向けに戻るのを防いでくれます。専門医による体位療法の指導を受けるとより確実です。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)が原因の場合

SASはもっとも危険性の高いいびきの原因です。軽症であれば減量や生活習慣改善が役立ちますが、中等症以上の場合はCPAP療法(鼻に装着する機械で気道に空気を送り続ける治療)が必要です。

市販のマウスピースや鼻マスク型の補助器具で効果がある人もいますが、医療機関での診断と治療が基本です。放置すると心疾患や脳卒中のリスクが高まるため、早期受診を強くおすすめします。

医療機関での治療が必要なケース

医療機関での治療が必要なケース

セルフケアや市販グッズで改善するいびきもありますが、なかには病気が背景にあるいびきや、放置すると重大な健康被害につながるケースも存在します。ここでは、どのような場合に医療機関を受診すべきか、診療科の選び方、具体的な治療法について解説します。

こんなときは医療機関を受診しましょう

以下の症状がある場合は、セルフケアに頼らず早めに専門医へ相談してください。

・睡眠中に呼吸が止まっていると家族から指摘された
・日中に強い眠気があり、仕事や運転に支障がある
・高血圧や糖尿病などの生活習慣病を抱えている
・いびきが長期間改善せず、生活の質が著しく低下している
・小児で扁桃肥大やアデノイド肥大があり、成長や発達に影響が出ている

これらは「命に関わるいびき」のサインです。特に睡眠時無呼吸症候群(SAS)が疑われる場合は、早期診断と治療が重要です。

受診すべき診療科

いびきの原因によって、受診すべき診療科は異なります。

耳鼻咽喉科: 鼻づまり、扁桃肥大、アデノイド肥大など喉や鼻に原因がある場合
睡眠外来: 睡眠時無呼吸症候群や原因が不明な場合。専門的な検査が可能です
歯科(睡眠歯科): マウスピースによる治療を希望する場合
内科: 高血圧・糖尿病など生活習慣病と関連する場合

まずは耳鼻咽喉科や睡眠外来で診察を受け、必要に応じて他科と連携した治療が行われるのが一般的です。

医療機関で行われる主な検査

診断のためには、以下のような検査が行われます。

問診・視診: 生活習慣や既往歴、口腔・鼻腔の状態を確認
簡易睡眠検査: 自宅で機械を装着して、睡眠中の呼吸や酸素濃度を測定
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG): 医療機関で一晩泊まり、脳波・呼吸・心電図などを詳しく調べる

特にPSGは睡眠時無呼吸症候群の確定診断に必須とされており、治療方針の決定に直結します。検査結果(AHI値)に応じて、CPAP療法や口腔内装置、外科的治療が段階的に選択されます。

主な治療法

日本呼吸器学会「睡眠時無呼吸症候群診療ガイドライン2020」では、以下の治療法が推奨されています。このガイドラインは36の臨床的疑問(CQ)を含む包括的な診療指針として作成されています。

第一選択:CPAP療法(中等症以上の症例)

中等症以上(無呼吸低呼吸指数[AHI]が20以上)の症例に対して、最も有効かつ標準的な治療法として推奨されています。寝ている間に鼻マスクを通じて一定の圧力の空気を送り込み、気道の閉塞を防ぐことで、無呼吸を改善します。日中の眠気や集中力低下の改善効果が高く、長期的に継続することが重要です。医療機関での定期的なフォローアップが必要になります。

代替治療:口腔内装置、減量療法、体位療法

CPAPが使えない方や、軽症のSASの場合は、以下の代替治療が検討されます。生活習慣の改善や体位の工夫も効果的です。

治療法 概要 対象 メリット 注意点
口腔内装置(マウスピース) 下顎を前方に固定し、気道を広げる装置。歯科で作製。 軽症〜中等症の患者 携帯が簡単で、CPAPに比べて装着感が軽い。 歯並びや顎関節の状態によって使用が難しい場合がある。
減量療法 肥満が原因の場合、体重を減らすことで気道の閉塞を軽減。 BMIが高い患者 無呼吸以外にも生活習慣病の改善効果がある。 長期的な生活習慣の改善が必要で、即効性は低い。
体位療法 仰向けで寝ると悪化するタイプの人に有効。横向きで寝る訓練を行う。 体位依存性SAS(軽症例) 薬や機器を使わずにできる。 姿勢維持が難しく、効果が安定しにくい。

外科治療:耳鼻咽喉科手術、顎顔面外科手術

解剖学的な問題(扁桃肥大や鼻閉など)が原因で気道が狭くなっている場合、外科的治療が選択されることがあります。CPAPや口腔内装置で改善しない場合に検討されます。

手術の種類 概要 対象 メリット 注意点
耳鼻咽喉科手術 鼻や喉の気道を物理的に広げる。 扁桃肥大、鼻中隔弯曲、口蓋垂の過長など 根本的に気道を改善できる可能性がある。 再発や術後の腫れ・痛みがある場合もある。
顎顔面外科手術 下顎を前方に移動し、気道の構造を広げる。 骨格的要因で重度の閉塞がある症例 高い改善効果が期待できる。 入院・全身麻酔が必要で、回復に時間がかかる。

睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の重症度や原因によって最適な方法が異なります。CPAPが標準治療とされていますが、口腔内装置、体位療法、外科治療など、個々の生活スタイルや体の状態に合わせた治療選択が重要です。

スリープメディカルクリニックの専門治療と特徴

スリープメディカルクリニックは長年のいびきのお悩みを解決する専門クリニックです。ぐっすり眠る男性の写真付き。

私たちスリープメディカルクリニックは、「いびき」や「睡眠時無呼吸症候群」に悩む患者様に対して、最新の医療技術と専門的知見に基づいたオーダーメイド治療を行う、いびき治療専門クリニックです。単にいびきを止めるだけでなく、「睡眠の質を根本から改善し、生活全体の質(QOL)を高める」ことを目的としています。

当院で治療された方の多くが「朝の目覚めが変わった」「仕事の集中力が戻った」と実感されています。特に、いびきの原因が多様化している現代において、当院の強みは一人ひとりに最適化された治療プランです。

最新レーザー治療「スノアレーズ」

いびき治療の中心となるのが、当院で提供するレーザー治療「スノアレーズ」です。喉や口蓋の粘膜にレーザーを照射し、たるんだ組織を引き締めて気道を広げることで、いびきの改善を目指します。

メスを使わないため痛みが少なく、施術時間はわずか約15分。施術後のダウンタイムもほとんどなく、日常生活にすぐ戻ることができます。さらに、照射設定を患者様ごとに調整するため、高い効果と安全性を両立しています。初回はトライアル価格21,780円(税込)で体験できるため、初めての方でも安心してお試しいただけます。

睡眠時無呼吸症候群には「CPAP療法」も対応

睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」に対しては、医学的に有効性が確立されたCPAP療法を提供しています。鼻マスクから一定の空気圧を送り込み、気道の閉塞を防ぐ治療法です。当院では機器導入、継続フォローまでを一貫してサポートしています。

患者様の声

スリープメディカルクリニックでは、これまで2万人以上の患者様がいびきや睡眠時無呼吸の治療を受けられています(2025年現在)。

以下は、実際にGoogleマップへ投稿された口コミを要約・編集したものです。
※内容は個人の感想であり、すべての方に同様の結果を保証するものではありません。

✅「今まで気になっていたいびきを治療するために検索して来院しました。スタッフの方も親切で話しやすく、親しみやすい場所です。2回目の治療後から朝方の眠気がなくなり、体の重だるさも無くなりました。」

「ネットで検索して契約しました。日によって痛みを感じることもありますが、耐えられるレベルです。スタッフさんが親切で丁寧なので安心して通えます。」

「麻酔がすぐ効いて、15〜20分ほどの施術でした。パチパチとした照射も痛みがなく、施術後の写真を見せてもらったら喉の奥がかなり変わっていて驚きました!」

「親切丁寧で予約も取りやすく、体感でいびきの大きさが減ったと思います。もう少し近くにあったら嬉しいです。」

スリープメディカルクリニックでは、「いびきの原因は一人ひとり異なる」という前提のもと、最新の医療機器と豊富な臨床経験に基づいて治療を行っています。いびきや無呼吸にお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

よくある質問(FAQ)

いびきについて理解が深まったとしても、「自分の場合はどうなのか?」「市販グッズは本当に効果があるのか?」など、まだ気になる点がある方も多いでしょう。ここでは、実際によく寄せられる質問をもとに、医師監修のもとでわかりやすく回答します。記事本文では触れきれなかった細かな疑問も解消できるはずです。

Q1. いびきは病気のサインですか?

はい。いびきは単なる習慣や疲労のサインであることもありますが、睡眠時無呼吸症候群など重大な病気の前兆である可能性もあります。特に「呼吸が止まっている」「日中に強い眠気がある」といった症状がある場合は、放置せず医療機関を受診することをおすすめします。

Q2. 女性でもいびきをかきますか?

いびきは男性に多い傾向がありますが、女性でも閉経後はホルモンバランスの変化により増加します。また、肥満や鼻づまり、ストレスなどがあると年代に関係なく女性もいびきをかきやすくなります。いびきは性別を問わず発生する可能性があるため注意が必要です。

Q3. 子どものいびきは心配ですか?

子どものいびきの多くは一時的な鼻づまりによるものですが、扁桃肥大やアデノイド肥大が原因の場合、成長や発達に悪影響を及ぼすことがあります。睡眠中に呼吸が止まっている、口呼吸が続くなどの症状があれば、小児科や耳鼻咽喉科での診察をおすすめします。

Q4. いびき防止グッズは効果がありますか?

市販のいびき防止枕、鼻腔拡張テープ、マウスピースなどは軽度のいびきには一定の効果が期待できます。ただし、原因に合っていないと改善しないことも多く、重度のいびきや睡眠時無呼吸症候群には根本的な解決にはなりません。グッズを使用しても改善が見られない場合は医師の相談が必要です。

Q5. いびきを放置するとどうなりますか?

いびきを長期間放置すると、睡眠の質が低下して慢性的な疲労や集中力の低下を招きます。さらに、睡眠時無呼吸症候群を伴う場合は高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳卒中のリスクが大幅に上昇します。放置は健康被害につながるため、早めの対処が重要です。

Q6. 病院でいびきは治せますか?

はい。医療機関では原因に応じて、マウスピース治療、CPAP療法、外科手術などの選択肢があります。肥満が原因であれば減量指導や生活習慣改善も行われます。セルフケアで改善が難しい場合でも、医師の診断に基づいた治療で多くの方が改善を実感しています。

まとめ:いびきの原因を知り、今日からできる対策を始めましょう

まとめ:いびきの原因を知り、今日からできる対策を始めましょう

いびきは単なる生活の不便ではなく、健康に直結する重要なサインです。本記事では以下の流れで、いびきの全体像を整理しました。

・セルフチェック表で自分の「いびきの重症度」を把握できる
・主な原因は肥満・鼻づまり・喉の肥大・舌の沈下・睡眠姿勢・睡眠時無呼吸症候群の6つ
・横向き寝・枕の調整・生活習慣改善といった「今日からできる対策」で軽度のいびきは改善可能
・原因別対策マップを使えば、自分に合った具体的な改善法が一目でわかる
・セルフケアで改善しない場合や重度のいびきは、医療機関での治療が必要

大切なのは、「いびきを放置しないこと」です。放置すればするほど症状は悪化し、睡眠時無呼吸症候群や心疾患・脳血管疾患といった重大な病気につながるリスクが高まります。

次に取るべきアクション

この記事を読んだあなたに、ぜひ今日から実践してほしい行動をまとめます。

1.まずはセルフチェック表で自分の状態を確認する
2.該当する原因を特定し、原因別対策マップで最適な方法を試す
3.横向き寝や枕調整、飲酒制限など「今日からできる改善法」を生活に取り入れる
4.改善が見られない、もしくは重度のいびきと判定されたら早めに医療機関を受診する

医師への相談が安心への近道

セルフケアで効果があればそれが理想ですが、改善が難しい場合は医療機関での相談が最も安心で確実です。当院では睡眠専門医がチームで診療を行い、あなたに合った治療法を提案しています。

「呼吸が止まっていると指摘された」「強い眠気で日常生活に支障がある」など不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。いびきは必ず改善できます。まずは今日から、できることから一歩を踏み出しましょう。

重要な注意事項

・本記事の情報は一般的な医学情報の提供を目的としており、個別の診断や治療の代替となるものではありません。
・いびきや睡眠時無呼吸症候群の診断・治療は、必ず医療機関で専門医の診察を受けてください。
・治療法の選択に際しては、複数の医療機関でのセカンドオピニオンを強く推奨します。
・日本呼吸器学会などの学会ガイドラインも参考にして、ご自身に最適な治療法を選択してください。
・当院での治療を検討される場合は、他の治療選択肢との比較検討を十分に行った上でご判断ください。

監修医
木村真聡
監修医
木村真聡

大阪大学医学部を卒業後、大学病院や一般病院での臨床経験を経てレーザー治療を中心に専門性を磨き、日本レーザー医学会認定医1種や日本抗加齢医学会専門医の資格を取得。その豊富な実績が評価され、某大手クリニックで総院長を務めるなど、10年以上にわたり医療の最前線で活躍しています。また、著書『医師が教える最強のメンズ美容ハック』(幻冬舎)などを通じて、レーザー治療や健康管理に関する情報を積極的に発信。現在は、その長年の知見と技術力を活かし、いびきのレーザー治療クリニックを監修し、患者一人ひとりの悩みに寄り添った安全かつ効果的な治療を提供しています。

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