風邪でいびきがひどくなる原因は?大人・子供の対処法と受診目安
風邪をひいたときだけいびきが出る、あるいは普段より音が大きくなることがあります。
主な理由は、鼻水や鼻粘膜の腫れで鼻から空気を取り込みにくくなり、口呼吸へ切り替わりやすくなるためです。喉や扁桃の腫れが重なると、睡眠中の空気の通り道がさらに狭くなり、いびきが強くなる場合もあります。
こうしたいびきは、風邪の改善に伴って軽くなることも少なくありません。ただし、呼吸が何度も止まる、胸やみぞおちがへこむように呼吸する、唇や顔色が悪い、強い息苦しさがあるといった症状は、単なるいびきとは分けて考える必要があります。
特に赤ちゃんや子供は状態が変化しやすいため、保護者が「いつもと違う」と感じたときは、早めに医療機関へ相談してください。
また、風邪が治った後も毎晩いびきが続く場合は、鼻炎や扁桃・アデノイドの問題、睡眠時無呼吸症候群など、風邪以外の原因が隠れている可能性があります。
本記事では、風邪でいびきが出る仕組み、大人と子供それぞれの対処法、注意したい呼吸のサイン、受診先の選び方まで分かりやすく解説します。
風邪をひくと、なぜいびきが出る・ひどくなるのか

風邪のときにいびきが出たり、普段より音が大きくなったりする背景には、鼻と喉の両方の変化が関係しています。
ここでは、鼻づまりから口呼吸へ移る流れと、空気の通り道が狭くなる仕組みを順に見ていきましょう。
鼻の粘膜が腫れて空気の通り道が狭くなる
風邪をひくと、ウイルスなどに対する炎症反応によって鼻の粘膜が腫れ、鼻水も増えます。その結果、鼻の中の空気が通る空間が狭くなり、普段より鼻呼吸をしにくくなることがあります。
狭い場所を空気が通ると、周囲の組織が振動しやすくなります。睡眠中は起きているときより筋肉が緩むため、風邪をひいている間だけ呼吸音やいびきが目立つこともあります。ただし、鼻づまりの程度やいびきへの影響には個人差があり、風邪だけが原因とは限りません。
風邪による鼻づまりは急性で、発熱や喉の痛み、咳などを伴うことがあります。一方、季節を問わず鼻づまりを繰り返す場合や、くしゃみ・目のかゆみが続く場合は、アレルギー性鼻炎など別の原因が重なっている可能性もあります。
慢性的な鼻づまりや鼻炎といびきの関係については、以下の記事で詳しく解説しています。
鼻づまりで口呼吸になり、喉が振動しやすくなる
鼻から十分に空気を取り込めないと、口を開けて呼吸しやすくなります。口呼吸になると、舌や軟口蓋など喉の周辺を空気が通り、それらの組織が振動していびきが生じやすくなります。軟口蓋とは、上あごの奥にある柔らかい部分です。
さらに仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉側へ下がり、空気の通り道が狭くなる場合があります。もっとも、いびきのすべてが口呼吸で起こるわけではありません。鼻づまり、体格、飲酒、寝姿勢など、複数の要因が重なって音が大きくなることもあります。
口呼吸が続くと、起床時に口や喉の乾燥、ヒリヒリした痛みを感じることもあります。これは風邪そのものによる喉の炎症と重なるため、「いびきで喉が痛い」のか「風邪で喉が痛い」のかを家庭で区別しにくい場合があります。
睡眠中の口呼吸が気になる場合は、原因や改善の考え方も確認しておきましょう。
喉や扁桃の腫れもいびきを悪化させる
風邪では鼻だけでなく、喉や扁桃の周辺にも炎症が起こることがあります。粘膜が腫れると上気道、つまり鼻から喉にかけての空気の通り道が狭くなり、いびきが強くなる可能性があります。もともと扁桃が大きい人では、風邪をきっかけに普段より音が目立つこともあります。
喉の腫れがあると、空気が通るたびに周囲の組織が振動しやすくなります。鼻づまりと喉の腫れが同時に起こると、鼻呼吸のしづらさと口呼吸が重なり、いびきが一時的に大きくなることがあります。
なお、喉の強い痛み、飲み込みにくさ、呼吸のしづらさ、よだれが増えるといった症状がある場合は、内科や耳鼻咽喉科などへ相談してください。
風邪による一時的ないびきと、慢性的ないびきの違い
風邪によるいびきは、鼻水や鼻づまり、喉の腫れが改善するにつれて軽くなる場合があります。
ただし、風邪が治る前からいびきをかいていた、風邪の症状が落ち着いても毎晩続く、呼吸が止まるような時間がある場合は、別の原因も考える必要があります。
慢性的な鼻炎、扁桃やアデノイドの大きさ、体重や顎の形、睡眠時無呼吸症候群などが関係する可能性もあります。風邪を境にいびきが始まったように見えても、実際には以前からあったいびきに家族が気づいたケースもあります。
経過を見るときは、風邪症状と一緒にいびきが軽くなっているか、風邪のない日にも続いていないか、呼吸停止や日中の強い眠気がないかを確認しましょう。改善傾向がない場合や、本人・家族が気になる症状を伴う場合は、医療機関への相談を検討してください。
風邪以外に考えられる原因については、以下の記事で詳しく紹介しています。
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いびきに見えても「うなり・息苦しさ」があるときは要注意

「うなり」「ゼーゼー」「ヒューヒュー」といった音が聞こえると、通常のいびきなのか、呼吸が苦しいサインなのか判断に迷うことがあります。音だけで原因を決めつけず、呼吸の速さや胸の動き、顔色、意識の状態をあわせて確認することが重要です。
通常のいびきと、うなり声・喘鳴・異常な呼吸音の違い
通常のいびきは、睡眠中に狭くなった上気道へ空気が通る際、軟口蓋や喉の周辺組織が振動して生じる音です。多くは息を吸うタイミングに合わせて聞こえますが、音の大きさやリズムだけで安全かどうかを判断することはできません。
一方、「うなり」は医学的に一つの状態を示す言葉ではありません。寝言のような声、息を吐くときのうめき声、痰が絡む音、苦しさに伴う声などを、家族がまとめて「うなっている」と表現している場合があります。
また、ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴は、気道が狭くなったときに生じる呼吸音であり、喉の組織が振動するいびきとは仕組みが異なります。
音の種類を家庭だけで正確に見分けるのは難しいため、胸やみぞおちが呼吸のたびにへこんでいないか、息が極端に速くないか、呼吸が途切れていないか、顔色が悪くないかを確認しましょう。呼びかけへの反応が鈍い、会話が難しいほど息苦しいといった変化があれば、音の名称にこだわらず医療機関へ相談してください。
いびきとゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴の見分け方は、以下の記事でも詳しく解説しています。
大人ですぐ受診を検討した方がよい症状
大人では、次のような症状がみられる場合、単なる風邪やいびきとして様子を見ないことが大切です。
- 急な息切れや明らかな呼吸困難がある
- 顔色が著しく悪化している
- 意識がぼんやりしている
- 呼吸停止を繰り返している
- 胸の中央が締め付けられるように痛む
- 呼吸音が急激に悪化している
- 高熱があり、ぐったりしている
本人が普段どおり話せるか、横になっても呼吸が楽にならないか、冷や汗や強いふらつきがないかも確認してください。
緊急性が高いと感じる場合は、夜間や休日であっても救急要請を検討します。迷ったときは、実施地域では救急安心センター「#7119」などの救急相談窓口を利用し、症状に応じた行動を確認しましょう。
赤ちゃん・子供ですぐ受診を検討した方がよい症状
赤ちゃんや子供では、いびきの音量よりも、呼吸の様子と全身状態を優先して確認します。次のような変化がみられる場合は、呼吸が苦しくなっている可能性があります。
- 鎖骨の上(首と肩の間)、肋骨の下、みぞおちなどが、息をするたびにへこむ
- 肩を大きく上下させながら呼吸している
- 唇が紫色になっている
- 呼びかけへの反応が弱い
- ミルクや水分を十分に取れない
- 呼吸が速くて眠れない
- ぐったりしている
- 呼吸が何度も止まる
子供は短時間で状態が変化することがあるため、保護者が「いつものいびきと違う」「明らかに苦しそう」と感じた場合は、自己判断で長く様子を見ず、小児科や耳鼻咽喉科、必要に応じて救急医療へ相談してください。
受診時に役立つ睡眠中の動画の撮り方
呼吸状態に緊急性がなく、撮影できる余裕がある場合は、睡眠中の動画が診察の参考になることがあります。顔だけではなく、胸やお腹の動きが分かる角度から、顔色も確認できる明るさで撮影します。いびきが続く場面に加え、音が変わる、呼吸が途切れる、体を大きく動かすといった場面があれば記録しておきましょう。
動画とあわせて、症状が始まった時期、発熱、鼻づまり、咳、服用している薬、呼吸停止が疑われた回数などをメモすると状況を伝えやすくなります。
ただし、撮影は診断の代わりにはなりません。顔色不良や強い息苦しさ、反応低下などがある場合は、録画を優先せず、医療機関への連絡や救急要請を優先してください。
大人の風邪によるいびきへの対処法

風邪によるいびきを軽くするには、いびきの音だけを抑えようとするのではなく、鼻づまりや喉の乾燥を和らげ、呼吸しやすい環境を整えることが基本です。
ただし、市販薬や点鼻薬、口閉じテープには注意点があります。無理のない範囲で行える対処法を確認しましょう。
加湿・水分補給・鼻のケア
風邪で鼻が詰まっているときは、寝室が乾燥しすぎないように調整します。
室内の相対湿度は、快適性の目安として40〜60%程度が挙げられます(厚労省の建築物環境衛生管理基準では40〜70%)。室温や住宅環境によって適切な範囲は異なります。
窓の結露や壁の湿気が目立つ場合は加湿しすぎている可能性があるため、加湿器の設定を下げ、換気してください。
発熱や口呼吸があると水分を失いやすく、口や喉の乾燥も強くなります。水や白湯などを少量ずつ取り、喉を乾燥させないようにしましょう。ただし、心臓や腎臓の病気などで水分制限を受けている方は、自己判断で摂取量を増やさず、主治医の指示に従ってください。
鼻の中が乾燥している場合は、生理食塩水を使った鼻用スプレーなどが選択肢になります。鼻うがいを行う場合は、製品の説明に従い、衛生的な器具と適切な水を使用します。強い鼻づまりや痛みが続く場合は、セルフケアだけで長く様子を見ず、耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。
横向き寝と上半身を少し高くする方法
仰向けで寝ると、重力の影響で舌が喉側へ下がり、空気の通り道が狭くなる場合があります。
寝返りを妨げない範囲で横向きになると、いびきが軽くなることがあります。抱き枕や背中に置くクッションを使い、無理なく姿勢を保つ方法もあります。
鼻水が喉へ流れ込む感じや咳があるときは、枕だけを高くするのではなく、上半身全体を少し起こすように調整しましょう。首が強く曲がる高さでは、かえって呼吸しづらくなることがあるため注意してください。
横向き寝を続けるための工夫や、いびきをかきにくい寝姿勢については、以下の記事で詳しく解説しています。
また、いびき対策を考えた枕の高さや選び方については、以下の記事も参考にしてください。
飲酒・喫煙を避ける
飲酒すると口や喉の周辺にある筋肉が緩み、睡眠中の空気の通り道が狭くなりやすいため、いびきが強くなる可能性があります。風邪で眠りにくいときでも、寝酒は避けましょう。アルコールは睡眠を浅くし、夜中に目が覚めやすくなることもあります。
喫煙による煙は鼻や喉の粘膜を刺激し、炎症や不快感を悪化させる可能性があります。少なくとも風邪の症状がある間は喫煙を避け、受動喫煙にも注意してください。
市販薬や点鼻薬を使うときの注意点
市販の風邪薬には、解熱鎮痛成分、鼻水を抑える成分、咳を抑える成分などが複数含まれていることがあります。別の薬と一緒に使うと同じ成分を重ねて服用する場合があるため、商品名だけでなく成分欄を確認してください。
眠気が出る薬もあるため、服用後の運転や機械操作に関する注意も守りましょう。
鼻粘膜の血管を収縮させるタイプの点鼻薬は、短期的に鼻の通りをよくすることがありますが、長期または頻回に使用すると効きにくくなったり、かえって鼻づまりが悪化したりする場合があります。使用回数や期間は添付文書に従い、改善しない場合は医師や薬剤師へ相談してください。
参照:医薬品医療機器総合機構(PMDA)「一般用医薬品・要指導医薬品 添付文書等情報検索」
また、妊娠中・授乳中の方、持病がある方、ほかの薬を使用している方は、自己判断で選ばないことが大切です。風邪によるいびきを薬だけで止めようとせず、鼻づまりや喉の症状に合った対処を確認しましょう。
いびきに使用される市販品や点鼻薬の違いについては、以下の記事をご覧ください。
鼻づまりがあるときに口閉じテープを避ける理由
口閉じテープは、睡眠中に口が開くのを物理的に抑える製品ですが、風邪で鼻が詰まっているときに使用すると、呼吸しづらくなる可能性があります。鼻呼吸が十分にできない間は使用を避けてください。子供には使用せず、保護者の判断だけで試さないことが重要です。
慢性的な口呼吸や大きないびき、呼吸停止が疑われる場合は、テープで口を閉じて様子を見るのではなく、鼻や喉の状態、睡眠時無呼吸症候群の可能性を医療機関で確認しましょう。
口閉じテープと鼻腔拡張テープの違いや、期待できる効果、使用時の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
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赤ちゃん・子供が風邪でいびきをかくときの見方

子供が風邪をひいた夜にいびきをかくと、保護者は「鼻づまりの影響なのか」「受診が必要なのか」と不安になりやすいものです。子供では音の大きさだけでなく、呼吸の速さや胸の動き、顔色、水分を取れているかなどを年齢に応じて確認しましょう。
赤ちゃん・0〜2歳は呼吸と哺乳状態を確認する
赤ちゃんや乳幼児は体が小さく、鼻や空気の通り道も細いため、風邪による鼻水や粘膜の腫れがあると呼吸音が目立つことがあります。ただし、「赤ちゃんのいびきはよくあるから大丈夫」と決めつけるのは避けましょう。いびきの音量だけでは、呼吸の負担を判断できません。
寝ているときは、呼吸の回数が普段と比べて明らかに増えていないか、鎖骨の上や肋骨の下、みぞおちが息をするたびにへこんでいないかを確認します。肩を大きく上下させる、唇が紫色に見える、呼びかけへの反応が弱いといった変化がある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
起きているときの様子も大切です。ミルクや水分をいつものように取れるか、途中で息苦しそうに何度も休まないか、尿量が極端に減っていないか、ぐったりしていないかを見ます。月齢や基礎疾患によって必要な対応は異なるため、気になる変化があれば小児科などへ相談しましょう。
乳幼児に大人用の枕や口閉じテープを使ったり、市販の風邪薬を保護者の判断だけで与えたりすることは避けてください。自宅でできることは、室内を乾燥させすぎず、呼吸しやすい環境を整えながら状態を観察することです。
2〜6歳頃はアデノイドや扁桃の影響にも注意する
2〜6歳頃は、鼻の奥にあるアデノイドや喉の左右にある扁桃が比較的大きくなる時期です。風邪などの感染症で周辺が腫れると、鼻づまりや口呼吸が強くなり、普段よりいびきが目立つ場合があります。
風邪をひいている間だけいびきが出て、鼻水や発熱の改善とともに音も軽くなるのであれば、一時的な変化の可能性があります。
一方、風邪をひいていない日も毎晩いびきをかく、口を開けて眠る、何度も目を覚ます、寝汗が多いといった状態が続く場合は、風邪以外の要因も考える必要があります。
アデノイドは鼻の奥にあるため、口の中を見ただけでは大きさを確認できません。また、扁桃が大きく見えるかどうかだけで、睡眠中の呼吸への影響を判断することも困難です。「アデノイドが大きいはず」などと自己判断せず、小児科や耳鼻咽喉科で鼻や喉の状態を確認してもらいましょう。
学童期は風邪後も続くいびきと日中症状を確認する
学童期では、風邪の症状が落ち着いた後にいびきも軽くなっているかを確認します。鼻水や咳が治まっているのに毎晩大きないびきが続く、睡眠中に呼吸が止まる、何度も目を覚ますといった様子があれば、睡眠中の呼吸が妨げられている可能性があります。
夜間の様子だけでなく、朝起きにくい、起床時に頭痛や口の乾きを訴える、日中に眠そうにする、集中しにくい、普段より落ち着きがないといった変化も記録しておきましょう。こうした症状は睡眠時無呼吸症候群だけにみられるものではないため、行動の変化だけで病気を決めつけることはできません。
体格や鼻炎、扁桃・アデノイドなど、いびきには複数の要因が関係します。風邪後も改善しないいびきに日中の変化が重なる場合は、睡眠時間や生活習慣だけの問題と考えず、小児科や耳鼻咽喉科などへ相談してください。
家庭で様子を見られる場合と受診する場合
子供の風邪といびきへの対応は、呼吸状態や全身の様子、風邪の回復に伴う変化によって異なります。家庭で様子を見られる場合と、医療機関へ相談した方がよい場合の目安を以下にまとめます。
| 子供の状態 | 対応の目安 |
|---|---|
| 鼻づまりに伴う軽いいびきのみで、機嫌がよく水分も取れている | 呼吸状態を観察しながら休ませる |
| 風邪が治ってもいびきが続く、毎晩大きないびきをかく | 小児科や耳鼻咽喉科へ相談する |
| 呼吸停止、陥没呼吸、顔色不良、反応低下、水分が取れない | 速やかに医療機関へ相談する |
上の表は一般的な目安であり、年齢、持病、症状の経過によって対応は異なります。表の「経過観察」に当てはまっても、症状が悪化する場合や、保護者がいつもと違うと感じる場合は医師へ相談してください。
参照:厚生労働省「子ども医療電話相談事業(#8000)について」
風邪以外の原因や子供のいびきに対する検査・治療については、以下の記事で詳しく解説しています。
風邪が治ってもいびきが続くときに考えられる原因

風邪の症状が落ち着いたのにいびきだけが残る場合、鼻や喉の炎症がまだ続いていることもあれば、風邪をきっかけに以前からあった別の原因へ気づくこともあります。
いびきの経過と併発症状を確認し、必要に応じて適切な診療科へ相談しましょう。
鼻炎や副鼻腔炎などで鼻づまりが残っている
風邪の後も鼻づまりや鼻水が続くと、鼻から空気を取り込みにくい状態が残り、いびきが続くことがあります。風邪をきっかけに副鼻腔へ炎症が広がったり、もともとあったアレルギー性鼻炎の症状が目立ったりする場合もあります。
鼻づまりに加えて、粘り気のある鼻水、頭が重い感じ、においが分かりにくい、頬や額の痛みなどが続く場合は、副鼻腔炎なども考えられます。ただし、鼻水が黄色や緑色であっても、色だけで原因や抗菌薬の必要性を自己判断しないことが大切です。
風邪が治ったと思っても鼻の症状がすっきりしない、いびきが改善しない場合は、耳鼻咽喉科などへ相談してください。鼻炎や副鼻腔炎の詳しい診断には、鼻の中の診察や必要に応じた検査が行われます。
扁桃・アデノイドなど別の原因が隠れている
風邪を機にいびきが始まったように見えても、以前からあった原因に家族が気づいた可能性があります。子供ではアデノイドや扁桃、大人では扁桃の大きさ、慢性的な鼻づまり、体重、舌や顎の形など、複数の要因が空気の通り道に影響します。
とくに子供で、風邪をひいていない日も毎晩いびきをかく、口を開けて眠る、寝汗が多い、何度も目を覚ますといった状態が続く場合は、アデノイドや扁桃の影響を含めて評価が必要になることがあります。ただし、喉を見ただけで原因や重症度を家庭で判断することはできません。
また、原因によって必要な検査や治療、相談先は異なります。
睡眠時無呼吸症候群を疑う症状
風邪の症状が落ち着いた後も大きないびきが毎晩続き、改善する様子がない場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も確認します。家族から呼吸停止を指摘される、大きないびきの後に静かな時間があり、再び大きく息をするといった様子は、受診を考える手がかりになります。
大人では、日中の強い眠気、起床時の頭痛、夜間頻尿、朝の口の渇きなどを伴うことがあります。子供では、寝汗や頻回の覚醒に加え、集中しにくい、落ち着きがないなどの変化として現れる場合もあります。ただし、これらの症状だけで睡眠時無呼吸症候群と診断することはできません。
確定診断には睡眠中の呼吸状態を調べる検査が必要です。呼吸停止や日中症状がある場合は、検査に対応する医療機関へ相談してください。
睡眠時無呼吸症候群が気になる場合は、代表的な症状を確認して受診時に伝えられるようにしておきましょう。
成人と子供で異なる受診先
受診先は、年齢と主な症状によって選びます。大人で鼻づまりや喉の違和感が残っている場合は耳鼻咽喉科、呼吸停止や強い日中の眠気がある場合は、睡眠外来、呼吸器内科、睡眠検査に対応する耳鼻咽喉科などが相談先になります。
子供は小児科や耳鼻咽喉科へ相談し、風邪後も続くいびき、呼吸停止、睡眠中の様子、日中の変化を伝えましょう。診療科の名称や検査の対応範囲は医療機関によって異なるため、受診前に確認すると安心です。
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いびきがある人は風邪をひきやすい?口呼吸・乾燥との関係

いびきがあるからといって、風邪をひきやすくなるとは限りません。ただし、いびきに伴いやすい口呼吸によって口や喉が乾燥し、不快感が生じることがあります。
ここでは、鼻呼吸の働きや、口呼吸と乾燥の関係について解説します。
鼻呼吸が空気を加湿・ろ過する仕組み
鼻には、吸い込んだ空気を加温・加湿し、ほこりなどの異物を捕らえる働きがあります。鼻の粘膜や鼻毛を通ることで、外気はそのまま口から吸い込む場合よりも、喉や肺へ届く前に調整されます。
風邪や鼻炎で鼻が詰まると、鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸へ切り替わりやすくなります。
ただし、鼻呼吸をしていれば風邪を完全に防げるわけではありません。鼻の働きは感染予防に関わる要素の一つであり、手洗いや換気などの基本的な対策も重要です。
口呼吸で喉が乾燥しやすくなる
口呼吸では、鼻による加温・加湿を十分に受けない空気が口や喉を通ります。そのため、起床時に口が乾く、喉がヒリヒリする、声がかすれるといった不快感につながることがあります。
口呼吸を続けると、鼻呼吸時に比べて口や喉が乾燥しやすいことが一般に指摘されています。ただし、口呼吸が風邪の発症を直接増やすとは判断できません。
口呼吸と乾燥を防ぐ生活上の工夫
寝室が乾燥しすぎないよう調整し、持病による制限がなければ適度に水分を取ります。慢性的な鼻づまりがある場合は、市販薬を長期間使い続けるのではなく、耳鼻咽喉科などで原因を確認してください。
また、口呼吸を止める目的で、鼻づまりがある時に口閉じテープを使用すると、鼻から十分に空気を取り込めず呼吸しづらくなる可能性があるため、使用は避けましょう。
朝の口の乾きや大きないびきが続く、睡眠中の呼吸停止を指摘される場合は、自己流の対策だけで済ませず医療機関へ相談してください。
症状別の受診先とスリープメディカルクリニックの対応範囲

風邪に伴ういびきは、発熱や鼻づまりを診る医療機関と、睡眠中の無呼吸を検査する医療機関で相談先が異なります。
まず急性症状と呼吸の状態を確認し、そのうえで風邪の後も残るいびきについて治療の選択肢を検討しましょう。
風邪・鼻づまり・喉の腫れは内科や耳鼻咽喉科へ
発熱、咳、鼻水、強い鼻づまり、喉の痛みなど、風邪の急性症状が中心の場合は、内科や耳鼻咽喉科などへ相談します。子供では小児科も受診先になります。鼻づまりが長引く場合や、飲み込みにくさを伴う場合は、耳鼻咽喉科で鼻や喉の状態を確認してもらいましょう。
明らかな呼吸困難、顔色不良、意識がぼんやりする状態、呼吸停止などがある場合は、診療時間まで待たずに救急相談や救急受診を検討してください。風邪によるいびきかどうかよりも、現在の呼吸状態を優先して判断することが大切です。
無呼吸が疑われる場合は検査対応の医療機関へ
大きないびきに加えて、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気、起床時の頭痛などがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性を調べる必要があります。睡眠外来、呼吸器内科、検査対応の耳鼻咽喉科などへ相談しましょう。
なお、睡眠時無呼吸症候群は、症状だけでは確定できません。簡易モニターや終夜睡眠ポリグラフ検査などの客観的な検査結果をもとに、医師が診断と治療方針を判断します。
睡眠検査の結果を踏まえて検討される主な治療法や、原因・重症度に応じた治療の選び方については、以下の記事で詳しく解説しています。
子供のいびきは小児科・耳鼻咽喉科へ
子供のいびきには、風邪による鼻づまりだけでなく、アデノイドや扁桃などが関係する場合があります。風邪が治っても毎晩続くときは、小児科や耳鼻咽喉科へ相談し、睡眠中の動画や日中の変化も伝えましょう。
なお、呼吸停止、陥没呼吸、顔色不良、反応低下などがある場合は、速やかな相談が必要です。
風邪が治った後も成人の喉いびきが続く場合の選択肢|スノアレーズ
風邪や急性の鼻づまりが落ち着いた後もいびきが続き、喉や軟口蓋周辺の振動が関係すると考えられる場合は、レーザー治療が選択肢になることがあります。
当院では、喉や口蓋へレーザーを照射し、組織を引き締めることで、いびきの軽減を目指す自由診療「スノアレーズ」を行っています。
メスなどで喉の組織を切除する治療ではないため、痛みが少ないことが特徴です。治療時間は1回あたり約15分で、軟口蓋や口蓋垂などの状態に応じて照射設定を調整しながら施術します。
スノアレーズの治療内容、費用などについて詳しく知りたい方は、下記よりご確認いただけます。
⚠️スノアレーズは風邪、感染症、急性の鼻づまりを治療するものではありません。これらの症状がある場合は、まず内科や耳鼻咽喉科などへご相談ください。
風邪といびきに関するよくある質問

風邪のときのいびきについて、受診のタイミングや市販薬の使い方など、よく寄せられる疑問をまとめました。回答は一般的な目安です。症状が強い場合や、本人・家族がいつもと違うと感じる場合は、自己判断を続けず医療機関へ相談してください。
風邪をひくと毎回いびきが大きくなるのはなぜですか?
風邪をひくと、鼻の粘膜が腫れて鼻水も増えるため、鼻から空気を取り込みにくくなります。口呼吸に切り替わると、舌や軟口蓋など喉の周辺組織が振動しやすくなり、いびきが大きくなることがあります。また、喉や扁桃の腫れが影響する場合もあります。
風邪の改善とともに軽くなることがありますが、毎回非常に大きい、呼吸停止を伴う場合は医療機関へ相談しましょう。風邪をひいていない時期にも続くか確認してください。
子供が風邪のときにいびきをかいて苦しそうです。受診目安は?
いびきの音量だけでなく、呼吸と全身状態を確認してください。
胸やみぞおちが呼吸のたびにへこむ、唇や顔色が悪い、呼吸が止まる、反応が弱い、水分やミルクを取れないといった症状がある場合は、速やかに医療機関へ相談しましょう。
症状が明確でなくても、保護者が「いつもと違う」と感じる場合は、長く様子を見ず小児科や耳鼻咽喉科へ相談してください。夜間や休日でも状態が悪ければ救急相談を検討します。
風邪が治ってもいびきが続く場合は何科を受診すればよいですか?
伴っている症状によって相談先が異なります。鼻づまりや鼻水、喉の痛み・違和感などが残っている場合は、耳鼻咽喉科が主な相談先です。子供は、小児科や耳鼻咽喉科へ相談してください。
大きないびきに加えて、睡眠中の呼吸停止や日中の強い眠気などがある場合は、睡眠外来、呼吸器内科、睡眠検査に対応する耳鼻咽喉科などへ相談してください。
いびきがひどい人は風邪をひきやすいのですか?
一概にはいえません。いびきと口呼吸が同時にみられる場合、口や喉が乾燥しやすくなり、不快感につながることはあります。しかし、いびき自体が風邪の直接的な原因になると断定できるわけではありません。
風邪を繰り返す、慢性的な鼻づまりや口呼吸がある場合は、いびきだけに注目せず、鼻呼吸を妨げている原因について医療機関へ相談しましょう。
風邪のときの市販点鼻薬は使い続けても大丈夫ですか?
点鼻薬は種類によって作用と注意点が異なります。
鼻粘膜の血管を収縮させるタイプは、連用または頻回使用によって効きにくくなったり、かえって鼻づまりが悪化したりする場合があります。使用回数や期間は添付文書を守り、改善しなければ医師や薬剤師へ相談してください。
持病がある方、妊娠・授乳中の方、子供に使用する場合も事前の確認が必要です。
子供に口閉じテープを使ってもよいですか?
子供には使用しないでください。風邪や鼻づまりがある状態で口をふさぐと、呼吸しづらくなる可能性があります。
口呼吸やいびきには、鼻づまり、アデノイド、扁桃など複数の原因が考えられるため、テープだけで対処せず、小児科や耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
成人でも、風邪や鼻づまりがある間の使用は避け、無呼吸が疑われる場合は検査対応の医療機関へ相談してください。
風邪のときの「うなり」と通常のいびきはどう違いますか?
通常のいびきは、睡眠中に狭くなった上気道の周辺組織が振動して生じる音です。一方、「うなり」には、寝言のような声、息を吐くときの声、痰が絡む音、呼吸の苦しさに伴う声などが含まれます。
音だけで原因を判断することはできません。胸のへこみ、呼吸停止、顔色不良、反応低下などを伴う場合は、通常のいびきとして様子を見ず医療機関へ相談してください。
まとめ|風邪後も続くいびきや呼吸の異変は医療機関へ相談を

風邪をひくと、鼻づまりや喉の腫れによって空気の通り道が狭くなり、一時的にいびきが出たり、普段より音が大きくなったりすることがあります。寝室の乾燥を避ける、水分を取る、横向きで寝る、飲酒を控えるなど、無理のない範囲で呼吸しやすい環境を整えましょう。
子供では、いびきの音量よりも、呼吸の速さ、胸やみぞおちのへこみ、顔色、反応、水分やミルクを取れているかを確認することが大切です。呼吸停止、陥没呼吸、顔色不良、強い息苦しさなどがある場合は、通常のいびきとして様子を見ず、速やかに医療機関へ相談してください。
風邪が治った後も毎晩いびきが続く場合は、鼻炎や副鼻腔炎、扁桃・アデノイド、睡眠時無呼吸症候群など、別の原因が関係している可能性があります。症状に応じて、耳鼻咽喉科、呼吸器内科、睡眠外来、小児科などへ相談しましょう。

