【大人の快眠教室】ポイントは、明るさ・遮光・室温…快眠確定!「眠れる寝室」を作る方法
疲れているのに寝つけない、朝方に目が覚めてしまうなど、現代人の睡眠の悩みはさまざまです。睡眠改善インストラクターの資格を持つ、日本薬科大学特任教授・石川泰弘先生は、「安心して眠れる環境づくりが大切」と話します。寝室が心地良い空間になれば、快眠に一歩、近づくはずです。明るさや室温、エアコンの使い方など、ぐっすり眠るための最適な寝室作りを教えてもらいました。
いしかわ・やすひろ 日本薬科大学特任教授 博士(スポーツ健康科学)。睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員の資格を持つ。株式会社バスクリンの広報責任者を経て、現在は日本薬科大学での講義や、睡眠・入浴によるリカバリーについて、全国で講演を行う。“お風呂教授”としてメディアでも活躍。著書に『1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法』(日本文芸社)など。
寝室を安心して眠れる場所に
ホテルに泊まったら、落ち着かなくて熟睡できなかった……。そんな経験はありませんか。人間は“環境の動物”であり、環境が変わることで、良い影響も悪い影響も受けます。もともと狩猟民族だった私たちは、身の危険や不安を感じる環境では、深く眠れないようにできているのです。
だからこそ、寝室は“安心して眠れる場所”であることが第一条件です。「よく眠れない」と思ったときに、今一度、見直したいのが寝室の環境です。明るさや室温など、押さえてきたいいくつかのポイントを解説します。
【明るさ】就寝時は不安にならない程度の明るさに
照明が明るすぎると、体内時計が乱れて夜なのに覚醒してしまいます。夜になったらリビングなどの室内の照明を落とし、暖色系ライトに切り替えると、自然とリラックスモードに。
寝室の照明は、不安にならない明るさがポイント。照明をオフにして真っ暗にして寝るか、真っ暗だと怖いと感じる場合は、常夜灯(豆電球)やフットライトを活用し、自分が安心して眠れる環境を作りましょう。
【光】遮光カーテンで外から入る光を遮断する
街灯や近所の家の灯りなど、窓から入る光は、夜の睡眠を妨げる可能性があります。寝室に窓がある場合は、外の光が入らないようにカーテンを閉めてから就寝します。
また、夏場は日の出が早く4~5時台には明るくなります。朝の早すぎる時間帯の光も覚醒させてしまうため、十分な睡眠時間を確保するために遮断したいところ。光を通しにくい遮光カーテンを使うのがおすすめです。
ただし、起床後はカーテンを開けて、朝の光を浴びてください。光が目を通って脳を刺激すると、シャキッと目が覚め、体内リズムもリセットされます。
【室温】夏は26℃、冬は17℃が快適に眠れる
睡眠の研究によると、最も眠りにつきやすい室温は、夏は26℃、冬は17℃とされています。室温をコントロールするために多くの方が使っているのがエアコンです。就寝時にエアコンを使う際は、風が直接体に当たらないようにします。風向きを天井方向もしくは真下に向けるなどして調整しましょう。
近年の夏は朝まで暑いので、快適に眠れるようにエアコンはつけっぱなしに。冬は体温で布団の中が温かくなるので、エアコンはタイマーをかけて切って寝ても良いですが、冷えると朝方寒くて目が覚めてしまう、朝なかなか布団から出られないという方は、起床の数時間前に室内が暖まるように、タイマーをセットしておくと良いでしょう。
室内の最適な湿度は、50%前後。湿度が高すぎると汗が蒸発せず、体温が下がりにくくなります。夏は除湿器、冬は乾燥対策として加湿器を上手に使うのも快適に眠るコツです。

【ベッドの位置】壁から少し離して、頭の位置は入口から遠くへ
寝室は静かであることが必須条件です。脳は睡眠中も音を感知しているため、物音がする寝室では完全に休むことができません。寝室の入り口付近は、家族の足音や話し声が気になることもあります。そのため、頭が入口から遠くなるように、ベッドの配置を考えてみてください。
寝具は汗で湿気がたまりやすいので、ベッドの位置は、壁から数センチ離して設置し、通気性をキープ。布団で寝ている方は、敷きっぱなしにしないよう注意しましょう。
また、寝室の壁紙はベージュやブラウン系など、落ち着きのある色がベスト。赤やオレンジなど、興奮を促す色は寝室には不向きです。
【敷き寝具】マットレスは寝返りの打ちやすさで選ぶ
良い寝姿勢とは、「耳の穴・肩・腰骨・くるぶし」までが一直線になった立ち姿勢のまま、ベッドに仰向けになった状態です。そのためマットレスは、仰向けになった際に頭や胸、背中、腰、足など、部位ごとに異なる体の重さを吸収してくれて、なおかつ寝返りがうちやすいものが最適です。硬すぎても柔らかすぎてもいけません。柔らかすぎると腰や胸の部分が沈み過ぎてしまい、硬すぎると体の一部に重さがかかって疲れてしまいます。
私たちは、ひと晩で20~30回程度、寝がえりを打っています。寝返りは、寝ている間に血行を良くしてくれる大切な動作。幅が狭いマットレスだと、寝返りが打ちづらいので、肩幅の2.5倍以上の幅があると安心です。買い替えるときは、「硬いと感じない」「沈みすぎない」「広さが十分にある」をポイントに選びましょう。
【枕】首と頭を支える大きめの枕を選択
枕は、姿勢を維持して、首への負荷を軽減する役割があります。理想は、仰向けで寝たときに首の下のすき間を埋められるように、肩から首、頭を支えられる、大きめの枕。枕が高すぎるとあごが引いた状態になり肩・首こりや、いびきの原因になります。反対に低すぎると、あごが上がって首が反った状態になり、首・背中の痛みや顔のむくみにつながります。
高さは、仰向けで寝たときに顔に5度の傾斜がつく程度が目安。マットレス同様に、幅が狭いと、無意識で枕から落ちないように不自然な寝がえりを打とうとします。十分な幅のある大きめの枕を選びましょう。

【パジャマ】“着替える=眠る”スイッチに
寝室環境のほかに、寝る前にパジャマに着替えることも大事。それまで過ごしていた部屋着のままでベッドに入ると、なかなか睡眠モードに切り替わりません。着替えることは、「眠る」という自己暗示となり、スムーズな入眠に効果的です。
パジャマは、摩擦がおきにくく、関節をしめつけないものを選んでください。吸水性が良くて涼しく、冬は温かいナイトウエアで、快適にぐっすり眠りましょう。
教えて石川先生!寝室と眠り方のギモンQ&A
Q.夫のいびきがうるさくて寝つけません……。夫婦別室にするべきか悩んでいます。(40代・女性)
A.すでに困っているなら、別室で寝るのがベストな解決策です。それと同時に、ご主人のいびき治療をおすすめします。いびきは、一時的に無呼吸になる「睡眠時無呼吸症候群」につながる可能性があります。睡眠時無呼吸症候群になると、睡眠の質が低下し、日中に強い眠気を感じることも。また、肥満などの生活習慣病や脳血管疾病のリスクを高める可能性もあります。早めにいびき治療ができる医療機関に相談しましょう。
Q.寝つきが悪いとき、寝室でアロマを焚いています。おすすめの使い方や種類を教えてください。(30代・女性)
A.アロマオイルとして売られている商品の中には、化学物質が含まれていることがあります。購入する際は、植物から抽出した100%天然成分の精油を選びましょう。アロマ専門店で探してみてください。天然の精油であれば、首筋や髪に付けても安心ですし、香りに包まれて心地よく眠れます。ラベンダーやカモミールには安眠効果があると言われますが、効果に捉われず、自分の好きな香りを選びましょう。
※肌の弱い方は、直接塗布する際は注意してください。
Q.8歳の子どもと同じ布団で寝ています。子どもの寝相が悪いので、動くたびに夜中に目が覚めてしまいます。(40代・男性)
A.お子さんが寝ついたあとは、別の布団で寝るのが良いと思います。子どもは寝ている間に動く回数が多いので、添い寝しているとパパ・ママの睡眠に影響を及ぼすこともあります。いずれ別々で寝る日は訪れますので、徐々に一人で眠れるように、まずは布団を分けてみてはどうでしょう。大人が十分な睡眠時間を確保できないと、翌日の活動の質が低下します。仕事のパフォーマンスアップのためにも、質の良い睡眠をとる方法を考えましょう。
良い睡眠がとれると、心も体も安定して翌日は元気に活動ができます。すると適度な疲労感が訪れて、夜になると自然と眠くなります。そんな理想的な睡眠リズムを手に入れるために、紹介した寝室の作り方を参考にしてみてください。
イラスト/中根ゆたか 取材・文/釼持陽子
寝つきが悪い、朝起きたときに疲労感がある、日中に眠くなってしまう。
これらの睡眠のお悩みには、寝ている間の「いびき」が関係している可能性もあります。不眠、疲れでお悩みの方は、いびき治療をすることで夜の睡眠や生活の質が向上するかもしれません。お悩みの方は、いびき治療専門クリニック『スリープメディカルクリニック』へご相談ください。
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