【大人の快眠教室】部屋着より効果大!「清潔なパジャマ」に着替えるだけで睡眠の質を上げる理由
布団に入ったら心も体も落ち着いて、スーッと眠れる——。そんな状態は、眠りに悩む人にとってまさに理想の入眠ではないでしょうか。睡眠改善インストラクターの資格を持つ、日本栄養大学特任教授・石川泰弘先生は、「パジャマに着替えることが入眠をサポートする」と話します。素材や選び方など、快眠に導くパジャマの効果と活用法を教えてもらいました。
いしかわ・やすひろ 日本栄養大学特任教授 博士(スポーツ健康科学)。睡眠改善インストラクター、温泉入浴指導員の資格を持つ。株式会社バスクリンの広報責任者を経て、現在は日本薬科大学での講義や、睡眠・入浴によるリカバリーについて、全国で講演を行う。“お風呂教授”としてメディアでも活躍。著書に『1週間で勝手にぐっすり眠れる体になるすごい方法』(日本文芸社)など。
“着替える=眠る”スイッチとなり睡眠モードに
みなさんは、寝るときに何を着ていますか? スウェットやTシャツ、ジャージなど、着心地がラクな部屋着で就寝する方も多いのではないでしょうか。
部屋着はリラックスタイムには着心地がいいですが、睡眠の質を上げたい、寝つきを改善したいと思っているなら、就寝時は上下に分かれたタイプのパジャマを着て寝るのがおすすめです。
素材によりますが、パジャマは吸水性や通気性、保温性に優れ、寝返りのしやすさも考慮された、睡眠に必要な機能が備わっています。
何より快眠のポイントになるのが「パジャマに着替える」という行為です。寝る前にパジャマに着替えることで、「これを着たら眠る」と脳にインプットされ、心身ともにONからOFF、つまり睡眠モードに自然と切り替わりやすくなるのです。
パジャマに着替えるという就寝前の習慣を「スリープセレモニー」といい、入眠改善に効果が期待できます。
反対に、寝る前まで着ていた部屋着のままで布団に入ると、活動モードからなかなか意識が切り替わらず、心身ともにリラックスできません。“着替える=眠る”の合図となるパジャマを上手に活用しましょう。
締め付けがない形、素材はシルクが最適
パジャマ選びで大事なのが、締め付けがないことです。例えば、足首にきついゴムが入っているなど、圧迫感のあるものは避けて、血の巡りを停滞させないゆとりのある形を選びましょう。
寝ているときは汗をかくので、素材は吸水性と速乾性が大切。おすすめは、綿の約1.5倍の吸水性があり、水分を外に逃がす「放湿性」に優れているシルク。人の肌と同じ成分で構成され、熱を逃がしたり保温したりと、気温に応じて温度調節する働きもあります。
ただし、シルクは高級素材のため、手洗いもしくはデリケートな素材を洗う「おしゃれ着洗い」が必要。洗濯のしやすさを考えるなら、シルクと綿(コットン)が混ざった素材のほうが扱いやすいです。
シルクのほか、麻(リネン)も吸水性と速乾性に優れています。吸水性が高く、洗濯がラクなのは綿(コットン)。ポリエステルなどの合成繊維は、お手入れはラクですが静電気が起きやすく、蒸れやすいのがデメリットです。
また、寝苦しい夏は、生地に“しぼ”と呼ばれる凹凸がある素材の「シアサッカー」が快適です。肌に触れる面積が少なくなり、汗をかいてもべたつきにくいのが特徴です。
夏に人気なのが、冷感素材のパジャマ。触れた瞬間に肌の熱が素材へと移動する仕組みにより、ひんやりと冷たく感じます。しかし、冷たく感じるのは一瞬で、同じ姿勢で寝ていると、寝具との間に熱がこもり体温と同じ温度まで上昇します。吸水性が低い素材だと蒸れやすいため、寝苦しさにつながる場合があります。
寝返りのしやすさにはパジャマと寝具の相性も大事
パジャマは、シーツや掛け布団など、寝具との相性も重要です。寝ている間、私たちはひと晩で20~30回程度、寝返りを打っています。パジャマと寝具の相性が悪く寝返りが打ちづらいと、夜中に目が覚めてしまい、熟睡を妨げる原因になります。
例えば、パジャマと寝具がどちらもシルクだと滑りやすく落ち着かず、どちらも麻(リネン)だと肌触りがガサガサして気になることがあります。同じ素材同士でも、必ずしも快適とは限りません。

最も相性が良いのは「パジャマ:シルク×寝具:綿(コットン)」の組み合わせ。適度な摩擦があり、スムーズに寝返りを打つことができます。「パジャマ:綿(コットン)×寝具:綿(コットン)」「パジャマ:麻(リネン)×寝具:綿(コットン)」も、寝返りや吸水性の観点から相性は良好です。
また、パジャマの色や柄はお好みでOK。ただし、赤やオレンジなどの興奮を促す色は避け、自分がリラックスできる色を選びましょう。「これなら心地よく眠れる」という、お気に入りのパジャマを見つけてみてください。
リカバリーウエアは就寝時の着用に注意
近年、休養をサポートするアイテムとして注目されているのが、リカバリーウエアです。リカバリーウエアとは、遠赤外線効果などの特殊な素材や技術によって、血流促進や疲労回復をサポートする機能性ウエアのこと。
体の休養には効果的ですが、睡眠時の着用には注意が必要です。人には夜になると体温が下がり、自然と眠くなるリズムがあります。そのため、血流を促して体を温めるリカバリーウエアを着て寝ると、体温の低下が妨げられ、眠りにくくなる可能性があります。
リカバリーウエアは、帰宅後から入浴までのリラックスタイムに着用して体をケアし、就寝時には睡眠に適したパジャマに着替えることで、それぞれの機能をより効果的に活かすことができます。

教えて石川先生!寝室と眠り方のギモンQ&A
Q.不眠気味で、暑くて眠れないときがあります。パンツ一枚で寝ると涼しくてよく眠れる気がするのですが、裸で寝るのはダメですか。(30代・男性)
- 人は寝ている間にコップ1杯程度、夏場だとそれ以上の汗をかいています。裸で寝るということは、汗がすべて寝具に吸収されているということ。寝具の衛生面から考えると、やはりパジャマを着て寝るほうが良いでしょう。また、気づかないだけで朝方に体が冷えているかもしれません。室内が暑くて眠りづらい場合は、エアコンや掛け布団で体温を調整してください。
Q.値段の高いパジャマのほうがよく眠れるのでしょうか。(30代・女性)
- 値段の高い・安いよりも、吸水性や速乾性に優れた素材を選ぶことが大切です。より快適な寝心地を求めるなら、先ほどご紹介したシルクがおすすめです。ただし、シルク100%のパジャマは数万円するものもあり、やや高価になります。シルクと綿(コットン)を組み合わせた素材や、コットン100%も肌ざわりが良く、シルク100%よりは手に取りやすい価格帯が多いです。
Q.足先の冷えがつらくて、夏以外は靴下を履いて寝ています。質の良い睡眠のためにはあまり良くないのでしょうか。(40代・女性)
- 体温が下がるときに足先からも熱放散されるので、あまりおすすめできません。寝る前は寒いかもしれませんが、寝ている間に汗をかいて足が冷える心配があります。布団に入るときは履いて、温まったら脱いで寝るほうが快適に眠れると思います。どうしても寒い場合は、靴下より湯たんぽを使ってみてください。ゆっくりと自然と温度が下がるのでリラックスして眠れます。
「パジャマに着替える」というちょっとした日々の習慣が、心身を整える快眠へとつながります。自分に合ったパジャマを見つけて、睡眠のリズムを整えていきましょう。
イラスト/中根ゆたか 取材・文/釼持陽子
寝つきが悪い、朝起きたときに疲労感がある、日中に眠くなってしまう。
これらの睡眠のお悩みには、寝ている間の「いびき」が関係している可能性もあります。不眠、疲れでお悩みの方は、いびき治療をすることで夜の睡眠や生活の質が向上するかもしれません。お悩みの方は、いびき治療専門クリニック『スリープメディカルクリニック』へご相談ください。
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